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バイクの保険はよく考えて!バイクの保険で困った人を見てきた話。

「バイクの保険、バイク屋さんがすすめるものに入っておけば大丈夫!」
「お世話になってる保険代理店さんがやってくれてるからOK」

はい、大丈夫です。
……事故が起きなければね!

こんにちは。めぐりです。
わたしは損害保険会社で働いており(現在は育休中)、入社以来ずっと自動車保険の保険金支払い部門で働いています。

事故に遭われたお客様に保険金のお支払いの説明をしたり、相手方がいる事故の場合は相手方への対応・示談交渉を行ったりするのが仕事です。

自動車の対応が多いですが、もちろん二輪車も対応しますし、ファミリーバイク特約の対応もあるので、原付の対応もしています。

今回は原付の任意保険の話。
車・バイクの保険は任意保険と強制保険(自賠責)があります。

強制保険(自賠責)だけでもいい?

もちろん大丈夫ですよ。
万が一、事故に遭った時に相手方への賠償するお金があって、トラブルも顧問弁護士が対応してくれて、自分が怪我をしたりしてもなんにも困りません!なーんて方はいらないですね。
そうじゃない人は加入しましょう!

自賠責保険の会社に頼んでも、お金は払っても、何か助けれくれるわけじゃないですから、あなたが大金持ちでない限りは任意保険にも加入しましょう。

原付の任意保険の加入方法は2つ

原付そのものが加入するバイク保険と、他に所有している車につけているファミリーバイク特約の2種類です。

どっちに加入すると手厚いか、保険が足りないか、ということはないです。
バイク保険とファミリーバイク特約の大きな差は

  • 車両保険の有無

  • ロードサービスの有無

  • 搭乗者傷害保険の有無

です。
原付で車両保険に入りたいという方はほとんどいないと思います。
たまーにいますがほぼ無意味かなと。(今回は割愛)
ロードサービスは、事故で走行ができなくなったときにレッカー車で運ぶ費用を支払ってもらえるものです。
原付でツーリングする人っているんですかね~?
しょっちゅう山奥までツーリング行きますって人は必要……かな……?
事故に遭ったときに、レッカー会社に頼んで自己負担っていうケースが多いですね。
搭乗者傷害保険は契約のバイク・原付に乗っている時に事故・負傷した場合に支払われる保険です。人身傷害保険に入らない場合には入りましょうというレベル。

原付の場合、決定的な差はないので、自分または同居家族の車があってファミリーバイク特約に加入できる場合はファミリーバイク特約、ファミリーバイク特約に加入できない場合はバイク保険に加入で良いかと。

怪我して困りたくないなら人身傷害保険

バイク保険でもファミリーバイク保険でも、恐らくバイク屋さんや保険屋さんが勧めるのは対人・対物賠償がメインのものです。おそらく対人対物ともに無制限に入っているので、ここは変えなくていいでしょう。

原付乗りさんが事故にあって困るのは自分の怪我です!!!
なぜなら、人身傷害保険に入っていない人が多いから。
人身傷害保険は保険料が高いので、加入しない人が多いです。
(車の場合はほとんどの方が加入しています。)

人身傷害保険に加入していれば、事故に遭って怪我をした場合、飲酒運転など明らかに約款にひっかかることをしていない場合には治療費が支払われます。
実際にかかった治療費が支払われ(ケースによっては一度立替が必要になる)、仕事を休んだ場合には休業損害、精神的損害も支払いがあります。
つまりは、人身傷害保険に入っていれば治療費という観点で困るということはありません。(もちろん怪我をしているので不便等はあると思います。治療費の観点からいえば人身傷害保険以上に手厚い治療費の保険はないのでこれ以上どうすることもできません)

一方、搭乗者傷害、ファミリーバイク特約自損型はかかった治療費が保険金として支払われるのではありません。
契約内容によって、入院通院回数に応じて支払われます。
例:搭乗者傷害保険(または自損事故傷害) 入院1日5000円・通院1回2000円など ※入院または通院5回で10万円という一時金の契約方法もある

たまーに、人身傷害保険も搭乗者傷害保険・自損事故傷害保険に入っていない強者がいます。保険料は安くなるかもしれませんが……いざ事故にあうと困る人が多いですね。

事故にあって困るのはどんなケース??

事故は大きく分けて3ケース
①単独事故
②被害事故(相手がいる事故で、自身の責任割合が0~40%程度のもの)
③加害事故(相手がいる事故で、自身の責任割合が50%程度~100%のもの)

①単独事故(転倒・壁などにぶつかる)・追突など責任割合が100%の事故

人身傷害保険・搭乗者傷害保険・ファミリーバイク特約自損型どのタイプでも保険金の支払いがあります。
このケースは大けがしていない限りそんなに困ることはないかと思います。

②被害事故(相手がいる事故で、自身の責任割合が0~40%程度のもの)

人身傷害保険・搭乗者傷害保険は支払いの対象となりますが、ファミリーバイク特約自損型は対象外となります。
被害事故の場合、相手方が任意保険に加入していて、あなたのお怪我の対応をスムーズにしてくれるのであればトラブルは起きません。

このケースでも問題はあります。
・相手方が無保険の時
・相手方が任意保険に加入しているが、保険を使いたがらない時
・相手方が任意保険に加入しているが、相手方の加害事故だと認めない時
・相手方が任意保険に加入しているが、事故状況の主張の相違により、加害事故だと認めない時
ざっと思いついただけでもこんなにでてきました!

事故状況はお互いに言っていることが一致するとは限りません!
ドライブレコーダーがなく、監視カメラ(これを見るのは民事の場合なかなか難しい)等でも確認できず、事故状況が相違して、お互いに「自分が被害の事故だ!」と主張していると、相手保険会社もあなたの怪我の対応ができない場合があります。

こういうときは本当に大変。もう事故にあっただけで困っているあなた。相手方が悪い事故だと思うし、事故状況を話したら自分の保険会社は相手方が悪い事故だと言っている。相手保険会社も相手方が悪い事故だとわかっている。でも相手方がそれを認めない!結果、怪我の対応もしてくれない!自分も人身傷害保険は加入していない、搭乗者傷害保険は通院1回3000円しか払われないし、会社も休んでいるのに……という困ったことが起きます。

③加害事故(相手がいる事故で、自身の責任割合が50%程度~100%未満のもの)

人身傷害保険・搭乗者傷害保険は支払いの対象となりますが、ファミリーバイク特約自損型は対象外となります。

「自分の方が悪い事故だからしょうがない……」
とはなかなか思えないんですよね……これは保険会社側もどうしようもないのですが……。
自分が責任割合の大きい事故だとしても、怪我が大きいのはバイク・原付側なんですよね。

【ケース別】つまりはこういうこと!

人傷害保険加入orファミリーバイク特約人身傷害型に加入
⇒怪我の保険はOK!

人身傷害保険未加入&搭乗者傷害保険
⇒怪我してもらえるお金はあるけど、不安が残る。

ファミリーバイク特約自損型
⇒怪我をしても、相手方に責任が少しでもある事故なら自損型からの支払いはなし。あなたの責任割合が少なく、相手方保険で対応してもらえれば問題なし。あなたの責任割合が大きいor相手方が保険対応してくれない時は困ることもある。

【結論】人身傷害保険orファミリーバイク特約人身保険型がおすすめ!→加入しない場合にはきちんと備えておきましょう!

おすすめではあります。もちろん補償は厚いほうがそりゃいいですよね。

人身傷害保険をつけるかつかないかでは結構保険料が変わってきます。最後はそれぞれのかねあいで決める必要があります。

バイク保険・ファミリーバイク特約だけですべてをカバーする必要はありません。
・医療保険や就業不能保険など、他に加入している保険がある。
・通勤でしか使わないから労災で対応可能
など、他の手段で対応できれば良いのです。

自分がどのような保険に加入しているのかを把握し、その保険で支払われない場合はもしもの時にどうするかをきちんと考えておきましょう。

何かご質問がある場合には@meguri_72までDMいただければ、可能な範囲でお答えします!

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