
『ラヴ・レター』

拝啓
きみへ
こんにちは。わたしです。
窓ごしに雲のちょっぴり覗く青空をぼんやり眺めながら、このお手紙を書いています。
あなたのほうは、いかがお過ごしでしょうか。
きっと今も変わらず3つの命と、それから多くの命と向き合って、自ら傷つくことも恐れずに救いの手を差し伸べているのでしょう。
かくいうわたしも、暗くて重い沼の底に沈みかけていたところをあなたに引きあげてもらった命のひとつです。
そういえば、あなたは折に触れてわたしに「死にたい」と言っていましたね。
あなたの口から出たそのことばに、当時のわたしは戸惑いを隠せませんでした。
そして、そのことに少し後悔しています。
あれは、あなたからの「サイン」だったのかもしれない。
そのように、ごく最近になって思うようになりました。
たくさんの命を救う、あるいは自分の命を捨てようとする。
わたしは、そんなあなたのことがたまらなく愛おしくなってしまったようです。
そして、あなたのことをずっと(は困りますか?)そばで見ていたいと思うようになりました。
あなたに救われたわたしは、今度はあなたを救いたい。
あなたのように、強くてやさしくて、けれど誰かを頼っちゃう人になりたい。
「あなたと一緒なら、それこそ『死んだほうがマシ』と思えるような苦しみに晒されても二人がかりでやっとこさ乗り越えられる」
わたしはそれを(なんと)100パーセントで信じています。
とても強い思いをたくさん込められるように、できるだけ優しいことばを選んでみました。
そのことばひとつひとつが、わたしからのラヴ・レターです。
口に出してお伝えするのは恥ずかしくてとてもできないから、「文章なら、、、」と思ったのですが、書いているうちにじんわりと耳が熱くなってきたので、もうこの辺でおしまいにします。
これからもお身体と、それからこころを丈夫にお過ごしください。
敬具
わたしより