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プロ奢儀礼研レポート『箱根駅伝』は生贄(いけにえ)の宝庫…改訂版

箱根駅伝は、近年は毎年1月2・3日に開催される大学抗の長距離走大会です。
今年の箱根駅伝のテレビ平均視聴率は28.1%
国民の約3割が見る…国民行事と言っても過言ではないイベントです。

しかしなぜ(たかが)大学対抗の長距離走大会が、これほどまで盛り上がるのか?箱根駅伝の魅力について、儀礼という側面から考えます。

1. 箱根駅伝は儀礼なのか?

儀礼とは…
(1)2人以上(複数)
(2)特定の形式がある
(3)聖なるものが存在する
と定義されます。

(1)2人以上(複数)参加してるか?

・大会に出場する選手(大学)は 200人(20校)
・そして国民の約3割が視聴する一大イベント。

(2)特定の形式があるか?

・東京大手町から箱根の山…往復約200キロの道のりを10人のランナーが2日がかりで襷(たすき)と呼ばれる目印をつないで走る、全く非効率かつ特異なルールを採用している。

※ 同種目は普通なら、ハーフ・マラソンという個人競技になるはずのもの。

(3)聖なるものが存在するか?

・襷(たすき)はまさに聖なるもの。
・そして襷をかけて走るランナーは聖なる存在。

※ 山登り区間の歴代記録保持者は「山の神」と称され、永く栄誉をたたえられる。

(1)(2)(3)を完璧に満たしていることから、箱根駅伝が儀礼であることは疑う余地がない。

2. 無数に用意された生贄(いけにえ)による集団的沸騰

・何年前の大会かは覚えてないが、忘れられないシーンがある。
足を引きずりながら1キロ以上走った選手が…とうとう立ち止まっていまう(確か足首を骨折していた)
運営管理車から監督が降りて選手に歩み寄るが、気付いた選手は足を引きずりなから必死に逃げて抵抗する。
監督は追いすがり一瞬躊躇したのち選手の肩にタッチ。
援助による競技失格…その瞬間選手は崩れ落ち、精神が崩壊してしまったかのようなうめき声をあげ続ける。

襷(たすき)を10人でリレーするという特異なルールから、自分の失格は残り9人の選手の失格、補欠選手の失格、そして大衆の面前で母校の失格も意味する…まさに死にも匹敵する生贄。

・繰り上げスタートという残酷ルール。
今年も…区間ゴールをするも規定時間をオーバーしていたため、襷を渡すはずの選手は既に走り去った後。
ゴールした選手はうずくまり、同チームメイトに支えられながら「すみません…すみません…」と誰に謝っているのかわからないシーン。

・生贄復帰イベント。
ご覧下さい!去年棄権したあの選手が、今年はこんなにも力強い快走を見せてます(死者蘇生)

・シード権争い…涙が交錯する予選会…予選落ち上位選手で結成される選抜チーム…等々…集団的沸騰を起こす数々のイベント。

個人の失格がチームの失格ルール、繰り上げスタート、死者蘇生、シード権争い、涙の予選会、選抜チーム…
箱根駅伝には大小さまざまな『生贄』が用意され、無数の集団的沸騰を起こす。

3. 集団的沸騰が『私たち』をつくる

箱根駅伝は集団的沸騰により、2つの私たちをつくると思います。

1つ目…驚異的な数の視聴者。
ニ日間(12時間以上)平均視聴率28.1%(約3千万人)…箱根駅伝の視聴者は熱狂的ファンが多く、ほとんどがリピーター。

2つ目…襷をかけて走る選手たち。
完全テレビ中継される夢舞台(箱根駅伝)
過酷な練習にたえ熾烈な競争を勝ち抜いた選手たち。

近年箱根駅伝で活躍した(スター)選手がオリンピック代表入りするなど、長距離界での活躍が目立つようになり、世界の走りに追いつく原動力にもなっている。

箱根駅伝という儀礼には、視聴者と選手たちという2つの私たち(社会)が存在する。

4. 箱根駅伝という儀礼…そして洗脳

自分個人の話をすれば…スポーツ観戦は嫌いではないが、サッカー、野球、バスケ、テニス、そして卓球など、どちらかと言えば球技派であり、陸上競技…まして長距離走のような変化の少ない競技を観戦する習慣はなかった。
しかし箱根駅伝だけは例外で、ここ数年(青山学院が連覇しだした頃から)お正月休みスケジュールの最優先事項を、箱根駅伝としている。

自分…つまり私たちが、箱根駅伝に熱狂する理由がわかった。
私たち(視聴者)は長距離走を見ていたのではない。
箱根駅伝という儀礼の、集団的沸騰に魅了されていたのだ。

理由がわかっても、箱根駅伝を好きなままの自分に多少ビックリしています。
箱根駅伝を見るようになったキッカケは、ニュースで途中棄権した選手の映像だった気がします。
その残酷シーンをキッカケに箱根駅伝を見るようなり、気がついたらハマって私たちの一員になっていました。
巧妙に誘導され洗脳されてしまった感じです。

儀礼には人を洗脳し、私たちの一員にしてしまう力がある。怖い〜〜〜

5. まとめ

自分はこれまで…誰かに洗脳されるようなことは絶対に無いと思っていました。

しかし箱根駅伝という儀礼に簡単に洗脳され、
しかも洗脳されたという事実に気付かず、
そして洗脳は解けないという事実を、身を持って知ることが出来ました。

多少の負け惜しみを言わせて頂くなら、箱根駅伝の私たちになったのは良いことだと思っています。
だってお正月休みをドキドキ・ワクワク楽しく過ごせることが決定してるわけですから…

少し真面目な話しをすると、(詐欺など)犯罪をおかす集団やカルト集団などには、興味本位とか安易に近付かないほうが良いです!!!!!

どんな儀礼的手法を使って洗脳されてしまうか分からないし、洗脳はされたとこに気付かないし、そして解けないから…

儀礼研ありがとうございました。心より深く感謝しております。


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