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世界初!原材料が”木”のお酒

恵みの森づくりコンソーシアム広報の伊東です。
最近は朝晩が少し気温が下がり、過ごしやすい日が増えてきましたね。
日中の空や風の感じも、あつーーーい真夏とは違って、少し秋らしい雰囲気になってきた気がします。夜のお散歩をしていたら鈴虫が鳴いていました。
もう秋はすぐそこですね。

秋と言えば…食欲の秋!
美味しい食べ物にはお酒が合いますよね!
今日は「木」から作るお酒のお話しです。

「木」が原材料のお酒?

茨城県つくば市にある森林総合研究所は、木材の新しい加工技術を開発し、人類史上初めて”木”を原料にお酒を造る技術を開発しました。

どのように木のお酒が作られるの?

木材の主要成分であるセルロース、ヘミセルロース、リグニンは、強固な細胞壁を作り出し、木材の耐久性を高めています。
細胞壁は非常に薄いですが、密集して木材を硬くします。これを分解するために「湿式ミリング処理」という技術が開発されました。この技術では、ビーズミル装置を用いて木材を微粉砕し、セルロースを露出させます。露出したセルロースは酵素でブドウ糖に分解され、その後アルコール発酵が可能になります。

樹種によって変わる風味

木の種類は様々使えるそうです。スギ、白樺、ミズナラなどなど…
それぞれ木によって風味が違うのだとか。
例えばスギだとウッディー香りが楽しめたり、白樺だとフルーティーなワインのような風味だったり…
色々な樹種のお酒を試したくなりますよね!

国産材の新たな活路・地域や林業を盛り上げるきっかけに

日本は国土の約3分の2を森林が占める、まさに「森林大国」です。しかし、輸入木材に押され、かつてのピークから価格が大幅に低下した国産木材にとって、"木のお酒"は新たな価値を見出す一つの可能性となるでしょう。
各地域で育まれ育った木材を使って、その土地ならではの「木のお酒」を生み出すことができるのです。この取り組みは、地域の魅力を再発見するきっかけとなり、同時に林業の価値を再認識する手助けにもなると思います。

自社で所有する木でもお酒が作れる…かも?!

森林総合研究所は研究機関のため、製造販売は行うことができません。そのため森林総研が開発した「木の酒」は現在どこにも売っていないのが現状です。「木の酒」が販売されるためには酒造免許のある民間の酒造メーカーが製造して販売する必要があります。
森林総合研究所では「木の酒」の事業化に挑戦する酒造メーカーを募集中だそうです!恵みの森づくりコンソーシアムには、林業に携わる方や、企業の森を所有している方も多くいらっしゃいます。酒造メーカーとの連携は必要ですが、自身の管理する森の木でお酒を作るというのは、ロマンあふれる挑戦だと思いませんか?

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