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めぐみ
2024年12月13日 17:03
女生徒と指輪 学校から持ち帰った課題の最後の設問に回答を書き込んだ時、ちょうど誰かが階段を昇ってくる音がする。随分古い家なので忍び足で歩こうが意味はなく、木材が軋んでギシギシと音をたてるのだ。 すぐに部屋の扉がノックもなく開かれる。「銀子、金華のご飯は?あげようと思ったのに見当たらないんだけど」「ああ……」 手元のノートから気怠げに視線を外して顔をあげた銀子は左手の親指をチラと見た。母が銀