小さくてもいいから、本当のことがしたい
子どもの頃から、嘘をつくのが苦手だった。
例えば、先生がテストの採点ミスをしたとき。たとえ点数が下がったとしても、言い出さずにはいられなかった。
そんな不器用さは、おとなになっても変わらずで、仕事の選び方にもあらわれた。
わたしは「やりたいこと」はもちろん、「どう在りたいか」を大切にしていた。
「小さくてもいいから、本当のことがしたい」
これが、はじめての就職活動のときに、心においていた言葉だった。
これは、わたしの言葉ではなく、『田舎のパン屋が見つけた「腐る」経済』という本を書いた「タルマーリー」の店主である渡邉格さんの言葉だ。
「タルマーリー」は当時、わたしの地元のまちのパン屋さんだった(現在は移転)。
「嘘をつかない仕事がしたいんです」
そう伝えると、店主の格さんから、こう言われた。
「作り手になりなさい」
そうか、作り手になったら、まっすぐでいられるのかな。そう思って、少しだけ楽になった。20歳、大学2年生の頃の話だ。
それから5年経った今は、子育てにまつわるインフラをつくる仕事をしている。
作り手にはなったけれど、わたしはどう在れているんだろう。
今の自分に、改めて問うてみる。
「人を欺いてはいないか」
「いいものを、いいと言えているか」
「本当の気持ちを語っているか」
どうだろう。わからなくなってきた。
そもそも、わたしは、そう在れる力があるのか?
自分のしがらみに、とらわれていないか?
2018年もあと2週間。今年の自分はどんな在り方をしてきただろう。
来年は自分が作ったしがらみを取っ払って、自由を取り戻す年にしようと思う。
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