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【更年期⑫通信】2022年海外更年期の資金調達・買収まとめ12選

2022年は「更年期元年」と言っても過言でないほど、海外および日本でも更年期市場の動きが活発だったと感じている。

海外では、2022年3月に不妊治療の米Carrot Fertilityが更年期事業に参入。8月には、不妊検査キットの米Miraが更年期を予測する自宅検査キットを販売したり、福利厚生を手がける米Maven Clinicも更年期専用のサービスを追加している。

2022年のFemtech Insiderから、更年期関連の資金調達や買収を振り返りながら、2023年の動きを予測したい。
(金額表記は便宜上、1ドル=131円/1ポンド=142円で計算している)

①Gametoが2,300万ドル(30億円)の資金調達(1/10)

不妊症や早期閉経などの新薬開発に取り組むGametoが約30億円の資金調達。「Fertilo」「Deovo」「Ameno」3つのプログラムで、卵巣治療のプラットフォームを構築。

②AmyrisがMenolabを買収(1/24)

バイオテクロノジー企業のAmyrisが、女性向けウェルネスブランドMenolabを買収。Menolabは、更年期症状の治療や健康状態のトラッキングに焦点を当てたサプリやアプリを開発。
Amyrisは、成長中の更年期市場に参入し、新しい消費者ブランドを立ち上げるよう。

③Vira Healthが920万ポンド(13億円)の資金調達(3/15)

更年期に特化したデジタル医療サービス「Stella」をアプリで提供。骨盤底筋トレーニングや食事などパーソナライズされたオンライン治療が利用可能であり、約13億円の資金調達。

④Cosmが380万ドル(4.9億円)の資金調達(4/4)

骨盤底筋トラブル解消のため、超音波、クラウドソフトウェア、人工知能、3Dプリント等を活用し、カスタムメイド装具を提供している。約4.9億円の資金調達。

⑤Evernowが2,850万ドル(37億円)の資金調達(4/6)

更年期障害のテレヘルスEvernowが、37億円の資金調達。ユーザーがサービスに申し込むと、患者の健康履歴に基づく治療プランを立ててくれる臨床医を紹介。ホルモン補充などの治療薬を患者の自宅に配送し、必要に応じてメッセージのやり取りも可能。
更年期専門のテレヘルスが、欧米では増加しており、2023年の動きに注目。

⑥Lisa Healthが250万ドル(3.2億円)の資金調達(7/26)

更年期女性向けに、症状の把握やテレヘルスを提供しているLisa Healthが3.2億円の資金調達。

⑦Gametoが1,700万ドル(22億円)の資金調達(9/15)

2022年1月に約30億円の資金調達を実施したGametoが、9月にも約22億円の資金調達。

⑧JoyluxがMammy mattersを買収(10/7)

骨盤底筋デバイスを提供しているJoyluxが、更年期女性だけでなく、産後の女性にもターゲットを拡大するため、Mammy mattersを買収。
女性たちにヒアリングしていると、「出産が終わり産後になると、すぐに更年期がくる」という話しを聞くため、女性のライフステージに沿ったサービスへ拡大していくようだ。

⑨UnifiedがGennevを買収(10/20)

米国でウィメンズヘルスケアを手がけるUnifiedが、更年期テレヘルスのGennevを買収。

⑩Midi Healthが1,400万ドル(18億円)の資金調達(10/27)

更年期テレヘルスのMidi Healthが約18億円の資金調達。

⑪Joyluxが550万ドル(7.2億円)の資金調達(11/2)

骨盤底筋の引き締め活性化により、失禁や性機能障害を改善するデバイスvSculptを提供。長らくレーザーによるアンチエイジング治療など、美容機器の開発に携わっていた創業者が、顔の肌の組織を健康に保つために使うテクノロジーを、骨盤底筋の組織を健康にするために使えないかと考えた製品。7.2億円の資金調達。

⑫Vira HealthがAlvaを買収(11/8)

3月に約13億円の資金調達を実施したVira Healthが、更年期テレヘルスのAlvaを買収。

【まとめ】2023年の更年期市場は、BtoCからBtoBtoEの事業が増加するかもしれない

2022年は海外・日本ともに、政府や企業で更年期に関する調査が増えてきたことで、更年期とキャリアの関係が深いことが明確になったと感じている。

更年期は、管理職になる年齢と重なるうえ、子育てや親の介護も背負う時期となっており、仕事やプライベートで重要な時期を迎えるため、企業が更年期に対して注目しているのではないだろうか。

2023年の更年期市場は、2022年以上に盛り上がることは間違いないため、引き続き注目していきたい。

【参考】2022年の海外更年期調査まとめ

・Bonafide

・Carrot Fertility

・Mira

【イベント】2/20(月)開催:保険×福利厚生×Femtechの最新事例

海外では、ローザンヌ工科大学と、スイスの大手保険会社Groupe MutuelがFemtechのアクセラレータープログラム「Tech4Eva」が2021年に開始。日本のパートナー企業としてfermataも参画している。

また、AXAも50inTechと合同で、フェムテックのアクセラレータープログラム「AXA & 50intech Female Technology FemTech Accelerator Program」を実施。

海外では、保険業界がFemtechに注目していることが伺えるが、今回のイベントでは、海外の最新動向も紹介しながら、日本企業4社が登壇。
1年以上前から、あたためていた企画でもあり、ぜひご参加お待ちしています。

【レポート】海外・国内のFemtech最新情報2023

Femtech法人会員限定となるが、海外・国内のFemtech最新情報2023がリリース。Femtechの最新動向を知りたい方はぜひ!