【イベント登壇】JTCで実現するエフェクチュエーションのミライ
2024年6月7日、保険業界の横断コミュニティであるGuardTech検討コミュニティ主催のイベントにて、エフェクチュエーションの概念をテーマにしたイベントが開催されました。
筆者も、エフェクチュエーションの実践者として登壇させていただいたので、講演内容を紹介します。
1.自己紹介
筆者は、保険業界で健康増進型保険の企画や、システム開発のプロジェクトマネジメントなど、多岐にわたる業務を経験してきました。
また、Femtechの起業家支援や大企業の新規事業相談、NewsPicksのトピックスオーナー、スタートアップ顧問など兼務しています。
最近は、出身地である北海道の起業家を増やす取り組みもしており、もし北海道の起業家支援に関わりのある方がいらっしゃれば、ぜひご連絡ください!
2.JTCとは?
講演では、JTC(伝統的な日本企業)と呼ばれる企業の特徴について説明しました。JTCとは、日本の伝統的な経営スタイルや価値観を持つ企業を指し、その中でエフェクチュエーションをどのように体現してきたかが本講演の主題となりました。
JTCについては、以下のnoteにわかりやすく書かれています。
3.エフェクチュエーションとは?
エフェクチュエーションは、伝統的な予測型のアプローチとは異なり、手元にあるリソースを最大限に活用しながら、不確実な未来に対応するための方法論です。エフェクチュエーションの「5つの行動原則」は以下となります。
1. レモネードの原則
「レモネードの原則」は、酸っぱいレモン(粗悪品)をつかまされたらレモネード(価値ある成果)を作り出すという考え方です。
JTCにいると、希望しない部署や嫌な上司(酸っぱいレモン)と巡り合わせるかもしれません。そんなときは、社内公募制度などを活用して、希望部署への異動(レモネード)を検討してみると良いと思います。
2. 手中の鳥の原則
「手中の鳥の原則」は、目的に導かれるのではなく、手元にある手段の有効性を最大限に考えることを指します。
筆者も、副業が一般的でなかった2009年に、仕事をしながらNPO法人で活動し、理事など経験させていただいたことが、今の活動に繋がっています。
3. 許容可能な損失の原則
「許容可能な損失の原則」は、予想される将来利益の最大化ではなく、どの程度の損失まで耐えられるかを計算し、その範囲内で投資を行うことです。
筆者も、リスキリングという言葉がまだ浸透していなかった2012年に土日を利用してビジネススクールに入学し、MBAを取得したことで、社外の人脈が広がりました。
4. 飛行中のパイロットの原則
「飛行中のパイロットの原則」は、自動運転に頼らず、自らの力と才覚を利用して生き残ることを意味します。
筆者も、2020年にコロナ禍で在宅ワークが増えたときに、新規事業のアクセラレータープログラムに参加しました。それがきっかけで、現在はFemtechの起業家や新規事業を支援する一般社団法人の理事をしています。
5. クレイジーキルトの原則
「クレイジーキルトの原則」は、あらかじめ決められたコンセプトのもとに必要な資源を探すのではなく、協力者が提供してくれる資源を柔軟に組み合わせて、価値のあるものを創り出すことを指します。
個人的には、この原則が一番重要だと思います。
自分ひとりでできることは限られているので、仲間を集めていくこと。そのための信頼貯金を積み重ねることが重要だと感じています。
4.エフェクチュエーションの実践例
講演では、エフェクチュエーションを実践することで得られた具体的な成果についても言及しました。
これまで積み重ねてきたことが巡りめぐって、信頼や影響力の向上に寄与したと感じています。ひとつひとつの出会いや経験が、あるとき爆発して、成果が連鎖的に続いていくのではないかと感じています。
5.まとめ
エフェクチュエーションを実践することで「フッ軽」(フットワークが軽い人)になると感じています。
フッ軽とは、新しい挑戦や遊びの誘いに前向きに対応できる人を指し、これが予測不可能な未来に対する柔軟な対応力を養うために不可欠です。
講演では、エフェクチュエーションの理論を、実際の経験に基づいて説明しましたが、参加者からは「自覚していなかったが、自分の人生に紐づけてしてみて、エフェクチュエーションを実践していきたい」と感想をもらいました。
少しでも、みなさんのお役に立てたらうれしいです。
6.筆者紹介
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