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【フェムテック通信#18】2023年4月の海外 Femtech資金調達・ファンドまとめと、今後の予測

Femtech Insiderの記事を元に、2023年4月の海外Femtech資金調達をまとめました。Femtechに関する情報収集の参考にしていただければ幸いです。Femtech業界の最新動向に興味のある方は必見の記事です。

1.Define Venturesが、4.6億ドルのファンドを設立し、Femtech起業家を支援

VCのDefine Venturesが、新たに4億6000万ドル(500億円)のファンドを立ち上げたことを発表。これまで21のデジタルヘルススタートアップに投資しており、今後の投資先にも注目。

2.女性の健康やウェルネスに特化した投資ファンド「Vice Ventures Fund」が設立

Vice Venturesが2つ目のファンドを発表し、ファンド額は2,500万ドル(27億円)。同社はシードラウンドを含めたベンチャー企業を30社育成することを目標としている。

3.子供とその家族が利用する医療モバイルアプリLittle Journeyが250万ポンドの資金調達

手術前の若年層の精神状態を落ち着かせることを目的としたアプリを展開しているLittle Journeyが、250万ポンド(3億円)の資金調達。病院で待機している子供たちの不安を払拭できるようなゲームや、親御さんに手術前や手術後に期待しているコンテンツなどを提供している。

4.Gather Healthが、シリーズAラウンドで1,500万ドルの資金調達で、米国初の高齢者向けプライマリケアの診療所を開設

医療テクノロジー企業Gather HealthがシリーズAラウンドで1,500万ドル(1.6億円)の資金調達。高齢者の患者向け面談や治療計画のためのコミュニケーションプラットフォームを提供。医師や医療スタッフが治療の進行状況を監視し、必要に応じて柔軟に変更できるようにする。新しい資金調達を用いて、プラットフォームの開発と拡張に取り組んでいく。

5.職場で搾乳できない課題を解決するMilkMateが、FDAの認可を取得し、500万ドルの資金調達

産休明けの職場復帰後に、搾乳ができない課題を解決するためのソリューションを提供するMilkMateが、FDAの認可を取得し、500万ドル(5.5億円)の資金調達。ビジネスモデルは、日本のmamaroと近い部分もあると推測。

6.がん患者向けのオンラインプラットフォームを展開するPerci Healthが340万ポンドの資金調達

Perci Healthがシードラウンドで340万ポンド(5億円)を調達。英国では、毎日1,000人ががんと診断されており、そのうち36%が現役世代となっている。しかし、がん治療後の仕事の継続や復帰を支援することに焦点を当てたサポートはほとんどないため、これからの活動に期待したい。

7.避妊や脱毛のテレヘルスを展開するFelixが、シリーズAラウンドで1,000万ドルの資金調達

カナダのDTCテレヘルスFelixは、シリーズAの資金調達で1,000万ドル(10億円)の資金調達。避妊や勃起不全、ニキビ、口唇ヘルペス、脱毛、緊急避妊などのオンライン医師相談とシームレスな投薬を提供している。

8.英Medherant社が、300万ポンドの資金調達。更年期障害の治療に使えるホルモンパッチを開発

大学からのスピンアウトとして設立されたMedherantが、300万ポンド(5億円)の資金調達。更年期症状を緩和するパッチを開発し、テストステロンの分泌量が通常より少ない閉経期の女性に、テストステロンを投与する代替方法を提供。英国では女性による使用が承認されたテストステロンパッチはないため、これからの臨床試験に期待したい。

9.AgeTechのTally Healthが、1,000万ドルの資金調達

消費者向けバイオテクノロジー企業であるTally Healthが、1,000万ドル(10億円)の資金調達。健康寿命と長寿に対する関心が高まる中、健康で長生きできる世界の実現を目指すプラットフォームを設立。保険会社や製薬会社にとっても、このようなプラットフォームは役立つ可能性が高い。

10.Eli Healthが370万ドルを調達し、自宅用ホルモンモニタリング製品を販売

唾液ベースのホルモン検査キッドを提供しているカナダのEli Healthが500万カナダドル(4.6億円)の資金調達。少量の唾液を採取し、手のひらサイズのリーダーにテストを挿入すると、数分でアプリにホルモンレベルの結果が送られる。これまで多くのホルモン検査は病院へ行き、血液検査で測定していたが、Eliではリアルタイムの唾液分析を通じて、毎日のホルモンデータが取得可能。

11.Femtechの生みの親である「Clue」が、700万ユーロの資金調達

「Femtech」という言葉を作ったと言われているIda Tinが創業した月経トラッキングアプリのClueが、シリーズBラウンドで770万ユーロ(10億円)の資金調達。2023年1月に、31人の従業員を解雇し、従業員を25%削減したと伝えられている。Clueは、世界190ヵ国で1,100万人以上の女性に利用されており、生理周期の正確な予測や月経痛の軽減などの情報を提供している。

12.女性AgeTechに投資するLongevity Venture Partnersが3,000万ドルのファンドをクローズ

AgeTechの投資ファンドLongevity Venture Partnersが、3,000万ドル(32億円)のファンドをクローズ。健康的な高齢化産業の成長に注力する予定。AgeTechの世界市場規模は、300兆円とも言われる中、Femtechの中でも更年期後の世代に向けたサービスが世界では注目されつつある。

13.女性のスポーツに特化したMonarch Collectiveが立ち上がり、1億ドルを調達

女性のスポーツに特化したMonarch Collectiveが立ち上がり、1億ドル(109億円)を調達。日本でもSportTechが注目されつつあるが、女性スポーツに特化しているのは珍しい。グローバルレベルで女性のスポーツを盛り上げる取り組みが行われている。

14.英Luna Dailyが、米国への販路拡大のために370万ドルの資金調達

英国でデリケートゾーンのケア用品を展開するLuna Dailyが、370万ドル(4.8億円)の資金調達。今後は米国市場へも販路を拡大していく。

15.Mate Fertilityが420万ドルの資金調達。不妊治療を手頃な価格で提供

不妊治療を手頃な価格で利用しやすくすることを目指しているMate Fertilityが420万ドル(4.6億円)の資金調達。Future FamilyやCAPEXMDとパートナーを組み、不妊治療の融資も行なっている。

【まとめ】2023年はFemtechの中でも、AgeTech領域に注目

筆者はこの2〜3年、Femtechの中でも更年期の領域に注目してきたが、2023年に入り、Femtechの中でもAgeTechの領域が資金調達を実施しているため、非常に気になっている。日本は特に高齢化も進んでいることから、女性のAgeTechに注目が集まると推測しており、徐々にリサーチしていきたい。