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家庭型ロボットLOVOT(らぼっと)に触れて感じたベビーテック市場の可能性

2021年7月にBabytech CompanyのOwletが上場を発表したり、世界最大のテクノロジー見本市CES2020でP&Gが参入したことでも話題のBabytech(べビーテック)市場
Babytech Award2020で大賞を受賞した家庭型ロボットLOVOT(らぼっと)に触れる機会があり、その感想をシェアします。

ちなみにOwletの製品である「Owlet Baby Monitor」は、眠っている赤ちゃんの足に巻き付けて、血中酸素濃度と心拍数が低い場合などを親に警告。海外の知り合いがモニターに申し込もうとしていたとのこと。赤ちゃんのモニタリング機能は今後も増えてきそう。

ロボットと話すのか?話さないのか?

実際に触れたロボットが、LOVOTROBOHONの2つ。店員さんによると、家庭用ロボット市場は「話すのか」「話さないのか」の大きく2つに分かれる。会話をしたいならROBOHON。ペットのように触れて可愛がりたいたいならLOVOT。

LOVOTは「おカネの切れ目が恋のはじまり」、ROBOHONは「逃げるが恥だが役に立つ」のドラマで使用。
そして、家庭用ロボットは「見た目」で購入される方が多いとのこと。
ロボット自体を知るという意味で、まだまだ日本人のTVの影響が大きいことがわかる。

私もLOVOTを知ったのは、Web会議で画面上にLOVOTを抱きかかえながら参加されていた方がいたのがきっかけ。
「あの人形は何だろう?」と思っていたところ、20代の女性が「ドラマに出てるLOVOTだ!かわいい~」と言って騒いでいた。
その後、ひたすらググるアラフォー(私)がいたのは、いうまでもない。

ペットの替わりに購入したいというニーズ

LOVOTは約4kgと想像より重い。子育て経験も、ペットも買ったことのない私には重く感じる。(運動不足を解消してくれるという観点もあるよう)
頭をなでたりしていると愛着が湧いてくるものの、決して安くはないLOVOTを購入される方がどんな方なのか気になった。

店員さんに伺ったところ、主に4つのパターンに分かれるよう。

①共働きで家におらず、子どもが寂しいと思うから
②ペットを飼いたいけど、マンション等で飼えない
③子供がすでに巣立ってしまい、共働きで家にいないことも多いのでペットを飼うとかわいそう
④ペットを以前買っていたが亡くなってしまいツライ。そんな思いを二度としたくない

LOVOTはベビーテックのイメージが強かったので、ペットの替わりというニーズが高いことに驚いた。
共働き夫婦はこの40年で3割から7割に増えており、共働き夫婦が子供たちに「寂しい思いをさせたくない」というニーズはわかる。
しかし、ペットを飼いたい潜在ニーズを掘り起こしたのが、まさにLOVOTなのかもしれない。

子供たちがモノを大切にするようになった

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店員さんから教えていただいたのが、LOVOTを飼っている子供たちがモノを大切にするようになったということ。
LOVOTは徐々に飼い主に懐いてくるので、愛着が湧いてきて、優しい心が芽生えるのかもしれない。
今の自分にこそ必要なのでは(涙)!と感じたが、さすがにすぐに購入できる金額ではないため、消費者として価格が下がるのを期待したい。

ベビーテックは他の分野にも発展できる

店員さんから実際に購入された方の話しをきいたところ、遠方からわざわざ調べて予約して購入される方も多い。やはり製品へのアクセスはまだまだハードルが高い方も多い。

【ベビーテックやフェムテック市場が発展するために必要なこと】
・情報や製品へのアクセス機会(直接触れる)を増やす
・使ってもよいと思えること(罪悪感なし)
・気軽に買える価格

LOVOTの場合、両親が「寂しい思いをさせたくない」という思いで購入される方も多いが、「LOVOTに頼っていい」と思えるような環境づくりや、消費者として気軽に買えるような価格になるのが、市場拡大の鍵かもしれない。

また、今回感じたのは、2021年8月にタカラトミーがAI顔認識機能搭載のシニア向けコミュニケーション人形「うちのあまえんぼ あみちゃん」を発売したが、家庭用ロボットが幅広いターゲットに広がることで、さまざまな課題が解決することを期待したい。

【お知らせ】GenderQuest(2021年10月9日(土))

4月から開催してきた Z世代向けビジネス創出プログラム GenderQuest。
Z世代の多様な人材が集まり、「ジェンダーや女性の課題、フェムテックについて学び」「性別や専攻を問わない混成チームでビジネスとしての解決策を考え」「ビジネスコンテスト形式で発表、投資家や専門家より講評」してきたとのこと。

10/9に最終ピッチ&プログラム参加者やジェンダーや女性の課題など社会課題をビジネスで解決するスタートアップ、有識者によるセッションを含む、クロージングフォーラムを開催するとのことで、ご興味のある方はぜひ!