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あの山頂に向かって!            「デジタルの課題」改善ルートを検討してみた

                  2024/9/15 追記・加筆しました。

こんにちは!
私はとある流通業で衣料品を扱っており、その企業の仕入部門と販売部門である店舗をつなぐ部署に在籍しています。

この夏から「デジタル」を学び始めました。
その理由については、ぜひこちらの記事をご確認くださいね。


私の部署では、「リアル店舗」でお客様が「見やすく・選びやすく・買いやすく・魅力的で快適な買い物」が出来る売場つくりをサポートすることを役割としており、「ビジュアル的サポート(VMD)」と販売データーを活用した「デジタル的サポート」の2つの側面で店舗を支援しています。

ビジュアルマーチャンダイジングとは、マーケティングの一環として行われる小売業の戦略活動の一つです。
店舗というメディアにおいて顧客の立場にたち、マーチャンダイジングと商空間の視覚的表現を一体化することによって、見やすく、選びやすく、買いやすく、魅力的で快適な売場環境を提供すると同時に、企業やブランドの独自性、販促等のコンセプトを伝える仕組みと方法です。

https://www.javma.com/about/vmd.html

しかし「リアル店舗」という特性上、店頭での「ビジュアル的サポート(VMD)」が業務のメインとなり、「デジタル的サポート」のウエイトが低いのが自分自身で感じている課題でした。

「デジタル的サポート」の【課題】は何だろう?

今回、なぜ「デジタル的サポート」のウエイトが低いのか、またどんな課題があるのかを部署内の3チームにヒアリングしてみました。
3チームは、以下のとおりです。

チームメンバーにヒアリング

1・私が所属している【レディスファッショングループ】のメンバー5人
2・自部署の調整役【コーディネイターグループ】のメンバー2人
3・最もデジタル関連業務の多い、各グループの【アシスタント】さん 6人 <【Microsoft Forms】アンケート含む>

①「エベレスト」級 の最大の難題

まず、「デジタル・データー面での課題は何?」と尋ねると、3チームとも共通の問題が2つ挙がりました。これらは私たち全員が抱える最大の【困りごと】です。

「エベレスト級」の難題 商品系システムのサーバー脆弱性

1・社内商品データーシステムのサーバー問題

ひとつは、当社の商品系データーシステムのサーバーの脆弱性の問題です。
現在2つの商品系データーシステムがありますが、いずれも容量に負荷がかかるとデータ出力速度が遅い!
特に前週の商品データーの出力が各部署でピークとなる月曜日は、午前9時を過ぎるとパソコンがばったりフリーズするのは日常茶飯事です。
そのため月曜日にデーターが必要な場合はサーバー稼働の午前8時までに出勤してデータ出力をする必要があります。

また、アシスタントさん対象のアンケートでも「データ帳票作成業務」に対する負担感を44%の方が感じています。

44%の方が負担を感じている

アシスタント Kさん:「月曜日のデーター取得に時間がかかることが一番困っています」
アシスタントさん 全員:「そうそう!」

2・商品系データーの帳票出力形式問題

もう一つの問題は、、商品データの出力フォームが固定されており、帳票の二次加工が必要な点です。
現在、衣料品、食品、住生活用品が同じフォームで出力されていますが、商品ごとに在庫日数が異なるため、データ分析が難しくなっています。
そのため各々自分の担当商品に合わせて商品系データーの定型帳票ではなく、その基となっているPOS数値データーを二次加工して使用しています。

この2点は、当社の商品系データーシステム自体の問題であり、改善には莫大な全社的投資が必要です。残念ながら、一朝一夕での改善は難しいのが現状です。

②「富士山」級 の課題

自部署の「デジタル」上の【困りごと】のほとんどは、当社の商品系データーシステム自体に起因しています。それを踏まえてヒアリングした課題がこちらです。

「富士山」級の課題 データ帳票作成の時間

1・ルーチンのデーター帳票作成に時間がかかる

データー出力自体に時間がかかるのは仕方がないとしても、現状はそれを加工するのにさらに時間がかかっています。この点も多くの人が挙げた共通課題です。

例えば、自部署では前週の商品動向を把握する基礎資料として「重点販売商品動向」「オケージョン商品動向」「シーズン商品動向」の3つを毎週月曜日午後の支社の定例会議に提出しています。
この資料を作成するのがコーディネイターグループなのですが、月曜日朝のデーター出力遅延に加えて、必要データーの抽出・会議資料用帳票への加工の手作業に時間と手間が掛かっているのが【困りごと】となっています。

コーディネイターグループ Uさん:「毎週、月曜日午後一番の会議用資料のためにデーター作成しているんだけと、これを時間に間に合わせるのが一番大変だよ」

また、アシスタントさんのアンケートでも、ルーチンの「データー帳票作成業務」は勤務時間の50%を占め、それを実施する時間は一日5時間かかっています。

半数が3~5時間をルーチンの「データー帳票作成業務」に充てている
一日の半分がルーチンの「データー帳票作成業務」が占めている

2・個店別データー処理を捌ききれない

「デジタル的サポート」が進まない課題として挙げられたのが、個別のデーター処理を扱いきれない点です。

2つの商品系データーシステムからは、速度はともかく「POSデーター」から毎日更新される膨大な情報を出力することは可能です。とはいえ、この中から本当に店舗サポートに必要な情報を取捨選択するのは大変なことです。

レディスファッショングループ Yさん:「店別の細かな売れ筋情報とか不振在庫を他店に振替するためのデーターがすぐに出れば良いけど、自分で担当の店舗分すべてのデーター処理するのはとても時間が足らないし、無理。」

先に述べたように、「売れ筋情報」や「不振在庫リスト」についての定型の出力帳票は存在しますが、取扱い商品によって「売れ筋商品」や「不振商品」の定義が違い、全社統一のフォームでは実務に合わない状態です。そのため個々の商品担当者が実務に合わせて二次・三次加工して使用しています。
ここにかかる時間と手間が大きな【困りごと】となっており、それなら直接売り場に行って商品を確認した方が早いという意識に繋がっています。

3・数値以外のデジタルデーターの取り扱い

私たちの「ビジュアル的サポート(VMD)」業務のひとつとして、店舗の売り場改装があります。より「魅力的で快適な買い物環境」をお客様にご提供するために定期的に売り場を改装してリフレッシュさせています。
その際に必要となるのが、売り場の「レイアウト図面」です。この図面で各取扱商品の適正な配置や坪数の設定を検討しています。

売り場レイアウト 現在は手作業で作成

レディスファッショングループ Iリーダー:「今は改装前後の「レイアウト図面」を自分たちで加工して坪数を算出していてあいまいな点があるけど、これが自動化されて正しい坪数増減の把握とデーターベース化できれば店舗の効率を見直ししやすくなるね」

このように商品系データーシステムからの数値データー処理以外にも、
業務上の「デジタル」についての【困りごと】は多々あります。

しかし、これらについては「デジタルツール」を用いた「DX」を活用すれば、ハードルは高くても自部署で改善できる【困りごと】だと考えられます。

特に毎週のルーチンでの帳票作成は【Power Automate Desktop】などのデジタルツールを使用した【RPA】の最も得意とする分野ですし、それぞれの商品分野に合わせた「売れ筋商品」や「不振商品」の見極めは【ChatGPT】などの【生成AI】の活用で自動抽出することも可能ではないでしょうか?

さらに「レイアウト図面」などの【画像認識】の課題【TeachableMachine】といった【ノーコードツール】を使用すれば【困りごと】の改善は実現しそうです。

③「足元の山々」の課題

「書式の統一化」   と  「ITスキルの教育」

このほかにもヒアリングした自部署の「デジタル」についての課題、【困りごと】があります。

1・グループによって帳票書式が違う

まずは、業務に必要な最低限の営業・商品データは共通であるにもかかわらず、各グループごとに帳票の書式が異なります。個別ニーズに合わせて作成された帳票が複数あり、そのために同じ作業を部署のメンバーが重複して実施しているのが現状です。

アシスタント Fさん :「書式の統一化をしてほしい。今まで複数で同じような作業をやっていたものを少人数で効率よくできるようになるわ」

この点については、商品データシステムの定型帳票が実務に対応していない事から発生していますが、「DX」というデジタルツールを使用した業務改善以前に、現状のデーター帳票作成業務の棚卸<見える化>を行うことで改善実施できる【困りごと】です。

2・データーに対する教育

データー帳票作成や「デジタル」についての「ITスキル」は自部署のメンバーそれぞれで異なります。その中で、このような意見がありました。

アシスタント Tさん:「効率がよく見やすい帳票作成方法等、メンバーへの丁寧なスキルの教育が必要だと思います」

コーディネイターグループ Sマネージャ:「DXで作業時間を短縮できるとすれば、その得た時間をどうするか? 【RPA】などその先のスキルをメンバーが身に着けて更に効率化を進める事ができれば良いね」

自部署では「ITスキル」に対しては個人の努力に寄るところが大きく、スキルの差が業務時間を左右するのも事実です。

これについては、基本的な「ITスキル」なら「Excel勉強会」を開催するなどすぐに改善実施できる【困りごと】です。
そして今後、私自身が「デジタルスキル」の学びを進め、それを自部署のメンバーに伝えて「DX改善」をさらに推進するという課題でもあります。

まとめ 「デジタルの課題」改善の方向性

私が「デジタル」を学びたいと思った動機のひとつが、「デジタル的サポート」のウエイトが低いのを何とかしたいという事でしたが、
今回自部署のメンバーにヒアリングしてみて、その理由は以下の2点が大きく占めると感じます。

①当社の商品系データーシステムの問題
②「データ帳票作成業務」にかかる作業処理の問題

ただし、①当社の商品系データーシステムの問題 については、ほぼ全員が課題と認識していますが、②「データ帳票作成業務」にかかる作業処理の問題 については「レディスファッショングループYさん」のように「無理」と言う人もあり、ヒアリングした個人や担当業務によって認識の度合いが違うのが気になりました。

課題の共通認識と改善の規模感

課題の共通認識と改善の規模感

以上を踏まえて、自部署の【デジタルの課題】改善についての方向性を考えると、①当社の商品系データーシステムの問題のように全社的システム投資が必要な<エベレスト級>の【オオゴト】がベースにありますが、それは私自身の【課題改善】としては実現できない<NG>です。

次に②「データ帳票作成業務」にかかる作業処理の問題については、<富士山>のように自分には踏破不可能の高い山として【ヒトゴト】と捉える人もあり、【課題】としての認識はバラバラです。しかし、「データ帳票の統一」や「デジタルスキルの教育」といった足元の課題をクリアし装備を整えて【ジブンゴト】をして捉えれば、十分登頂可能な山です。

具体的には、ルーチンで実施している基礎資料のデーターの帳票作成は、1・帳票書式の統一が無い
2・データー加工の方法に工夫の余地がある
3・多くの人時をかけている
と課題が多い業務となっています。

これを【ジブンゴト】として<課題解決>を進めるとすれば、まずは現状の「データー作成業務」の棚卸を実施、改善が必要な帳票作成業務を「見える化」し自動化を実現できる「ITスキル」を深耕する、という方向性が見えてきました。

そのゴールに向かって、メンバーで意見を出し合いながら解決策を模索していたらと思っています。

「アイガー北壁」級の課題_目下の最大の壁

スイス アイガー北壁

それは、私自身の未熟な「ITスキル」・・・一歩ずつ精進します。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

私の3歩め ↓




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