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<For the me?> or <For the all?> 「課題」解決は誰のため?
こんにちは!
私はとある流通業で衣料品を扱っており、その企業の仕入部門と販売部門である店舗をつなぐ部署に在籍しています。
この夏から業務の改善を目指して「デジタル」を学び始めて約1カ月となります。
9月某日 私の部署に衝撃が走りました。組織の機構改革です。
今までの【働き方】から【真逆の働き方】を求められることになりました。
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私の部署では、「リアル店舗」でお客様が「見やすく・選びやすく・買いやすく・魅力的で快適な買い物」が出来る売場つくりをサポートすることを役割としており、「ビジュアル的サポート(VMD)」と販売データーを活用した「デジタル的サポート」の2つの側面で店舗を支援しています。
新しい組織体制
従来は「レディスファッション」「メンズファッション」「服飾雑貨」「インナー」「スポーツ」「キッズ」の6つのグループに分かれ、それぞれの専門知識を活かして約60店舗をサポートしていました。しかし、今回の改革で「アパレル」と「キッズ」の2つの大きな枠組みに再編成され、サポート店舗の数を少なくして担当店舗全体を指揮・統制する役割を担うことになりました。これにより私たちは<スペシャリスト>から<ゼネラリスト>への変革を求められます。
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組織変更まであと1週間となりましたか、自部署では今までとは全く違った【働き方】に対して課題が山積し、全員が戸惑っている状態です。
以前にヒアリングした自部署の「デジタルの課題」についても見直しが必須となり、新しい課題に対してどのように対処するのか急務となっています。
新組織の「デジタルの課題」を整理
今回の改正に伴い、コーディネイターグループのSマネージャが作成した『新組織の業務棚卸』をベースに【新組織のデジタルの課題】を整理してみます。
1・デジタル関連業務の課題列記<発散>
まずは『業務棚卸』から「デジタル関連業務」を抜き出します。
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抜き出した「新組織のデジタル関連業務」の課題について、現在私が所属するレディスファッショングループのメンバー3人と新たにヒアリングしました。
レディスファッショングループ
Yさん
「これからは、自分が今まで担当していなかった分野の情報も必要になる。でも、今までの5倍のデータ処理なんて時間的にも作業量的にも無理があるよ。」
Tさん
「各グループごとにデータ帳票のフォーマットが違うから、確認するだけでも大変なんだよね。これをどうにかして効率化しないと今後やっていけない。」
Kさん
「商品を他店舗に振り替える作業はどうなるんだろう?担当店舗は減ったけど、取り扱う商品は増えているから細かく指示を出すのは難しくなりそう。」
その結果と前回のアシスタントさんへのヒアリング及びアンケートをもとに、課題の<発散>として「新組織のデジタル業務」それぞれで考えられる問題をランダムに列挙してみました。
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2・デジタル関連業務の共通課題を抽出<収束>
課題の<発散>で列挙したそれぞれの問題を<グルーピング>してまとめてみます。さらに業務の<優先度>と<4W1H>を確認します。
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この作業から、以下のような点が「共通課題」として挙げられます。
①約半数のデータ業務について書式の統一が必要。
②主なデータ作成は週間単位ではあるが、それに関わる人時が一業務当たり1~2時間かかっている。ロングスパンの業務ほど人時がかかっている。
③「店舗間振替」や「重点カテゴリー」などの比較的優先度の高い業務が今回の組織改正で5グループ分の作業が必要。
新組織の「デジタルの課題」解決アイデア
① 帳票書式の統一と自動化
まず、最も多くの課題と意見が寄せられたのは<帳票書式の統一>です。各グループが異なるフォーマットでデータを管理していたため、全体を把握するのに時間がかかるだけでなく、データの再整理も必要でした。このため、書式の統一と自動化は喫緊の課題です。
具体的な解決策としては、「Power Automate」を活用してデータを自動取得し、「ExcelVBA」を使って帳票を自動作成することが挙げられます。これにより、従来の手作業でのデータ処理を大幅に削減することが出来ます。
②店舗パターンのアプリ化
次に問題なのは<店舗パターン>の管理です。各店舗の特性を踏まえたパターン設定は、売上や在庫管理において非常に重要です。しかし、これまでは「Excelシート」で管理していたのですが、情報が煩雑で見づらく店頭などで必要な時にすぐに取り出せません。
この課題に対して、「AppSheet」や「Glide」などのノーコードツールを活用して、スマホでも簡単に確認できるアプリを作成します。これにより、どの店舗でも瞬時に情報を把握し、柔軟に対応することが可能になります。また、他店舗との比較も容易にできるようになり、パターン設定の精度を高めることができます。
③店舗間振替の自動化
最後に大きな課題となっているのが<店舗間振替>の自動化です。売れ筋商品や在庫が偏ってしまうと、売上の機会を逃したり、無駄な在庫が発生してしまいます。このため、店舗間で商品を振り替える作業は非常に重要です。しかし、これまでは担当者がほぼ手作業で行っていたため、判断基準が主観的で作業量も膨大でした。
この解決策としては、商品データを「ExcelVBA」を使って在庫日数を自動計算し在庫不足や過剰在庫店舗を抽出する仕組みを導入します。さらに、「ChatGPT」「Power Automate」を活用して、振替先店舗や振替元店舗を自動的に提案するシステムも構築します。これにより、効率的かつ効果的な振替が可能となり、業務の負担を大幅に軽減できると考えています。
課題解決に向けて【スパーリング】
この「新組織」の【課題解決アイデア】をさらにブラッシュアップするために、『新組織の業務棚卸』を実施したコーディネイターグループの<Sマネージャ>と「衣料品」を統括する<O部長>にご意見を頂きました。
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1・Sマネージャのご意見
Sマネージャ:
「営業・商品データの<帳票統合>は少しずつ進めているけど、新組織が始まったらすぐ整備が必要だね。RPA化はいいけど、今はもっと優先度の高い業務がある。」
「<店舗パターンアプリ>については、今はExcelで管理してるし、アプリにする必要性は感じないな。」
「<店舗間振替>は大きな課題だね。新組織では本社から振替が指示されるけど、実態に即した対応ができるか不透明。自動化できると助かるから、早急に進めてほしい。」
2・O部長のご意見
O部長:
「確かに帳票作成には手間がかかってるから、<帳票統合と自動化>は急務ね。他部署でもRPAを進めてるから、それを参考に取り入れる方が早いかも。」
「<店舗パターンアプリ>は今のシステムで実装できるの? パターンの確認だけじゃなく、どう活用するかも重要。」
「<店舗間振替は>新組織の大きな課題と捉えている。特にシーズン末の在庫集約は利益確保の鍵。仮説を立ててトライ&エラーで改善を進めたらいい。」
O部長:
「データー関連の<DX>はあなた一人での取り組みではなく、【組織改正】を機に部署全体の取り組みとして進めたい。
「新組織」と同時にプロジェクトチームを発足させてみてはどう?
そこで<帳票統合と自動化>や<店舗間振替>の自動化を検討すると良いね。P/Tの名前は何にする?」
私:「そうですね。えっ?なまえ… じゃあ、ちょっとベタですが、名前は<デジタル推進P/T>でどうでしょうか?」
まとめ:<デジタル推進P/T>発足!
新組織のもとで「デジタル推進プロジェクトチーム」が始動することになりました。目標は<店舗間振替の自動化>をはじめとするデジタル業務の効率化です。
店舗間振替の自動化にかける思い
私がデジタルを学ぶことに興味を持ったきっかけは、この<店舗間振替>の効率化を実現したいという思いからです。これまでは、売上や在庫データ片手に、ほぼ<勘と経験>に頼って振替先を決めていました。【売れ筋商品を好調店舗に振替し、不振店舗の在庫を軽くする】これを実施するだけで売上と在庫効率の改善が目に見えているのに、処理できる範囲が限られていたため非常に悔しく感じていました。こうした作業に【デジタルの力】を使えば迅速かつ正確に進められるだけでなく、より多くの店舗をカバーできるようになります。
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課題解決に向けた具体的なステップを模索
<店舗間振替>の自動化を実現するためには、技術的なハードルがいくつかあります。まず、社内システムへの「自動アクセスフロー」を構築することが必要です。次に、商品の売上や在庫データをもとに最適な振替先を自動で提案する「アルゴリズム」を作成する必要があります。
しかも「新組織」では担当分野が広くなり今までの<勘と経験>が通用しない一方、店舗は営業を継続しているため振替起案は「待ったなし」と時間の制約もあります。
【デジタルの実装】は課題実現に向けての<思い>や<夢>だけでは不可能です。<店舗間振替>自動化の制作アイデアをブラッシュアップし、デジタル推進P/Tメンバーと力を合わせ、【小さく始める】ところからスタートして段階的に実装に進めるよう、一歩ずつ努力していきます。
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ここまでお読みいただきありがとうございました。
*2024/9/29 加筆修正いたしました。