火の用心
今日、家に帰る途中、どこからか「カン、カン」と木を叩く音が響いてくるのを耳にしました。
そう、「火の用心」の拍子木の音です。
もうそんな季節かと、今年もそろそろ終わりに近づいているのだなあと感じました。
子供の頃からこの風習を見聞きしていたのですが、改めて考えてみると、一体どんな人が参加しているのだろう?この風習はいつから続いているのだろう?と、少し気になり調べてみました。
江戸時代には、木造の家々が密集していて火事のリスクが高かったため、町の役人や町火消(まちびけし)が夜回りをして、「火の用心!」と声をかけながら拍子木を鳴らして人々に注意を促す風習が始まったそうです。
その後、昭和には「マッチ一本火事の元」といった標語も登場し、この江戸時代からの「火の用心」の精神が現代にも受け継がれているとのことでした。
やっぱり、江戸時代からのものだったのですね。
いまだに残っている風習には、江戸時代から続いているものが多い気がします。
拍子木の音を耳にすると、「うちの火の元は大丈夫かな?」と確認するきっかけになります。
こうした呼びかけって、一見単純に思えても、効果があるものですね。
分かっているようで、実際にはしっかり意識できていないことって多いです。
車を運転していると、警察のスローガンをよく目にすることもあります。
若い頃は「こんなの意味あるの?」と思っていましたが、歳を重ねて安全運転の重要性が身にしみると、「そうだな、今日も気をつけよう」と自然と意識が変わるものですね。
子供の頃、大人から「気をつけてね」と言われても「うるさいな」としか思っていなかったけれど、大人になると注意してくれる人も少なくなります。
その頃の自分を思い出すと、「ありがたかったんだなぁ」としみじみ感じます。
問題を予期して言語化しておくことって、本当に大切なことなのだと思います。
ただ、他人にいちいち注意喚起するのは難しい部分もありますよね。リスクがあったり、うるさいと思われたりすることもあるでしょうし。
でも、自分に対して呼びかけるのは誰にでもできます。
心の中で気をつけようと思っても、外から見つめるのは難しいもの。
そこで、紙に書いて、頭の中を視覚化してみるのも良い方法かもしれません。
ノートに書き出したり、壁に貼っておくことで、普段はぼんやりしている心の整理ができて、頭の中がスッキリしてきます。
そして、「あ、ここは気をつけないと」と自分に呼びかけができるようになります。
こうした工夫をするとしないとでは大きな違いがあり、やってみると、人の脳は分かっているようで分かっていないことが多いのだと気づきます。
今年も残り少なくなりましたが、しっかり自分に呼びかけをして、悔いのないように過ごしたいと思います。
「カン、カン♪」