【会葬礼状】#1 お父さんの娘で幸せでした
物静かで決して前に出るようなタイプではないけれど、いつも私たちを温かい眼差しで見守ってくれました。記憶を辿ってみても、お父さんに怒られたことがありません。誰に対しても変わらぬ優しさと穏やかな人柄は、多くの方々から慕われていたと聞いています。
アルバムをめくると、馴染みのメンバーで行く恒例のグループ旅行や飲み会での様子から、お父さんの楽しそうな笑い声が聞こえてくるようです。
家庭菜園には特に力を入れており、暇さえあれば庭の畑に出ていましたね。季節ごとに収穫されるお父さん手作りの野菜を味わうことが、私たち家族の何よりの楽しみでした。夏になるとカレンダーには、その日のきゅうりの収穫数が記されていたことが懐かしく思い出されます。
いつも私のことを尊重し、寄り添ってくれてありがとう。
またいつの日か、2人で映画に行けることを楽しみに、最後まで生きることを諦めず、病気と向き合い続けてくれたお父さんに、「おつかれさま。」の言葉を贈ります。
令和三年八月三日、父 ○○ ○○ は、満七十二歳にて生涯をとじました。
生前心通わせ支えて下さった皆様へ、深く感謝申し上げます。
本日はご多用の中、ご会葬を頂き誠にありがとうございました。
略儀ながら書状をもって謹んでお礼申し上げます。
お父さんを見送ってから数ヶ月経った友人に
電話インタビューをさせていただいて作成した会葬礼状です。くんちゃん、本当にありがとう。