頼みづらい、ホットのカフェラテ
私はとあるファミリーマートの常連だ。
毎朝仕事前に、レジに行けば何も言わずともブレンドコーヒーSのカップが用意されるくらいには。
家ではのんびり飲んでいる暇が無い。
「早くして、早くして。」のなかなか効かない呪文を唱えながら
子どもたちの朝支度を急かしているからだ。
あっという間に家を出る時間になる。
車で子どもを園に送り届けその後はやっと私の時間。
ラジオを聞きながらそのまま会社に向かう。
そして、ファミリーマートでブレンドコーヒーSを買うのが常である。
ここで仕事へのスイッチをいれるのだ。
渋滞などがあると寄れないこともある。
そんなときは一日のんべんだらり仕事ができればいいのだが、そこは大人。
クロレッツのクールミントガムを噛んでスイッチを無理やり入れる。
何にしろスイッチをいれるにはコーヒーか、ガムか、
何かしら口に入れないといけない体なのだ。
通うようになったのは今の仕事になってから。
最初はカフェラテだった。無論、ブラックより好きだったからだ。
ただ、とある日になんとなくブラックを飲んだら、
目が覚める覚める。シャキッとするし、仕事ぶりもいいものだった。
そうしてスイッチをいれるならこっちだなと、
ブレンドコーヒーを飲むようになったのだ。
今やレジにつく頃には、
ブレンドコーヒーSのカップがすでに用意されている。
気遣いが素晴らしい店員さんだ。
ホットのカフェラテは頼みづらくなってしまったが。
たまに違う飲み物を持っていくと、
あ、今日は違うんですね。って言われてしまって気まずいのだ。
ごめんね、店員さん。
カフェインにはすっかりに慣れてしまって、
初めてブレンドを飲んだときほどシャキッとはしないが、
一口飲むたびホッとはする。
なかなかいい「ホッ」がでていると我ながら思うくらいには。
店員さん、いつもありがとうございます。
足を向けて寝れないです。
ママでもない、妻でもない、
ただ、一個人の私でいられる、ゼロになれる場所である。
聞けば、社名の由来は
というところから来ているようだ。
店員さんはまさにそれを実現している。
家族的、といったところがミソだ。
勝手知ったる家のようにリラックスできる場所で
自分をリセットして、職場へ改めて向かう。
ホットのカフェラテは頼みづらくても
それ以上に大事な場所の一つ、推しのコンビニだ。
これからもきっとコーヒー課金は惜しまない。