なぜ、レストランひらまつが最高級のお店なのか
先日、かの有名な「ひらまつ」の広尾本店に行って参りました。
お料理・サービス・雰囲気、すべてにおいて、最高級のお店でした、という記事はまた別の記事に書いたので、こちらをどうぞ。
でね、気になったのです。
かけがえのない素敵な時間を過ごすことが出来たこのお店は、どこから生まれているのか。
お食事の後、少し平松シェフとお話する機会があったのでその時にお伺いした話と、その後に調べた話とで、私が考えたことをまとめてみました。
1.厨房の場所
「ひらまつ広尾本店」の建物は、4階+屋上なのですが、なんと!
一番眺めの良い4階を厨房にしているとの事。
「人」を大切にする。お客さまはもちろん、働いている人を大切にする。口で言うのは簡単ですが、実行に移すのは難しい。一番眺めの良い階なんて、それこそ客席にしているお店が多いでしょう。でも。働いている人は1日中そのお店にいるわけです。その人たちが、例えばお天気も分からない地下の厨房にいるよりは、一番眺めの良い階で働いた方がいい、と平松シェフはおっしゃっていました。「人を大切にする」姿勢が実行となって表れています。
2.食べる時間を大切にしている
まかないも、「全員で食べる」そうです。すごいですよね。したくても、なかなか出来ない。
「食事を一緒にすることで自然に会話が生まれます。食卓を囲む楽しさをお客さまへ伝える立場として、そのことをスタッフに体感してほしい。」とのシェフの想い。
3.常に進化し続けている仕組み
さらに!
ひらまつ広尾には、定休日以外に、定休月があるのです!
そう、定休「月」!週に1日や2日じゃなくて、1ヶ月まるまる!
そして、平松シェフが率いる広尾本店が8月の1カ月間をまるまる休み、
厨房スタッフがここで2週間の合宿を行うのです!
そこには、ひらまつの各レストランの料理長たちも国内外から集まってくるそう。
「僕らはふだん、料理以外にもたくさんの用事を抱え、自分の料理について深く考える時間をとるのが難しい。だから、ここでは特にテーマを設けず、おのおのが自分のやりたいことをやっています。新作メニューの試作をしてもいいし、日本料理の料理長から、だしのとり方や魚の下処理を習うこともあります。フランス料理の基本調理法を復習し、共有するのも合宿の大きな目的です。また、料理長は店に相談相手がいない孤独な存在ですが、料理長同士、悩みごとの相談や情報の共有もできます。ここでは日常の雑務に追われず料理に没頭できる。料理に向き合い、自分自身と向き合うための合宿なんです」と大樹は言う。(記事より抜粋)
そうだ。これがプロ。
8月の1ヶ月を休むことで、本来営業していたら得られたはずの利益はきっと減る。
でも、長期で見ると、こういう風にしっかりと向き合う時間をとるのが「プロ」だと思う。
毎日営業しているお店よりも、こういうお店の方が、私も信頼できる。
実はひらまつ広尾本店に行ったこの日、日本一大好きな、そして信頼している美容院に行ってきました。
そこでも、その美容師さんのプロ意識に触れまして。
私も金融のプロの最高峰を目指し続ける身として、深く考える時間をとることの必要性を改めて感じた一日でした。金融に向き合い、自分に向き合う時間を意識してとっていきたい。