コーヒー豆を60粒数える男
これが、私のベートーヴェンのイメージ。
中学か高校の時、英語の問題集で出てきた文章。
ベートーヴェンはコーヒー好き。
珈琲を淹れる時、毎回きっちりコーヒー豆60粒を数える人、と。
当時、めちゃくちゃ衝撃だった。
「え、コーヒー豆数える人おるんや…!ベートーヴェンって、相当神経質な人なんやな」って。
当時、ベートーヴェンがコーヒー豆を60粒数えることが衝撃すぎて、20年以上経った今でもまだ覚えている。あれ、何の問題集だったかな。単語を覚える問題集だったんだけど。Z会だったかな…
分かる方いたら教えてください。
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さて、今練習している曲の一つが、まさにベートーヴェン。
縁あって、とあるカフェで弾くことになりました。
なんと、スタンウェイのピアノで弾けるとのこと!
嬉しすぎる!
世界のピアニストが愛してやまない、名実共に世界最高峰と言われている、あのスタンウェイですよ!
インフレもあって、中古でもどんどん値上がりして、一般市民には手が出ないお値段の、あのスタンウェイですよ!
最安値モデルでも、1300万円ぐらいする、あのスタンウェイですよ!
そのスタンウェイを弾けることになって、もう嬉しくて嬉しくて。
その話があってから演奏日まで3ヶ月もなかったので、一度弾いたことのある曲を選曲することに。
いくつかベートーヴェンの曲を試しに弾いてみて、一番弾けそうな曲を選んだ。
中学の時に弾いたことのある曲、
ベートーヴェン『月光』第三楽章。
一度弾いたことがあるので、譜読みは問題なく出来た。
というかリスト(愛の夢やラ・カンパネラ)の後にベートーヴェンだと、譜読みが…譜読みが…めちゃくちゃしやすい…!3週間で6時間ほど練習して、まぁまぁ弾けたかなと思いながら先生の前で一通り弾いた後、先生から言われたこと。
「よく弾けているけれど…大人しいですね。この曲はもっと激しい曲です。」と。
そして先生が弾いたら、全く別の曲になった。わぉ。
さらに、ベートーヴェンについて教えてもらった。
ベートーヴェンは、それまでの音楽家と大きく違う点が1つある。
それは、
「おれは今までの音楽家と違うんや!宮廷や貴族に仕えて、そのために音楽を作る音楽家やない!音楽家は芸術家なんや!表現するんや!」という点である。
wikiにもこう書かれてある。
ベートーヴェンが生きたのは、1770-1827年。
それより前だと、バッハ(1685-1750)とか、
モーツァルト(1756-1791)とか。
それより後だとショパン(1810-1849)とか、
リスト(1811-1886)とか。
確かに、モーツァルトとかバッハとか、宮廷や貴族のための音楽って感じ。
それに比べて、ベートーヴェン以降のショパンやリストは「芸術」というイメージがだいぶ色濃くでてきているな、と。
全然違う!
さらに。
ベートーヴェンの生きた時代背景は、そう、まさに激動の時代。
1776年(6歳)、アメリカ独立宣言、
1791年(21歳)、フランス革命、
1783年(13歳)、パリ条約にて、アメリカ独立承認。
激動、どころか大激動ですよ!
そんな中、
1801年(30歳)、
作ったのが『月光』。ピアノソナタ第14番。
そうなんや。
ベートーヴェンって、そういう時代に生きた人やったんや。
こういう時代背景を知りながら弾くと、また一段とピアノが楽しくなる。
とりあえず第三楽章は、激情がほとばしる曲との事で、もっと激しく弾こうと思います。指の筋トレしないと激しく弾けないので、いつも以上にメトロノームのお世話になりそう。
何せ、珈琲を淹れる時にコーヒー豆をきっちり60粒数える男が作った曲ですからね。
と、毎回ベートーヴェンを弾く度に、コーヒー豆60粒数えているベートーヴェンを思い浮かべてしまう、むーでした。
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