24年ぶりと言われている為替介入の頻度について調べたら、思った以上に多かった
アメリカ株について書く前に、調べていたら興味深いことを発見してしまったので、少しだけ語らせて!2,000字ぐらいなので。
今回、24年ぶりの円買い・ドル売りの為替介入を行ったことを先ほどの記事で書きました。
でもね、ちょっと思ったんです。
へぇ、24年ぶりなんだ。
あれ?為替介入ってもっと頻繁にやってると思ったよ。口先だけか、口先介入だけだったのか?24年前まではどんな頻度だったんだろう?って。
だから調べてみました。
◆円買い・ドル売りの為替介入は、今まで何回行われていたか?
今回と同じ、円買い・ドル売りの為替介入って、今まで何回行われていると思いますか?ちなみに、前回は1998年、24年前です。
2回?
5回?
30回?
300回?
今回が24年ぶりでしたからね。100年で4回ぐらい?と思ったそこのあなた。答えは…
32回です!
意外と多いですよね。
円安阻止のタイミングが32回あったということです。
前回24年前の1998年6月に実施した為替介入は、日本とアメリカ両国による協調介入でした。介入は日本時間の夜間に実施され、当時約4円の円高ドル安に繋がりました。今回は5円の円高ドル安につながったので(すぐに3円ほど戻ってしまいましたが)、どちらも4~5円の効果があったということですね。
当時はと言うと、円安がアジアの通貨安を招き、アジアの経済危機が世界に大きな影響を与えた局面だったと言われています。日本も金融不安に見舞われていましたしね。
参考までに、過去の円買い・ドル売りの実績を載せてみましょう。
1992年の為替介入の頻度、かなり多いですね!
◆円売り・ドル買いの為替介入は、今まで何回行われていたか?
では、今回と逆の、円売り・ドル買いの為替介入は、今まで何回行われているでしょうか?円高阻止です。ちなみに前回は11年前でした。
3回?
30回?
300回?
前回が11年ぶりですからね。30回ぐらいかなと思ったそこのあなた。
答えは…
319回です!わぉ!
そうなんだ…!
為替介入について、詳しく知りたい方は、財務省のHPをどうぞ。
統計表一覧(外国為替平衡操作の実施状況)です。
このクイズ、回答してくれた友人のコメントがとても良かったので、共有します。
確かに!
固定相場制→変動相場制に移行したのが、1973(昭和48)年2月14日。
へぇ、バレンタインデーに移行したんや。
粋なことするねぇ。
と思ったけど、「あれ?この時ってバレンタインデーあったのかな?」とふと思い、調べてみました。
バレンタインデーは1936年からという説が有力なようです。じゃぁ変動相場制に移行した時はバレンタインデーがあったってことですね。
おっと、話が飛びました。
ではなぜ、固定相場から変動相場制へ移行したのでしょうか。そもそも固定相場なら、為替介入も行う必要がないはず…
◆固定相場→変動相場へ移行した理由
変動相場制へ移行した歴史は、簡潔にまとめると、以下のようなイメージです。
戦後360円の固定相場制が続いてた
↓
戦後、日本が急激に国力を回復
↓
輸出によって日本は多大な利益を得るように
↓
一方でアメリカは、ベトナム戦争や貿易戦争で国力を失い、国際収支が赤字化
↓
米ドルの信頼も低下
↓
米ドルを金に交換する動きが強まる
↓
1971年8月、要求に応じられなくなったアメリカは、ドルの金への交換を一方的に停止
これが、いわゆる「ニクソン・ショック」!
↓
1971年12月、「スミソニアン協定」によって、ドルは1ドル=308円に切り下げ
↓
1973年2月、再度のドル切り下げで固定相場制は崩壊、変動相場制へ移行
という流れです。
親の世代が小学生ぐらいの時は、固定相場制だったんだなと思うと、なんだか感慨深いです。世の中は変動が激しくなりましたねぇ。
ということで、今日のサマリー。
友人のおかげもあり、為替介入について、ちょっぴり詳しくなった3連休でした。(何やっとるねん)
みなさまにとっても、有益な情報があれば何よりです。
こういう背景を知っておくと、「ドル円が145円になった!」というニュースを見た時の解像度が上がりますよ。おススメです!
(2,071字)
お待たせしました。
アメリカ株についての記事はこちらです!