なんで、アメリカとイランの関係は悪化したの?~アメリカとイランの歴史から読み解く~

今、イランとアメリカの間で緊張が高まっていています。
もしかしたら軍事衝突が起きてしまうかも…という状況が、とりあえず回避されましたね。

ニュースや新聞で話題になっているけれど、
なんかちょっと分かるような分からないような…
という方に、今日の記事はオススメです!

この記事を読んだ後に、ニュースや新聞を読むと、「なるほどねー!」と思えるかなぁと。

ということで、今日のお題は、
なんで、アメリカとイランの関係は悪化したの?
です。

難しい言葉は使わないので、リラックスして読んでください。2300字ぐらいらしいので、数分でサラっと読めるはず。

◆めっちゃ重要!イランってどこにあるの?

今でこそ、イランはアメリカと対立していますが、実は親米(アメリカと仲が良い)政権だった時代があったんです。
その歴史を語る上で、イランがどこにあるかって重要なのですが、
イランってどこにあるか、みなさんご存知ですか?

中東にあるってことは知っていても、
具体的な位置は分からないな~って方も多いのでは?

↓ここです!

画像1

(google mapより)


旧ソ連の南側!
ここ、重要ポイントね。

旧ソ連の南側という地政学的理由もあり、
第二次世界大戦後、アメリカの援助を受けていたんです。アメリカとしても、おさえておきたいですよね、イランを。
これ、1960年ぐらいのお話。

でも、イランで親米政権が倒されるという事件が起きました!
なんで起こったかって?

簡単に言うと、
イラン経済が不況で、貧富の差も広がって、
国民の不満がたまったからです。

発展途上国は、不況になるとこういう事件やテロは革命が起こりやすい。
これが、1978年から始まった「イラン革命」です。

「イラン革命」で、親米政権が倒されました。
それまでは、中東の中で最もアメリカに近いとも言われていたイランが、この革命によってひっくり返っちゃったのです!

そして、それが引き金となって
1979年にイランでのアメリカ大使館占拠事件が起きました…。

◆アメリカ大使館占拠事件(1979年)

大使館の人達を人質にとって、アメリカ大使館を占拠した。
何日間占拠したと思いますか?

1週間?
1ヶ月?

違います。
なんと、444日間も占拠したんです。
1年以上ですよ!

そして、次の年の1980年。
アメリカはイランと国交断絶しました。
これが、40年前のお話です。

◆流れのまとめ

まとめると、

旧ソ連の南側という土地柄
→アメリカと仲良くしてて援助を受けてた(1960年頃)
→親米政権だった
→でもイラン経済不況になった
→国民の不満たまる
→アメリカと仲がいい政権が悪いんだ!
→イラン革命
→今まで親米だったのに反米国家になった
→「アメリカは敵!倒せ!」
→アメリカ大使館を占拠(1979年)
→国交断絶(1980年)

という流れになっちゃったんです。

◆イランの核問題(2002年)

さらに2002年には、
イランが地下に核関連施設を建てたことが発覚。

イランの主張は、
あくまで原子力発電所の核燃料をつくるための施設で、平和目的だと。

でもね。

イランが核を持つ
→イランと対立している周辺の国も核を持つかも
→それは困る

だからイランの核開発をやめさせようと、
他の国々はイランに交渉したのです。

どんな交渉かって?

経済制裁です。

例えば日本。
一部のイランの銀行との取引を禁止し、
イランのエネルギー分野への投資を禁止。

例えば南アフリカ。
ここは最大のイラン産原油の取引先。
イランとの商取引を停止し、サウジアラビアに代替の原油の供給を依頼。

そしてアメリカ。
ほぼ完全なイランとの経済活動の禁止!!

こんな感じで、各国がイランに経済制裁をした。
イランって、原油などの豊富な天然資源を輸出して稼いでいるんだけど、
特にその天然資源を輸出できないようにした。

で。
強力な経済制裁をしたから、
イランの経済はものすごく落ち込んだ。
いろいろな物資も入ってこなくなって、モノ不足に陥った。

◆イラン核合意

でもね、2009年に少し風向きが変わりまして。
2009年と言えば、10年前。
そう、アメリカはオバマ政権が誕生!
Yes,we,can!!

オバマさん、みなさんご存知の通り、
平和に貢献しようとした人です。

イランにも歩み寄りました。

旧ソ連の南側。
とっても大事な地域ですから。
そこは何とか、安定してもらいたいなと。

オバマさん、イランとの交渉、頑張りました。

その結果、2015年!
「イラン核合意」に至ったんです!!!
アメリカと+αの国と、イランとで合意が結ばれた。

イランが、核濃縮に必要な遠心分離器などを
大幅に削減したことを確認したと発表。
そして、アメリカを始めとした経済制裁も解除。

オバマさん、頑張った!

核やめるor経済制裁という図式から、
核やめるかわりに経済制裁もやめる、と。

そういう合意がなされたと。

◆そしてトランプ大統領

しかし。
2018年5月。
アメリカのトランプさん。
合意から離脱を宣言。

ちなみにイランの外交官は、
中国など残った5ヶ国を訪問し、合意維持を確認したそうです。


2019年5月。
アメリカがイラン産原油の全面禁輸。

そしたら、イランも黙っちゃいられない。
イランが核合意の段階的履行停止を宣言。


というのが、ここまでの流れなのです。


アメリカとイランの関係が悪化した背景は、分かりましたか?

ここが分かると、
2020年に入ってから展開された
イランとアメリカの関係についても、
より分かりやすくなると思います。

ということで次回は、
2020年に入ってからの、
イランとアメリカの関係、
中東をめぐるロシアと主要国の関係
について、説明していきます。

分かりやすかったよ!とか、次の記事も見たいな!という方は、ぜひスキをお願いします。

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