1年で2倍以上になったアレ~これを読むと経済が分かる!(後編)~
今日は、1年で2倍以上になったアレについて書きます。
そう、原油価格です。
1年で2倍以上ってすごいですよね。
他にありますか?
株や原油ぐらいじゃないでしょうか。
給与が2倍になったら飛び上がって喜ぶし、物価が2倍になったらメソメソ泣いちゃう。
いや、アレか。宿の値段は2倍ぐらいになってるかな。
冗談は横にさて置き、前回の記事では、以下のことを書きました。
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・どうやって価格が決まるのか
→OPECが調整している
・原油価格がなぜ上がったり下がったりするのか
→需要に合わせて、OPECが供給量を調整している
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では、2000年以降、原油価格はどのような動きをしていたのか。
見てみましょう。
大きく下落した局面は3回ありました。
◆1回目が2008年後半。リーマンショック。
147ドル→30ドル台に。半年で3分の1以下になったのです。ひぇぇ。
原因は、世界的な景気減速が、エネルギー資源である原油の需要を減少させたからでした。
◆2回目が2014年後半。シェールオイル革命。
100ドル超え→半年で50ドルまで落ちました。その後もずるずると落ちて30ドル台に。原因は、今まで開発が困難とされていたシェールの採掘が可能になったからです。シェールオイルが実用化されたことにより、エネルギー革命が起きました。原油の優位性が揺らいだんですよね。
今までは、原油の産油国と言えば中東。サウジアラビア・イラン・イラクあたりだったんです。でも、シェール革命により、アメリカの生産量はすさまじくのびました。いまや、産油国の第一位はアメリカなんです。中東じゃないんですよ!
◆そして3回目が2020年春。コロナショック。
60ドル→一気に30ドルに。一時的には先物がマイナス価格にまで落ちました。
原因は、コロナショックで激減した需要に対して、供給を減らさなかったから。COVID-19の感染拡大の影響により、世界中で外出自粛。経済がまわってないのだから、当然原油の需要も激減。需要は30%減と言われましたが、供給は減らなかったので価格は暴落。「え、なんで需要が減っているのに供給が減らないの?」っと思ったあなたへ。その通り。そこには、サウジアラビアとロシアの政治的な思惑があったのです。詳細はこちら。
◆そして今回、2021年秋。原油価格の高騰。
1年で35ドル→85ドルに。2倍以上です。原因は、需要が増えたのに、供給をそのままにしているから。
ー以下引用(日経xwoman より)ー
原油の需要には、航空機の燃料需要の影響が大きい。欧米などで景気回復が進み、旅客需要が増えていることが一因です。国際便の回復はまだまだですが、米国の国内便の客数はコロナ前の80%くらい、欧州も域内の需要は75%くらいまで回復しているようです。併せて、暖房用の灯油需要が増えていく季節と重なりました。冬はもともと原油価格が上がりやすい時期なのです。
そして供給側の事情として、中東の産油国で構成されるOPEC(石油輸出国機構)が、需要の増加にもかかわらず、原油の生産量を絞ったままであることが影響しています。理由ははっきりしませんが、年内は供給量の少ない状況が続きそうです。
ー引用終わりー
半年の間に、2倍になったり半値になったりしている原油。
相変わらず値動きが激しいです。
では、今後の見通しは?
◆今後の見通し
IEA(国際エネルギー機関)は「世界石油需要は2022年にも新型コロナのパンデミック以前の水準を回復する」との見通しを示しています。
アメリカはワクチンの接種完了者に限り、欧州や中国などからの観光客の入国を認めました。各国が規制緩和を進めています。経済の動きが活発になれば、航空燃料を始めとした需要も回復してくるでしょう。あとは、その需要に対してOPECがどのような調整をするか、ですね。リーマンショック前のように、また100ドルという数字を見る日はくるのでしょうか…。
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日経xwomanテラスにも書いています。
アンバサダーやってます。
もし良ければ、見てやってください。
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