なんで円安(110円台)になったの?~為替操作国を解除ってどういうこと?~
こんにちは。FPママです。
今日は前回の続きで、アメリカとイランの関係を中心に中東問題について記事にしようと思っていたのです…が!
ビッグニュースが入ったので、こちらの話題について書きます。
◆ビッグニュースとは!?
今日、円安になり、一時110円台になりました!
この数字、8ヶ月ぶり!
なんでかって?
アメリカが、中国の「為替操作国」解除したから。
どういうことかって?
◆「為替操作国」って何?
そもそも「為替操作国」って何?って方は、こちらの記事をどうぞ。
簡単にまとめると、為替操作国とは。
アメリカ財務省って、為替の政策報告書を提出してるんですね。そしてそれに基づき、「為替相場を不当操作してる!」と、アメリカ議会が認定する国のことです。
為替操作国に認定された国は、アメリカとの間でサシで協議が行われ、
通貨の切り上げを要求されます。
「為替、不当に操作してるよね。おかげで、米ドルが上がっちゃって大変なの。おたくの国の通貨を上げてくれる?つまり、米ドルの価値、下げてよねー」と要求されるのです。
2019年8月、
アメリカ(トランプさん)は、
中国を「為替操作国」に、指定したのです。
25年ぶりに!
そして
2020年1月13日。昨日ですね。
アメリカは、中国の「為替操作国」の指定を解除したのです!
5ヶ月ぶりに。
為替操作国の解除
=米中摩擦、合意の方向へ
という事なのです。
まだ、貿易交渉の「第1段階の合意」の途中、ではありますが、
それでも一歩前進です。
◆為替操作国の条件とは
為替操作国の条件ってどのようなものか、ご存知ですか?
アメリカが為替操作国に指定する条件ってこんなのです。
1.対米貿易黒字の規模
年200億ドル(約2兆1000億円)以上の貿易黒字
2.経常黒字の規模
経常黒字がGDP比2%以上
3.一方的な自国通貨売り介入
為替介入による外貨購入が
1年で6ヶ月以上かつGDPの2%以上
4.その他
特大な貿易不均衡や通貨安誘導を促進してきた歴史
25年ぶりに「為替操作国」に指定された中国ですが、
該当するのは1だけでした。
でも、2019年8月と言えば。
人民元相場が対ドルで11年ぶりに安値になりましたよね!
4に該当する…のかな?
1ドルが7元をこえたのは、2008年4月以来。
11年ぶり!きゃー!!!の記事はこちらをどうぞ。
◆為替操作国解除になると、なんで円安になったの?
今回ニュースになりましたが、完全解除ではなくて。
中国、アメリカの「監視リスト」にはまだ入っているんですけどね。
それでも、為替操作国の「指定解除」は、インパクトがありました。
アメリカが、中国の為替操作国の解除(5ヶ月ぶり)
→米中貿易会議が進展するとの期待
→「米中関係がどうなるか分からないうちは危なくてリスクとれなかったけれど、
今までよりリスクとってもいいマーケットなんじゃない?
だって米中貿易会議が進展したんだもん」
→投資家のリスク回避姿勢が後退
→円売り
→相対的に円が出回る
→円が安くなる
という流れです。
◆「監視リスト」に入っている国は?
ちなみに。
日本も「監視リスト」に入っています。
他にどんな国が入っていると思いますか?
中国、日本以外には、
ドイツ、韓国、イタリア、マレーシアなど合計9ヶ国。
だったのですが、スイスが再び指定されて、現在合計10ヶ国が「監視リスト」に入っています。
為替相場において、
経済制裁するほどではないけれど、アメリカから目つけられている国ってことです。
自国ファーストのトランプ大統領。
11月の大統領選を前に、ドル高になることを警戒していますが、
トランプさんとしても、大統領選の前にアメリカの景気が落ち込むことは避けたい、という状況です。
ということで、
・なんで110円台になったのか、
・アメリカが、中国の「為替操作国」解除したとはどういう意味か。
みなさん、分かりましたか?
分かった!とか、なるほどね!と思った方は、是非スキをお願いします!
今日は1651字です。
(日経新聞1月14日(火)夕刊一面を参考にこの記事を書きました。)
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