たった6ヶ月で、学習塾が8割も減った国の話
たった6ヶ月で、学習塾が8割も減った国があります。
どの国か知っていますか?ちょっと考えてみてください。
なんと答えは…中国!
日本ではあまり知られていないかもしれませんが、2021年7月、中国政府は小中学生向けの学習塾を大規模に規制しました。学習塾の新設を認めず、既存の学習塾は非営利組織へ転換させる政策です。土日祝日と長期休暇の授業はNGで、広告宣伝も禁止。授業料は政府が管理し、企業の上場や資金調達も大きく制限しました。
必然的に、学習塾の廃業が広がっています。
全国の学習塾とオンライン塾の数は、規制前に比べて8割以上減少
By中国教育部(文部省)
そして、特に、河北、山西、遼寧、山東の地域ではなんと!減少率が9割を超えたそうです。
なぜこんな政策を政府がしたのでしょうか。
日本以上の学歴社会と言われている中国。受験競争が激しくなる中、児童や生徒の負担を減らすことを狙ったとの事。
ファーウェイ、テンセントといったメガIT企業が著名大学の理系学部を卒業した新入社員に年棒1000万円を出すこともあるのに対し、地方都市の中堅企業の大卒初任給は4~6万円程度。社会人のスタート時点で待遇や給与に大きな差がついてしまうこともあって、親は子どもの教育に金を注ぎ込むため、塾も親の焦りを煽ってきた。 ー中略ー 少子高齢化に直面し一人っ子政策を2015年に廃止し、2021年8月には格差是正を目指す「共同富裕」のスローガンも打ち出した習近平政権。
ー東洋経済『撤退続く中国「学習塾」農業やアパレル転身の驚愕、政府の全面規制で8割が閉鎖、教育業界の現状』よりー
日本では考えられない政策を打ち出していますね。
そんな中国。
経済成長率はどうなのでしょうか。
この前の3月5日に、第13期全国人民代表大会の、第5回会議が開幕しました。
経済成長率、2022年は「6%以上」と発表していたのですが、「5.5%前後」に引き下げ。
そしたら、気になりますよね。
今までどんな成長率だったのか。
2015年~2019年は、6~7%ほどでした。2020年は、コロナショックがあった年だったので、経済成長率は下がったのですが、それでも2%ほど。そして、2021年は8%ほど成長していたところでした。
成長目標を下げた中国は、今後どのような政策なのでしょうか。
景気対策に関して「積極的な財政政策の効力を高める」と強調。
・減税措置の延長や税金の還付で、2兆50000億元(約45兆円)/年規模の税負担を軽減。
・専項債と呼ぶ債券の発行額は3兆6500億元(地方政府のインフラ投資を促すもの)、2021年と同じ水準。
・金融政策については「緩和的な金融政策を強める」と述べ、追加利下げに含みを残した。
ー日経新聞2022年3月5日(土)夕刊1面ー
ちょうど一昨日、北京2022年オリンピックパラリンピックが閉幕したところです。ロシアウクライナ問題も目が離せませんが、大国である中国の動きも、注目していきたい2022年です。
それにしても、6ヶ月で学習塾が8割も減ったって、しかも国レベルで…すごいですね!
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