どうなる日本!?これを見れば一発で分かる!
「まだ経済統計には表れていませんが、肌感覚として店舗の客数は多く、宿泊施設の稼働率も高そうです。」
と、この記事にありました。こう言われると、統計を見に行きたくなってしまう私です。ふふふ。
ということで「経済が分かるようになるnote」を書いている私が、日本の景気は実際どうなのか、を紐解いていきます。誰でも分かるように説明するので、ぜひ最後まで読んでみてください。
▼日経平均株価の動きと言えば
9月14日 30,670円(直近の高値)
10月6日 27,528円(直近の安値)
という感じで、27,000円台~29,000円台をうろちょろしています。オミクロン株のニュースで急落したものの、日本株は1割も下がらなかったんですよね。
株の動きは小幅だけど、実際の日本経済はどうなの?そして先行きはどうなの?思っている方へ。
実は…「日本の景気はいいのか悪いのか」が一発で分かる統計があるんです。しかも一次情報。
え、気になる?
気になりますよね!?
「日銀短観」って言うんですけどね。
あ、ここでページ読み飛ばそうとしないで!分かりやすく説明するので。
▼日銀短観とは
日本銀行が出しているレポートで、全国企業にアンケートし、経済がどうなるかを調査しているのです。その数、なんと9,000社以上!海外投資家が特に注目していると言わており、海外でも「Tankan」で通じるほど。すごくない?「Sukiyaki」「Karaoke」と並んで「Tankan」なんですよ!
その中で「日本の景気どうなん?」を示す「業況判断指数」というのがあります。「DI」と呼ばれています。これがすごく分かりやすくてね…私、このDIを見るのが大好きなんです。
▼DIとは?
DIはポイント制。
業況判断DIは、
「景気が良い」と答えた企業の割合から、
「景気が悪い」と答えた割合を引いたもの。
つまり、
+:景気が良い
-:景気が悪い
という事。分かりやすい!
で、気になりますね。
直近のDIがどうだったのか。
つまり、日本の景気はいいのか?悪いのか?
▼日本の景気はいいの?悪いの?
DI(全国平均)
<製造業> 6 =+なので景気良い
<非製造業>0 =0なので普通
でした。
▼DIで見るべきポイントはこの3点!
・+か-か(=景気がいいのか悪いのか)
・前回より良いのか悪いのか
・予想より良いのか悪いのか
そう、マーケットは「+だから景気いいね!株価上がるね。」という単純なものではありません。同じ+でも、前回より悪ければ「これから悪化するのでは…?」と予想されます。また、同じ+でも、予想よりも悪ければ「あれ?もうちょっといいはずだったのに…!」ってなります。前回より悪ければ、予想より悪ければ、株価が下がる一因になります。
例えば、今までずっと90点をとっていた人が、今回80点だった。今回のテストの平均点は75点で、今までより易しめだったとします。「80点」という点数だけ見れば、平均点の75点より上だからいいね!って話ですよね。でも実際は違う。今まで90点とっていた人が、いつもより易しめのテストであれば95点ぐらいとれると予想されます。なのに、予想より下の80点だった。そして、今までの90点より下がっている。なら、今後も下がり始めるのでは?っと危惧されるわけです。これがマーケット。絶対評価ではなく、過去との比較や予想との比較等の相対評価されるのです。
前置きが長くなりました。
これらを踏まえた上で、今回の日銀短観を見てみましょう。製造業と非製造帳でわかれているのですが、ややこしくなるので、非製造業だけここに載せておきますね。
▼日銀短観まとめ
今回(前回比) 先行き(今回比)
大企業 9(7) 8(▲1)
中堅企業 1(7) 0(▲1)
中小企業 ▲4(6) ▲6(▲2)
全規模 0(7) ▲2(▲2)
全規模では「0」なので、景気は普通。
前回比「7」なので、前回より景気が良くなっています。
先行きは「▲2」なので、今回の「0」より下がっています。先行きは今より景気が悪くなりそう、という事。
いくつかピックアップしてみましょう。
◆大企業非製造業のDIは「+9」
前回比:「+2」→「+9」と、「+7」も上がった
予想比:「+6」だった予想を上回った
お!けっこういい数字!と思ったそこのあなたへ。
◆コロナ感染拡大前2019年12月は「+20」だったのです。だからまだコロナ前の数字までは戻ってきていません。
業種別では。例えば冒頭の記事にあった、宿泊・飲食は?
◆宿泊・飲食は「-50」です。
この数字だけ見ると、宿泊・飲食はやっぱり景気が悪いね…-50って相当悪いやん!となるのですが、ところがどっこい。前回9月は「-74」だったことを考えると、少しずつ良くなってきているとも言えます。
景気がいいのか悪いのか、これからどうなるのか、株価は何に影響するのか、少しずつ分かってきたと思います。これぞ金融リテラシー!金融リテラシーが高いと、経済が見えてきます。面白くなってきます。
これを読んでくださるみなさまが、少しでも「経済って面白いな!」って思ってもらえると嬉しいです。そう思ってもらえるよう、一次情報(今回は日銀短観)を使いながら、経済について解説していきます。
ちなみに、日銀短観は3ヶ月に1回発表されます。次は4月です。今回の先行き予想は、非製造業で▲2でしたが、実際はどうなるのか。みなさんも答え合わせをしてみてください。
(2,312字)
ご参考までに、2021年4月の日銀短観についての解説はこちら。
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