1200億ドルのお小遣いを減らして0にしたら、その後どうするの?
FRB(アメリカの中央銀行)が、アメリカへ与えていたお小遣いを、減らし始めました。
毎月1200億ドル
↓
2021年11月から、150億ドルずつ減額
↓
2022年1月から、300億ドルずつ減額
このペースでいくと、2022年3月末には、毎月1200億ドルももらっていたお小遣いが0になります。
その後どうするのか!?
というのが、今日のお話です。
2021年のマーケットは、様々なニュースがありました。
バイデンさんが大統領に就任した1月から始まり、9月には「中国恒大」経営危機、そして11月にはアメリカの量的緩和縮小。
あれ、量的緩和の縮小って何だっけ?というあなたへ。
量的緩和の縮小=お小遣いを減らすことです。
2022年のマーケットに大きく影響してくるポイントなので、今日はここについて紐解いていきます。
▼アメリカの金融緩和について
金融緩和には2つの方法があります。
◆1◆量的緩和
=お金を発行しまくって、じゃぶじゃぶ流す
◆2◆利下げ
=政策金利を下げる
▼量的緩和について
アメリカの量的緩和については、この記事にありました。
ー以下引用ー
FRB(米国の中央銀行)はマーケットに大量の資金を供給する『量的金融緩和』の縮小ペースを速めつつあります。
ー引用終わりー
コロナショック以降、FRBは大きな量的緩和を行っていました。
お金をじゃぶじゃぶ市場に流したのです。
例えると、アメリカは、FRBから毎月1200億ドルのお小遣いをもらっているというイメージ。
このお小遣いをですね、毎月150億ドルずつ減らすことにしたのです。これが、よく聞く「テーパリング」です。お小遣いをじわりじわりと減らすことです。
<毎月1200億ドルのお小遣いの内訳>
アメリカの国債:800億ドル
MBS(住宅ローン担保):400億ドル
<減額する毎月150億ドルの内訳>
アメリカの国債:100億ドル
MBS(住宅ローン担保):50億ドル
2021年11月から減額することに決めたので、8ヶ月で0になる計算でした。ただし、声明では「毎月同じペースの減額が適切と判断しているが、経済見通しに変化があれば、調整する用意がある」と言っているので、必ずしも同じペースとは限りません。ただ、仮にこのペースで減らせば、2022年6月にお小遣いが0になるということです。
…となっていたのですが、12月中旬にさらに!
2022年1月からは毎月300億ドルずつ減額することを決定しました。
<減額する毎月300億ドルの内訳>
アメリカの国債:200億ドル
MBS(住宅ローン担保):100億ドル
お小遣いを減らすペースをあげることになったのです。
よって、お小遣い0になる=テーパリングの終了予定が2022年3月末に前倒しとなりました。
2022年3月末って、もうすぐですよね。
お小遣いが0になったら、その後どうするのでしょうか。
▼金利について
お小遣いが0になった後は、金融緩和の出口戦略のもう1つの手段、利上げも行う予定です。予定では、今年中に0.25%ずつ3回行う予定。
利上げって、上げていくタイミングが手腕の問われるところです。上げていくタイミングを間違えると、すぐに株価に影響します。
アメリカの金利と言えば、2019年8月から少しずつ下げていたところに…コロナショックがきて、2020年3月には最低金利の0.25%へ。
で、この金利も、最低金利0.25%をずっと続けるわけにはいかない。どこかで上げていく(=正常化する)必要があります。金利を上げ下げするには判断材料があります。物価とか失業率とか。そして「判断材料がいい感じやから来月から金利上げるわ!」って言われたら、やっぱりマーケットはビックリしちゃうわけですよ。だからそうならないように、FRBはかなり事前告知していました。「2022年末までに利上げするかも」と。そして12月中旬の会合時点では、「2022年は3回の予定です」と。少しずつ前倒ししています。ここも「少しずつ」というところがポイントです。
FRBの議長であるパウエルさんについては、この記事に書いてある通り。
ー以下引用ー
世界のマーケットがそれほど荒れずに済んでいます。FRB議長のジェローム・パウエルが、小まめに金融マーケットへのメッセージを発することで、投資家たちに徐々に利上げ期待を浸透させ、過剰反応をさせないことに成功したからだと思います。金融マーケットにとって、21年のMVPはパウエル議長ではないでしょうか。
ー引用終わりー
まさにその通りでしょう。
テーパリング(お小遣い)終了が2022年3月末、そこから3回の利上げの予定。
アメリカのお小遣いが予定通りのペースで減らされていくのか、利上げが予定通りのペースで行われるのか。これによってマーケットも動きます。是非みなさんも注目してみてください。
さらに、2022年は各国で大統領選挙も続きます。どんな大統領選があるのか、また2022年の「寅年」は今までどんな年だったのか。次回へ続きます。
(2089字)
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