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CO-MUSICATION REPORT VOL.18 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈✈︎~Journey Recording 前編~

2020年7月18日、突然の「レフティアルバム作るってよ」から3ヶ月、10月18日に最初の楽曲『Journey』のレコーディングがレフティさんのスタジオで行われました。

この曲は、バンドっぽいサウンド感なので、どう考えても生バンドでやった方がいいということで、いつものメンバーでのレコーディングとなりました。

REVELMUSIC CREATOR
Ba:宮田'レフティ'リョウ
Dr:ICCHAN.
Gt:香取真人
Pf:北村真奈美
Engineer:タルタノリキ

大きなスタジオだと『せーの』と言ってドラム、ベース、ギター、ピアノを一緒に録るのが1番健全ですが、それぞれの音が他のマイクに入らないように、部屋を分けなければなりません。そうなると、部屋がいくつも必要になってくるので今回は難しい。そこで、最低限ドラムとベースは一緒にやって、そこからダビングと言って、上もの楽器のギターとピアノを録っていくという手順で進めていくとレフティさん。

前編では、ドラムとベースのセッティングからレコーディング本番、そしてコンプまでの様子をお届けします。

▲レフティさんブースに登場


まずはレコーディングの前段階で、コンサートピッチを決めると言う作業があるそうです。
440Hzかそれとも441Hzか、ピアノの調律は441ですが、日本のポピュラー音楽は440のことが多い。ただし、ピアノが入るのであれば441にしようか、ブラスであればピッチもまた違ってくるなど…今回は441です。

まずは弾いてみてチェックを…


タルタさんがドラムのマイクの位置を調整します。マイクの位置によって音が変わるのでここはなかなか難しいところ、エンジニアさんによって色々手法があるようです。

▲タルタさん今日も安定の魚サンです。


レフティさんのスタジオは、ドラムを録るには少し狭いそうで、本当はもっと天井が高くて、ルームサイズがたっぷりあるところだと臨場感が出るそうですが、そこはマンパワーでカバーしたり、演出というかリバーブを足したり、そういうところで作っていくというのが今回の方向性との事。



「どうしてもここでやりたかったので……」

……とレフティさん。




何回かテイクを重ねていき、いい感じになるように音を決めていく作業を繰り返します。


「この試行錯誤しながらやっていくところを楽しんで貰えたら…」
とレフティさんは心配そうに言いますが、これこそがこのサロンの醍醐味なのです。

ここで、ICCHAN.にも会話に参加するよう求めるレフティさん。するとICCHAN.からは「レフティさんスネアの音どうですか?」と…

ここでドラム講座[ミュートについて]が始まりました!

レフティさん「スネアの音は結構好きで、高さ的にもいいなと思っていて…」
ICCHAN.「馴染む感じにはしているけど、もうちょっと音切った方がいいかなぁ?」
レ「結構音止めてるの?まだ止めてもいいかも しれない…」
I「ビリビリッ!ビリビリッ!」
レ「止めると言うのは、今ICCHAN.がスネアにガムテープを貼っていますけど、壊れているとか破れているわけではなくて…」

▲スネアにガムテープを貼るICCHAN.


ちょっと違いを堪能してもらうため、ICCHAN.に叩いてもらいます。

「何が変わったかと言うと、打面にガムテープを貼ったんですね。そうすると音が、振動がそこに吸収されるようなイメージ?! それで音が締まるんですね。逆にミュートを外すと、残響が…大げさに言うと“トーン”と“トンッ”というように音のリリース、音価が短くなるということです。」とレフティさんが解説します。

「最近の音楽は、割とバチバチミュートなドラムサウンドが流行っている」とICCHAN.。
他にも布を被せたり、地震の際の家具転倒防止用ジェルなども使ったりもするようです。
ちなみに、今日はジェルも使ってるそうです。

ここで再び演奏してみます。
途中でタルタさんが止めてチェックをしますが、レフティさんが「ライドがでけぇ!」と言うと、すかさずICCHAN.がシンバルにガムテープを貼ります。


もう一度演奏してチェック。


「いいかな…?スネアが…音の感じ…音響感?スナッピー?もうちょっとゴースト感が出るといいなかな…16分が大事な曲だから…」とレフティさん色々考えています。

今度はタルタさんがICCHAN.に、「ミュートって、さっき結構ガッツリやった感じ?」
I「ガッツリやったよ!」
タ「ちょっと減らしてもいいのかな?!」
I「これ、下のマイク足すのはどうかな?下増やしてもいいかも、そうするとつぶ立ち良くなるから。」

※スネアには表と裏(トップとボトム)にマイクを立てて、下のマイクが裏側に付いているスナッピーと呼ばれるジャラジャラいってる音を拾います。


もう一度聴いてみます。


タ「もうちょっと…ミュートを若干軽くしてもいいかな?さっきとの間ぐらい。」
レ「(ICCHAN.に)間存在します?」
I「私がゴーストを、しっかり明確に叩けばいいよね…」



このように細かい確認や調整を経て、ようやく本番となる訳です。


そしていよいよ【 TAKE 1】


「うん、いい感じ」とレフティさん。
タルタさんも「割と良さそう」と。
そしてこのままもうワンテイクやることに…


ここでICCHAN.が「実は今、スティックひっくり返してスネア叩いてたんだよね。ちょっとつぶ立ち良くするために…こっちの方がやっぱりいいかな?」

レフティさん「サビ聞いていい?」

.•*¨*•.¸¸🎶

「全然こっちのほうがいい!!」

スティックの反対側で叩くと単純に音がまとまる。スティックで音量、バランスが変わるから、(反対側で叩くことにも)慣れないといけないとICCHAN.


そして【TAKE 2 】

こちらもいい感じでしたが…

あと少しというところで、ICCHAN.がスティックを落としてしまいました。
ドラマーあるあるですね。

いいよ!いいけど記念にもう一回やろうか?
次のテイクで完璧なやつを録る事に。

ラスト記念の【TAKE 3】

こちらもいい感じでしたがどうでしょうか?
ICCHAN.もタルタさんもこのテイクが良さそうとの事で、このテイクをベースに直していくことに。

ここでレフティさんは、コントロールルームに戻りますが、カメラの充電が切れているため、暫くICCHAN.がトークで場を繋ぎます。


I「皆さん、僕たまにライブでもスティック落 とすんですよ。」
タ「たまになのかな?」
I「5年前からするとだいぶ減ったよ。」
タ「そこって成長できるんですか? 笑」
I「ただテンション上がりすぎちゃう問題だから。目線がお客さんのほうに行くとすぐミスちゃうのよ。笑」
ライブで見たことないなぁ~と言うコメントに
タ「ドラマーによっては結構落とす?」
I「いや、落とし方なのよ!ボーカリストの頭直撃とかたまにあるから。」
タ「それ事故じゃん!笑」

今回のレコーディング中には、ICCHAN.のスティック落としちゃった事件以外にも、マイク落下事件や、レフティさんマイク触っちゃったよ事故などありました。

ICCHAN.とタルタさんがドラマーあるある話をしていると、コントロールルームの準備も整ったようで、ここからはコンピング(テイクの差し替え)作業に移ります。

まずは石ちゃんから、気になるところを差し替えて行きます。
なぜかここから突然ICCHAN.のことを石ちゃんと呼ぶレフティさん。
※ICCHAN.=石川将義→石ちゃん

ここでcubase(キューベース)上での差し替え方についての質問があったため、今回のように複数トラックの場合のグループ編集機能について、タルタさんが説明しながら進めます。

🔻フォルダに入っている状態にしてグループ編集機能をオンにすると、1つのトラックを選ぶだけで全てが選択されます。

🔻切ったりするのも通常は1つだけですが、まとめて全部切れるようになります。

🔻変え方は色々ありますが、真ん中の小さな矢印を押すと過去のテイクが文字で出てきたり、レーンを表示にすると一覧で出てくるので、グループにしておくと他のテイクもまとめて変えられます。


このようにして、今録ったテイクの中から良い部分を差し替えて、よりベストなものを作っていきます。

この後、ほとんど使わないけれど、儀式的に行うというドラムのワンショットを録りICCHAN.は終了です。お疲れ様でした!


最後にレフティさんがベースのコンプをさらりと終えて、リズム隊のレコーディングは終了しました。



普段私たちは、アーティストのSNSなどで「今日はレコーディングでした!」などと、スタジオの写真と共にポストされたものを見る機会がありますが、そこに至るまでの工程のほとんどを目にすることはありません。
なぜなら、世に出る前の作品を公開することは、クリエーターにとってリスクがあるから。
しかしCO-MUSICATION ROOMでは、それらの全てを動画配信しています。これがどれだけ凄いことなのか、こらからの音楽の在り方に対する、レフティさんの想いと共に伝われば幸いです。

文:CO-MUSICATION ROOM
CURATOR:Megu

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