がむしゃらに勉強する真面目な子、なぜ伸び悩む?
こんにちは。佐々木です。
「勉強法の本を読む暇があったら勉強しなさい」
たまーにですがこんなことを言う人がいます。
まあ、言わんとしていることはわかりますよね。ドラ⚪︎ン桜とかビ⚪︎ギャルとかばっかり読んで肝心の勉強時間が取れていない人がいたら、そりゃあ私も「そんな暇があるなら勉強しなよ」と言いたくなります。
こういう、勉強のやり方などの本を読むことに対して否定的な人の意見は、「そんな暇があるなら勉強しなさい」というのが一番大きいでしょう。
そういう本を読んでいる時間にライバルは勉強しているし、その本を読む間に単語のひとつも覚えられたかもしれない。確かにその通り。
同じ理屈で、私も「計画を立てるなんて無駄」と思っていた時期があります。綿密な計画を立てる暇があるならその時間に勉強したい。その時間に何かひとつインプットできる。それに計画はあくまで計画だし、その通りにいかないこともある。気分屋な私は「今日の予定は英語だけど、数学やりたい気分だから数学やるもん」「もう眠すぎて無理だから漢字書き殴ってみるか」って感じで計画通りにやらないことがありました。
なんか1時間単位に計画立てて丁寧に計画表立ててる人って「その努力いる?」と思っていたのも事実です。
勉強法について考えることや計画を立てることを、ここでは「勉強の準備」と呼ぶことにしましょう。勉強の準備はもちろんやりすぎは良くありません。大切なのは勉強そのものです。
ですが、勉強の準備を全くせずに、ひたすら勉強だけをするのもNG。そのことに気づいていない学生さんが結構います。
高校の自習室に行って、勉強に関する質問に対応をするという仕事をしていた時の話です。
ちょくちょく顔を出してくれた女の子がいたのですが、その子の質問内容はざっくりまとめてしまうと、いつも「xの2次式にmとかkが入ってくるとダメ」みたいな感じでした。普通に数字なら因数分解できるのに、xの計数がmになると途端にわからない。mが入ると平方完成できない。kがあると解の公式が使えない。単元やアルファベットの違いはありますが聞いてくる内容はこちらから見れば同じなのですが、本人は気づいていないのです。とにかく目の前の問題をやっつけることに必死。
そこで、彼女には「なんかxの他にmとかkとか現れたりしたらさ、そこに2とか4とか当てはめて考えてみて?」と伝えてやってもらうことをお願いしたら、だいぶできるようになった!大したことなかった!と嬉々としていました。よかったねー。
そんな感じで、自分の弱点をきちんと分析したり、自分の何がいけないんだろう?なんで数学にこんなに時間かかるんだろう?みたいなことを考えたりする時間を持たずに突っ走っていると、いつも同じところで躓くことになります。同じようなものが形を変えて出てきますからね。。
このタイプは進学校〜なんちゃって進学校レベルに多いです。勉強に向き合うことはできるし、すごく真面目に取り組むし、勉強時間が長いから、周囲からも「真面目で勉強ができる子」と言われがち。だから中学までは優秀なのですが、高校進学していきなり躓くのもこのタイプの子達です。同じくらいの学力の子達の中に放り込まれれば、レベルの高いものを求められ、今までの戦い方では辛くなる時がきます。
自分の弱点を考えられない原因は、振り返ったり俯瞰したりすることをあまりせずに具体的な事象ばかり見ているのが一因でしょう。抽象的な思考があまり得意ではありません。だから毎回のパターンに気づけない。毎回のつまずきをパターン化して対策をとることをしない、というかできない。
この辺りがブレイクスルーポイントなんでしょうね。つまずいた時に、ひたすら数こなすのではなく、振り返って考えられるかどうか。必要なら勉強法を変えてみるとか、自分の勉強の弱点を見返してみるとか、計画立案に想いを馳せてみるとか。
行き詰まった時に「勉強の準備」が必要だということを認識して、それができるようになったとき、レベルが一段上がるのだと思います。
日々の振り返り、勉強のやり方の見直し、計画は全く無駄ではありません。ちょっとうまくいかないな、というときは一歩立ち止まってみるのも一手です。
いちょっとプロモーション的になっちゃうのですが、一対一の指導の強みはここにあります。生徒さんが気づかずに突っ走っているとき、俯瞰的なアドバイスをすることが可能です。本人が気づいていない間違いパターンを指摘して、修正方法をアドバイスすることができるのです。
どうしても、一人で勉強していてこういうことに気づくのって難しい。なので、すごく頑張っているのに伸びないという人は一度相談してもらえたら、なんて思ったりします。
頑張っている人は報われるべきですよ。