【幻想は捨てるべし】ミャンマー移住に必要な心構え5選 前編
ミャンマー人と結婚しミャンマーへ移住経験あり。現在は日本在住のちゃみです。
はじめましての方はこちらをどうぞ。
日本脱出を目指す人たち
最近やたらと聞く「海外移住」や「日本脱出」という言葉。
みなさんの周りにはいませんか?
私の周りにも「もう日本はだめだ」「日本を出たい」という方がいて、海外移住の相談を受けることが時々あります。
まだまだ移住先としてはマイナーな国、ミャンマー。
しかし今はクーデターになってしまいましたがほんの3年前、ミャンマーの経済成長率はピークで6.7%もありました。
この時、かなり多くの日本記企業が進出し、また個人レベルでも起業しに来られた方のピークに多かったです。
一方の日本は約0.7%です。
海外に出たくなる気持ちもわかる成長率です。
ミャンマーは移住に不向きな国です
結論から言ってしまうと、はっきり言ってミャンマーは移住向きの国ではありません。
移住を検討される理由は様々ですが、個人的に思ったのが、物価が安いとかミャンマー人は優しそうとか、日本企業が少ないだろうから面白い仕事(=起業)しやすそうだ、とか、かなり間違った幻想を抱いている方が多い印象です。
後程詳しく書きますが、ミャンマーの物価って全然安くないです。
ミャンマー人、付き合うの大変です。
外国人がミャンマーで起業するのはローカルの数倍も厄介で資金がいるし、そもそもミャンマーではあらゆる場面でワイロが必須です。
それでもミャンマー移住を検討されるという方向けに記事にまとめてみましたので、見てもらえると嬉しいです。
その1 物価は日本とほぼ同じと考えるべし
まず大きな誤解がこちらです。
ミャンマーの物価は安くありません。(というか日本が変わらなすぎと伊野が正しい気がします。)
食品に限って言うと、ミャンマー国内で収穫できる野菜・つまり夏野菜や果物は比較的安いです。
ローカルのものであればナス・トマト・オクラ・空心菜・その他ミャンマーの夏野菜(葉物)であればどれも安いです。ナス1本20円くらいです。
ただしそういった野菜は総じて大量の農薬が使われていますし、またどんな農薬を使っているかといった表示法の規制がないので、それに抵抗がないなら問題はありません。
鶏肉もスーパーで買えば100g80円くらいです。牛肉なら100円は普通に超えます。これで本当に安いと思いますか?
ちなみに日用品は驚くほど高いです。
シャンプーとトイレットペーパーなどは日本と同等かそれ以上です。
理由はシンプル。輸入で高いのと、それからもう一つはミャンマーならではの理由が。
ミャンマー人はトイレの後ペーパーを使う習慣が根付いていないので、トイレットペーパーの消費が少ない。つまり企業も企業努力して安く提供するとう概念がないんですね。
上記をふまえたうえで「市場で安く済ませよう」という方はそれもアリです!ただし、ミャンマー語で値切り交渉できれば!です。また魚は炎天下のミャンマーの天気の下、売れなければ何日も冷凍して売るというサイクルで流通している魚(というより商人)もいますので、ご注意ください。
その2 家賃は東京23区レベルと同じと覚悟するべし
「アジアなら10万円でハッピーライフ」みたいなのがありますが、完全にミャンマーにおいては無理です。幻想です。もちろんどういった生活レベルでどこに住むかによって大きく異なりますが、それでも最大都市のヤンゴンの中心部なら普通に日本で4万円は覚悟してください。
そして4万円で借りられるクオリティは余裕で日本以下です。1R(6畳)というコンパクトな間取りがまず少ないのですが、間取り云々でなく、4万円だと窓から鳩かカラスが入ってくるのは通常、水のろ過装置はついてないので自分でなんとかする、バスタブは当然なくシャワーのみ、キッチンももちろん水のみでお湯は出ない、築年最低でも20年は経過している等の、非外国人向けアパートと想像しておくのが無難です。
そもそもミャンマーはなぜ家賃が高いのか?
軍事政権が終焉を迎え、そのタイミングでかなり多くの起業が世界中から進出してきました。人件費が安いからです。特に進出が多かったのが中国です。そこでミャンマーの不動産バブルがやってきました。
余談ですが夫の親戚のおばあちゃんが持っていた土地の値段が、
50年前に買ったときの200倍になりました。
このようにしてヤンゴンの土地はあまりにも高騰してしまいました。
もちろんローカルは簡単に買えませんし、賃貸だって高額です。しかしミャンマーはもともと一人暮らしという概念がなく、兄弟や親族と同居というのが一般的なのでこの異様な高騰でもやってこれた側面があります。
話がそれましたが、
「4万円ってミャンマーでは高額だろうからいい家借りられるだろう」なんて思っては絶対にいけません。
鳩・カラス・ヤモリが侵入してくるのは日常茶飯事。
もちろんジェネレーターもついていない物件でしょうから突然の停電とエアコンの効かない室内に耐えうる精神力が必要です。
日本と同等の家を借りたければ、東京都23区中心部の家賃相場を調べてみてください。その金額とほぼ同じか、もしくはそこに2.3万円上乗せした金額を出せれば上記問題は全て解決できます。
後編に続きます。