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精神と肉体をテキスタイルで表現するビダイセイ
精神と肉体をテキスタイルで表現するビダイセイ、林谷美香を訪ねる。
山形市の中心街にある小学校をリノベーションしたクリエイティブセンターにあるアトリエで初対面し、作業している時に声をかけ取材許可をいただいた。
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山形県山形市で生まれ、2010年に高校を卒業。2019年で美大へ入学。
その間、2010年にブライダルの専門学校入学し中退、在学中にパーソナルカラー検定2級、色彩検定3級を取得。2012年に色彩関係の仕事に就くためにネイリストの勉強と事務員を両立。2016年に東京に拠点を移し、映画やドラマのエキストラとして参加。2017年に山形へ戻り映画のエキストラとしての参加を機に東北芸術工科大学の生徒と出会い、芸工祭で生徒の作品をみて美術に興味を持つ。2018年に聴講生となりその年に受験、2019年に入学。
現在、大学四年生として2月公開の卒業制作に勤しんでいる。大学ではアーティストの卵の育成機関であるTIPに所属し期待と注目を集めた存在である。
代表作
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繊維で作られた細胞をモチーフにした作品は2022年に作られ4月に公開された。テキスタイルでできた作品で、よく見ると中に手紙が入っている、なぜ入れたのか。
「手紙を書く前って自分の考えとか思いとかってあるじゃん?それを伝える手段として、アウトプットされるから内側から外へ出ていく。意識と肉体を通して物質化していく。そこの境界内と外の、別だけど繋がっているのを手紙と細胞、内臓で表現した。」
中のラブレターは考えと気持ちを表現しており、それを細胞、内臓の中に入れることによって意識と肉体が表裏一体である様を表している。心ってどこにあるのだろう?そのような疑問に美術という側面から出した一つの答えのような作品になっている。
この作品は絵画の学生と外部の人から話を聞きたいなどの反響があり、作品が絵画としてみられ始めた最初の作品で思いれがあると彼女は語った。
販売ライン、wasshoi
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「日常に愛を与えられるっていうのが服、テキスタイル、日用品の強み!」
ハグする、寄り添う、心が浮上する、踊り出す、いい1日になる。
愛すよりも愛したい、だから一人一人抱きしめたい。でもそれは叶わないから服を通して抱きしめたいと彼女は語った。そのような思いが込めたブランドを2022年9月から立ち上げ自身で染めた手ぬぐいや服を販売している。
色を混ぜるが組み合わせた色の良さが打ち消さないように生かす、感情も意識も境なんて意識せず肯定する。着てもらうことで新たな似合う色を知り、今日いう日を温めるような一品となっている。
「この色、あなたに似合うと思って!」と誰かにプレゼントしてみてはいかがでしょう。
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「言い切らないことで相手の中のいろんなものが結びついたりとかさしてその人なりの答えが出せる」
美術で人生が変わった、
「数年続けてもこれからのキャリアが予想できなくて終わりがない。答えがない無限って私にとって大好物!」
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22歳の時に事務員をやりながらネイリストをしていたが、商業的側面が強く時間内に利益を出す必要があった。自分の理想する爪先の表現のクオリティと客の求めるものにギャップがあり断念。
「自分がやりきれず適当なものを出す方が落ち込む」
19歳から26歳まで納得のいくところまで理想を追い続けられる場所を探し彷徨っていた。
ビダイセイが一生やりたい分野に出会わせてくれた、
「自分の思いとかを表現し切るまでやりきれるじゃん!美術(ここ)なら一生やれるかも」
音楽、美術かと言われたら音楽を選んでいた彼女だったが、2017年に山形で映画のエキストラの参加をしたところ、東北芸術工科大学の生徒と出会い芸工祭に誘われ学生の絵をみて美術へ惹かれるようになった。25年間、ただの三角屋根だと思っていた建物が美大と知り、2018年に聴講生となった。学生のみ受けられるアーティストマネジメントの講義をどうしても受講したく受験。4年間、様々な素材で制作に励んだ。
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これから、
現在、大学四年生である彼女は2月7日から12日に東北芸術工科大学で開催される卒業制作展覧会に向けて縦3m、横6mの作品作りに取り組んでいる。空間も人も心も包む、体全体を使って鑑賞するものになる予定だと語ってくれた。その前身となった作品と鑑賞者のコメントが次の大作の元になっているという、この作品が気になった方は是非包まれに行ってほしい。
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リンクツリー
林谷美香の制作アカウント
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販売ライン「wasshoi」アカウント
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林谷美香の所属するアーティスト集団アカウント
(ラジオ、動画、展示の情報が載っております。
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