新船の進水式！！若松・神部地区の港にて。
夏休みが始まったばかりのある日、夫が「今度、神部地区で餅まきがあるんだって！」と教えてくれました。
子どもの頃、餅まきがあると聞けば、弟と一緒に自転車で棟上げの現場へ行って、紅白餅や五円玉を拾ってたな〜とか、懐かしい光景を浮かべながら、話を最後まで聞くと、新船の進水式だというではありませんか！
「これは滅多にお目にかかれない、貴重なイベントだ！見逃すわけにはいかない！」と、私のワクワクスイッチがON！進水式の当日、二人の息子たちを連れて神部港へ向かいました。
到着したときには、すでにたくさんの人たちが集まっていました。
海の向こうを眺める人。ベストポジションを探しに、行ったり来たりする人。ソワソワする子どもたち。岸壁は、新船の入港を待つ人々の活気で賑わい、初参戦の私たち親子も、今か今かとスタンバイ。
大興奮！船が入ってきた！
しばらくすると、遠くから音楽が聞こえてきました。なんと、そのBGMは軍艦マーチ！「わぁ！進水式で軍艦マーチが流れるんだ！すごーい！」と思わず声が。音源の方へ目をやると、新船の姿が見えてきました！
音量が大きくなると共に、ピカピカの新しい船が色あざやかな大漁旗をはためかせ、岸壁へ近づいてくるではありませんか！
勢いのある軍艦マーチとともに、颯爽と突き進む新船の姿はとても勇壮で迫力があって、もう大興奮でした！
いよいよ、餅まきスタート！
岸壁に近づく新船。船上で、餅まきのスタンバイをする乗組員さんたちの様子が、すぐ目の前に見えました！
最初に飛んできたのは、赤い布で包まれた大きな物体。四隅餅（大きな餅と五百円玉入り）と呼ばれるもので、これをゲットした人は、超ラッキーなんだそうです！
そして、乗組員さんたちが紅白餅をまき始めました。飛んでくる餅の数がハンパない！まるで雨のように、ボテボテっといろんなところに落ちてくる紅白餅。
大人も子どもも、すばやく拾って袋に入れる様子は、なんと言いますか、修羅場……いやいや、とても活気のある光景でした！
私たち親子は、最初は少し遠慮がちに拾っていましたが、飛んでくる餅への反応が素早くなって、空中の餅をキャッチすることも。とにかく夢中になって餅を拾いまくりました。
一番拾っていた長男は、途中でビニール袋が破れてしまい、せっかく集めた餅がゴロゴロこぼれるというハプニングも。私と次男でフォローに入り、親子で珍プレー好プレーを繰り広げているうちに、紅白餅の雨はすっかり上がっていました。
第三十五徳丸の進水式
今回の進水式でお披露目された新船は、株式会社徳丸の「第三十五徳丸」です。そこで、広報担当の方にお話を伺いました。
ーー進水式について教えてください。
進水式とは、海上安全と商売繁盛を祈願して行われる、新船の船祝いとも言われています。最初に湾の中を３回周って海の神様に四隅餅を奉納します。神部地区集落の中央の山にある「老松神社」に向かって投げるんですよ。
ーー新しい船は、どういうタイミングで造られるんですか？
船の老朽化や、新しい機能を装備した船を造ろうかということで、計画しますね。新船は、企画から出来上がるまで数年計画で造ります。第三十五徳丸は2年ぶりの新船で、これは異例の早さです。養殖クロマグロの給餌と活魚運搬ができることが、主な特徴となっています。
ーー船ってどれも同じだと思っていましたが、いろいろな用途があるんですね！
もじゃこ漁（ブリの稚魚を天然の自然環境から採取するため）の船や、養殖ブリの給餌をする船、クロマグロの給餌をするための船など、用途によって船の機能が違います。
ーーなるほど！進水式や船のことをわかりやすく教えていただき、どうもありがとうございました！
あとがき
今回、美しい空と海を背景に、大漁旗をはためかせ、軍艦マーチとともに颯爽と突き進む新船の姿を見ることができて、とても感動しました！そして、海上安全と商売繁盛を祈願する神事、進水式を祝う地元の人々。昔から受け継がれる伝統的な儀式は、未来に残したい大切な光景だと思いました。
第三十五徳丸進水式の動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=O2nByT56Oik