実写ムーランボイコット活動は、本当に正当なのか。
こちらのブログは、私自身がはてなブログさんで書かせていただいた内容を半分程度に短縮したものになります。フルバージョンはこちらから↓
このブログは「実写ムーランが不当に批判を受け続けている件」についてです。
9/9 追記:本ブログは新疆ウイグル自治区での撮影問題については、①ブログ公開後であること、および②筆者の不勉強のため十分な情報提供できないこと、以上の理由から言及しておりません。ご了承ください。
実写版ムーランは主演女優リウ・イーフェイさんの発言を巡り、「#BoycottMulan(ムーランをボイコットしよう)」の動きがSNSで1年ほど続いています。日本でも「#ボイコットムーラン」というハッシュタグで批判する声があります。
理由としては、彼女が香港の民主主義活動に関して警察の暴力を支持した、とされています。だから彼女がムーランを演じる資格はないと。
しかし私個人は、今の批判は度を越えていると考えています。
なおかつ、彼女への批判は事実と異なっているとも考えています。
これから話す事の経緯で、世間の批判と事実はちょっと異なるんじゃないかな、と思ってもらえたら幸いです。
批判されるようになってしまった経緯
・2019年8月13日、香港デモ隊の一部が新聞記者を暴行
この事件は記憶に残っている方もいるかと思います。
当時は香港の民主主義活動が大きく取り上げらていた頃でした。
デモ隊が香港国際空港で警察と衝突する中、警察官だと疑われた新聞記者が一部のデモ隊に拘束され、暴行を加えられました。
・中国のSNS微博(Weibo)で当該記者が称賛され、デモ隊が批判される
記者が暴行される様子を報じる動画は中国上のSNSで大きく拡散されました。
「我支持香港警察,你们可以打我了。(香港警察を支持する。私を殴ればいい。)」と言い放った記者の「勇気」は中国本国で称賛され、彼に対するデモ隊の暴力は激しく批判されました。
微博上では彼の文言を用いて「# 我也支持香港警察(私も香港警察を支持する)」という声が多く上がりました。
そんな中、中国の機関紙人民日報は同14日、微博に画像付きで以下の投稿をしました。
# 我也支持香港警察#!
訳:#私も香港警察を支持する !
画像『香港警察を支持する 私を殴ればいい』
香港にとってなんて残念なんだ
そして、批判が広がる中、実写版ムーラン主演女優リウ・イーフェイさんも # 我也支持香港警察 のタグを付し、この投稿をシェアしました。(twitterで言う引用リツイート形式)
・リウ・イーフェイさんの発言が取り上げられ、批判される
意図的か偶然なのかはわかりませんが、彼女の発言が、以上の経緯から切り離されて取り上げられました。
香港警察の暴力を支持していると解釈され、ムーランを演じるにはふさわしくないと大炎上、「#BoycottMulan」が広まり、当時ハッシュタグはアメリカと香港でトレンド入りしました。
批判は加速し、発言から1年以上経った今でも続いています。
発言に至った経緯を知らず、純粋に彼女の発言を批判しているだけの人多くいますが、過激な批判がかなり目立っています。
暴力を振るう警察を彼女が支持する旨の風刺画、実写ムーランについて投稿される度ディズニー公式facebookにつく「いいね」を超える「ひどいね」の数、公式twitterのツイートにリプライされた実写ムーランのパネル(映画館によくあるタイプの)を破壊する動画とそれを称賛するリプライ、楽しみにしている人に対してかけられる「この映画なんて見るな」という言葉の数々、様々の度を超えた「批判」を見てきました。
そして私が述べたような、リウ・イーフェイさん側を擁護する人たちの情報は中々拡散されず、偏った情報ばかり流れるようになっています。
私の思い
ここまで読んでくださった方にはわかるかと思いますが、リウ・イーフェイさんの意図は批判と真逆で、暴力を反対することにあります。
文言に語弊はあります。多くの民主主義を愛する方を傷つけました。
しかし、経緯を調べたら多少は理解できるはずです。
少なくとも、今受けているような過激な批判には値しません。
自分を含め、実写ムーランを楽しみで応援している人が、何も気にせず純粋に作品を楽しめるように。
そして、実写ムーランを観たいと思った方が誤った情報により鑑賞を避けたり、残念な気持ちになってしまわないように。
そんな思いで書かせていただきました。
おわりに
ここまで私の拙い文章を読んでくださった方、本当にありがとうございます。
どんな方に読んでいただけるか分かりませんが、ただ少しでも多くの人に事実と現状を知ってほしい。それだけです。
拡散や声を上げることは二の次で構いません。
何ならこのブログを読んだうえで批判して下さっても構いません。
特に香港の人権問題に関し、私の言葉が足りないことで、もしこのブログで不快な気持ちになってしまった方がいたら、申し訳ありません。
私は香港の人権問題を軽視しているわけでは決してなく、むしろ応援しています。
だからこそ、リウ・イーフェイさんが香港警察の暴力を応援しているわけではないと伝えたいです。
ただ大好きな作品を守りたい。
そして作品を好きな人たちが安心して楽しめる世界であって欲しい。
簡単な願いですが、こんなにも難しいものかと日々痛感しています。
実写ムーランが、多くの人に愛される作品になりますように。
#SupportMulan (ムーランを支持しよう)