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自然を愛する王子と、わたしの旅の話

「mocciが好きなものは何?何に興味があるんだい?」

初めてバリ島に訪れたのは、4年前だ。

初海外偏でも書いているが、

わたしはビビり。過剰に旅前はビビりになる。なので、旅たつ前にその国をよく調べる。探偵のように行ったことある方々に聞いてまわる。

野犬が怖いとか、お釣りを騙されるとか、クラブが楽しいとか、ナイトプールが楽しいとかリゾート側面の情報が多く、またまた怯えてしまっていた。パリピばっかりだったら嫌だなぁ。。。と偏った心配を抱いて向かった。

さて、バリ島につくと初めからハプニングがおこった。その頃、まだ海外SIMの便利さに気づけてなかったわたしはポケットWIFIを持参していたが、全く反応してくれないのだ。お迎えにきてくれる人と連絡が取れない。。。案の定パニック。そしてオロオロするわたしの周りには秒で5、6人ほどのおじさまが集まった。「タクシーコッチ」「ダイジョーブダイジョーブ」など大量にいっぺんに話かけられる。こういう時に出来る女なら英語でわたし連絡取れなくて...と伝えたり、毅然とした態度でわたしはタクシーは必要ないというでしょう。

。。。大泣き。ええ。。。大泣きした。

日本語で、全部綺麗に我ら母国語で、「連絡取れへんねんもん、わたし死ぬかもしれん、怖いんです」「あかん、なんでWiFiつかへんの?なんでやと思います?」と、すがりながら訴えた。バリ島の人たちは知らないであろうバリバリの関西弁でだ。

びっくりして、引いてしまい、周りから誰もいなくなる。こんな体験なかなかないでしょう?わたしはある。みんな震えながら逃げた。わたしの涙は商売気をなくすほどにめんどくさかったらしい。

それでも、どの国でも優しい人はいる。「インフォメーションでアナウンスしてもらおう」と、おじさまが一人声をかけてくれてお姉さんとやりとりしてくれたのだ。ほんまに良い人だった。

お礼にバックパックに入ったクシャクシャの日本のお菓子を渡した。その時のわたしはチップなんて思いもよらず、迷惑にもお菓子を渡したのだ。。。反省している。

無事、お迎えの人とも出会い(遅刻してきていた)、わたしは予約していた宿についた。

が、そこでもハプニングがあった。先についていたパートナーが海で溺れた。笑えない。本気で笑えないし、なんならまた涙が吹き出す始末。結果は何事もなかったが、無知とは怖い。バリの方も誰も泳がない海で、もちろん知らずに、母なる海へ飛び込み溺れたのだ。。海外で本気で大人が怒られた。わたしたちはピーターパンなんだと思う(嘘...ピーターパンはそんなあほなことはしない...)。

やっと会えた時にはお互いヘトヘトで抱き合ってそのまま泥のように眠った。

そして、そんな波乱万丈伝もびっくりスタートのバリで、次の日にはパートナーに今日からウブドにいくからと元気に、明るく、突然告げられた(昨日の事件は寝たら忘れたらしい)。今日はそこにいくのか、ホェーと思って軽く行ったのだが、まさかそこで3日間も過ごすことになるとは...(何のために宿をとってたんだ)。

わたしたちは、ウブドにアトリエをもつアーティストの元に向かった。

アトリエはすごくかっこよくて、自然がいっぱいでわたしは興奮した。優しく迎えてくれたアーティスト夫妻とお手伝いの方々。みなさんハニカミながら柔らかい声で挨拶をしてくれる。素敵なチーム。

そこには色んな国のアーティストの方が遊びにきていて、色んな話をしていた。わたしは英語が苦手で、時々通訳してもらいながらその輪にいたんだけど、会話が止まるのは悪いなーと思ってアトリエの中にある作品を色々見ていた。それは、もう。。すごく興味深いものばかりで熱心にみるわたしにアーティスト本人が、好き?と聞いてくれた。うん!と答えると、英語が話せないわたしのために一から作品の作りかたを見せてくれ、本当のバリはこうなんだと白黒のフィルム映像を見せてくれた。

熱心にのめりこむわたしと一生懸命伝えてくれる彼。彼は会話の序盤から「mocciが好きなものは何?何に興味があるんだい?」て聞いてきた。

彼はわたしが歴史やその背景、それに繋がる数多くの問題に興味があることを言葉を超えて伝えて(言葉は超えれないかもしれないけど)、理解してくれようと彼も応えてくれた。

日本にいると、何歳?大学は?職業は?だいたいこの質問から聞かれる。

でも、彼にとっては、わたしが何に興味があるかの方が重要で、そのことについて話たいと前のめりになってくれた。

話終わる頃には、わたしは彼の大ファンになっていた。大ファンというかココロから尊敬していた。

彼と話す中で、わたしは自分が改めて、お金には変えられない体験をすることが大好きだと思った。自分の国を愛し、自然を愛し、従業員の幸せを願い、優しく声をかける彼を見て、本当の強さを優しさを見せつけれていた。

その日の夜、他の人たちに彼はバリの一つの王国の王子さまなんだよと言われた。全然驚かなかった。彼は自分以外の人への尊敬の気持ちが大きい人だと一日で体いっぱい感じていた。自然も尊敬し、とても愛している。彼はバリの人は本当は穏やかな人たちなんだよってハニカミながら教えてくれた。

自然を守ることで彼はこの国のアイディンティティを守りたいと思ってるんだと思っていた。だから、すっと受け入れることができた。

初めてのバリは生まれ変われるような、くるっと包みこんでくれるような感じだった。

ちなみにパリピとは一人も出会わなかった。旅に出る前のわたしに注意しておこう。。。

旅たつ前のビビり癖はまだ治らないけど、旅が好き。それは隣街でもいい。

わたしの当たり前をガラッと変えてくれたり、優しい人は必ずいることをいつも旅は教えてくれる。

ああ、また早く旅に出たい。

そして、自分もそういう場所、人が優しい気持ちになれたり、帰ってきたいと思える場所を、こう言った文章やリアルなイベントや色んな形でつくっていきたい。


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