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flop CB CO vs HJ 4bpの形をしたバレンタインチョコ

 免責事項:自分自身の勉強を兼ねており、不適切な記述や冗長な記述が含まれる可能性があります。

 4bpの集合分析をしましょう。blind positionでない多くの4bpに援用できると思います。


 まずレンジを眺めます。Linear レンジを持つ3bpをさらに過激にしたような形になっていますね。しかし全体の構造は変わらないので、同じノリでやっていきましょう。特徴的なのは、COのレンジがあまりに弱すぎるのか、AAを一部コールに回して補強している点でしょうか。

 ただし、相手がどのようなレンジ構成になっているかは非常によく検討すべきと思います。4betではAAを全部入れている人は少なくなく、KXs,JJ,TTがSolutionほど入っているとはあまり思えません。私の知る限りでは、ミドルステークスくらいでも4bpが崩れているようです。
 2bpでの均衡知識が有益なのは、おおむね相手も同じレンジを採用すると仮定でき、一部のズレによって激しい分岐が起きないと想定できるからで、4bpでは総コンボ数が少ない分、相手のレンジの変化に対して均衡が激しく変化するはずです。
 したがって、このレンジ対における均衡固有の現象と考えられる細かい事象が一般的に使える知識なのかは、かなり疑わしいです。

 こちらもGTOWの50nl GTO-GTOと比較すると狭めなので、それによる応答の変化を予想できるようになるとよさそうです。

HJ (OOP, raiser)
CO (IP, caller)

  以下はランクの存在率の差分です。やはり特徴的なのはA,Kで、MPの方が30%も多く持っています。そんなわけでA,K highはraiser側にド有利です。
 Turnについては、かなり多くのボードでKが落ちるとraiser有利になります。Aはcallerが耐えてることが多く、止まる頻度が結構あります。Q,J,Tは色々で、9以下はflushに関わらない限り大抵ラグです。

raiser rank % - caller rank %

用語

 本稿で用いられる可能性があるが、あまり一般的でない用語です。

A/H/M/L:それぞれA/K,Q,J,T/9,8,7,6/5,4,3,2を指す。
1st/2nd/3rd:ボードのハイランクを1st,中位ランクを2nd,下位ランクを3rdと呼ぶ。
?/?/?/?:プレーラインのこと。flopをスタートとし、例えばb/c/x/b/r/fならflop oop bet ipcall turn oop check ip bet oop raise ip foldというラインが取られたということ。
n gap:1st-2ndまたは2nd-3rdのインターバルのうち、最小のものをn gapと呼ぶ。kq5は0 gapである。
Sc:straightを完成させるようなハンドが(レンジに関わらず)少なくとも一組存在するボードを指す。
下位n%:下位n%のハンドを捨てると書いている場合、純粋なEQ下位n%でなく、優秀なブロッカーハンドは耐えてweak pairを捨てている場合が多い。

M. Acevedo『現代ポーカー理論』などによる

1 - monotone

 2bp,3bpと最も異なるのがmonotoneです。まず興味深い点として、40%をメインに採用します。さらに面白いのは、AKX, AML, AMM, ALLでいきなりjamる場合があることです。場合分けしていきましょう。

monotone

AKX, AML, AMM, ALL

AsKs5s

 濃い青がjamです。2 pair, TP, pp, nut FD, weak FDで頻度があります。WTSDしたいならオールインすればいいじゃないが許されるロイヤルなボードです。

A high, K high, Q high

 A high、K high、Q highの戦略に合流します。IPのflushで確かにEVは下がっていますが、ボードのA,K自体が強flushをブロックしていてコンボが少ないため、2bpとは別ゲーです。
 Q highに関しては2ndを問わず40%を選択します。QsJsXsもQsTsXsもCallerが不快なブロッカーになっているからでしょう。

UJ high

 例えばQ highの場合、OOPはQQをフルでレンジに抱えており、IPにのみ存在するAQsをブロックするため、OOPのレンジが強くなります。一方、J highの場合、OOPのXJsが全滅し、setのコンボも限られるため、IP側がナッツアドバンテージを持ちます。その結果、極端な差が生じているのだと考えられます。
 また、1stが小さくなるにつれ、IPからもsetのコンボが消滅しflush+ラグという構成になるため、レンジとして強いOOPのbet頻度が上昇する、という構造になります。

 なお、40%を打つ場合はヤケクソ気味になんでも打ちます。例えばQs7s6sでもKdTdみたいなのを打ちます。callされたらペアを拾わない限り諦めます。ムズッ

2 - A,K high

A high

A high

 A highの場合、checkを0%にします。20%betを75%打ちます。2ndがQ,J,Tの場合レンジで20%として良いでしょう。2ndが9以下 or AAX or AKXなら30%で40%betをします。

K high

K high

 K highの場合、checkを0%にします。40%betを75%打ちます。2ndがQ,Jの場合50%で20%betを行います。2ndがT以下 or KKXならレンジで40%betとして良いでしょう。

 bet頻度の差は以下の典型的なEQ分布と、オーバーカードに対するケアで説明がつくと考えられます。K highの場合レンジが著しく優位で、ナッツアドバンテージもOOPが持っているので、ハイサイズが肯定されるのだと思います。

AT7r, KT7r

 また、両者において2ndのQとJがbet頻度を下げる要因になっているのは画像から明らかですが、A,KとQ,Jからそれぞれ一枚ずつ選んだ場合、どの場合においてもcallerのAQs~KTsにgutshotが付くかTPになるかのEQボーナスがあるからだと考えられます。逆に言えば、これくらいしかCaller側の楽しみがないともいえるかもしれません。
 ここが十分にcallできていない場合(AQsとKQsしかないような)、サイズを上げることがexploitになると思います。

Turn

 A,Kで継続率が高いです。Scでもほとんど関係ないですね。

K52tt b40/c x freq (max=74.78)

 また、TurnでKJTXの形になった場合は、raiser側のcheck頻度が非常に高まります。

3 - UQ high

 レンジのOverpairの優位性を使ってpolarをやるやつです。

Q high

Q high

 Q highはbet頻度高いので分離します。K highの20% betをcheckに置換したら大体OKと覚えます。A,Kと異なりレンジ優位が縮小するからですね。2ndがJかTの場合、似たような理屈で20%bet頻度が出現します。

Q84r

UJ high

 UJ highでは50%で40%betを行います。

 大抵の場合、polarは強EQ群とtrashよりは強い弱EQ群からなります。よくある構成ですね。callerはBMCBをレンジ全体で高頻度で打ち、raiserは同じ群でAIを返します。callerはAKまでcallします。

Turn

 TurnではAが落ちると不利、Kが落ちると有利、その他は強EQで継続となります。40% betでKXsがindifferent以下に追い込まれており、気合A high callとポケットしか残っていないことがほとんどなのが原因です。Aが均衡より多く落ちてるなら、もちろんAもKと同様に打てるでしょう。

b40/c turn x freq

Scの処理

 以上の図はScボードをすべて抜いていました。あまりがこれです。

monotoneでないSc

 9 high以下の場合bet頻度がやや低下しますが、無視して潰しても問題なさそう。JThighでは結構影響がありますね。

 A~Q highは非常に細かく変化しており、相手のレンジに著しく影響を受けていることが見て取れます。例えばKQTではpolarを選択しますが、KJTではレンジの優位がかなり縮小し、5割もチェックを選んでいます。

 とはいえ、先述の通り、これを覚えてもあまり利益的でないように思われます。相手のレンジがポケットに偏っているという一般的なリークを加味すると、むしろKQTの方が相手のレンジが強そうに見えます。よくわかんないので判断は保留します。

 相手が多少崩れてても使えそうな例外がいくつかあるのでまとめて見ましょう。

JT9, T98

 このハイパー連結ボードではチェック頻度が極めて高まります。QJTだとレンジになり20も打てるのはKの優位のせいでしょう。

QT8, JT8

 trash以外で6割頻度くらいでjamします。なんこれ

U5 high Sc

 U5 highかつScのボードでは3割をjamします。一方的にSDを多く持っててそれ以外にボードがレンジに干渉しないのが偉いんだと思います。K high FDより強いとこで万遍なく行います。nutsはとっときます。

鳴き声

 4bp、コンボ少ないだけに構造が単純で(解釈がしやすい)、集合分析やってみるか、でやるのにちょうどいい対象な気がします。公開してませんがBB 3bpの集合分析から行ったため、これをあと4ポジションくらいはやらないといけないかもしれない事実に気が狂いそうになっていましたが、ひょっとしたらBB3から始めた私がクソアホだっただけなのかもしれません。

 レンジの歪みに関する調査は優先度高いと思いました。OOPにQQ+しか入ってないとか普通にある気がします。その内4bp集合分析 - 歪み考慮編を書く予定です。

参考文献

 god note…記述の参考にしました。

レンジに特定の数字が何個、何割あるかわかる表 - note

釦ゆうり@ポーカーVtuber 

 存在率のグラフはこちらから引用しました(現在閲覧不可)。

 今回jamを選択肢に入れるために回しなおしましたが、設定はこちらのファイルを参考にしています。無料で配布してたの偉大すぎる


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