Live2D初心者がVTuberモデルを作る
初心者でも本気出したら3日でモデルが作れたので共有です。
記事の目的
思ったよりスムーズに、いい出来のものが作れたから見てほしい。
全くの初心者がモデルを作るにあたり、どのくらいの時間がかかるかの参考にしてもらう。
初心者がVTuberモデルを作るにあたって、どこのサイトで手順を学習し、作業したかを共有する。
(あくまでここでは、「どこのサイトで学んだか」を記載するだけで、具体的な操作方法は記載しない)
作る前の私の知識 と 完成したモデル
作る前に私が持っていた知識
お絵かきはするので、イラストについてはなんとなくわかる。
Live2Dに関する知識は皆無。
VTuberや同人ゲームで、Live2Dを使った作品を見ることはよくある。中学の頃に動画編集ソフト(NiVE)を、大学のときにUnityを触ったことがあるため、「2点のイラストを決めて、その間を補間してアニメーションをつくる」というLive2Dの基礎となる考え方はすんなり理解できた。
作りたいモデル
基本はバストアップで映すため、身体は手足は動かなくても良い。
上下左右を向くことができる、目線が動く、口が動く、髪が揺れる、あたりは実装したい。
お金はかけたくない
Live2DのFree版を使うという手もあったけど、結構制約が多そうなので、Pro版の試用期間(42日は無料)で作成した。ちなみにこれ以降は1ヶ月2200円くらいかかる。安くないね…
完成したモデル
モデルは作ったけど、トラッキングソフト(VTubeStudio)の使い方や調整はできていないので、動きが洗練されていないことには目を瞑ってください。
各日の作業内容(ざっくり)とその成果
冒頭の3日というのは誇張です、4日かかりました。いや、でも土曜の-1時から作業開始と考えれば3日で完成しました。
あと、記載している作業時間は、ご飯とかの時間も含んでいるので、あくまで目安としてもらえればと。
0日目(金曜日、夜の2時間ほど作業)
イラスト原案を作成。
もともとキャラデザはあったため、デザインを考える時間は含まれていないです。
1日目(土曜日、8時間ほど作業)
イラストを作成した。パーツごとに分けながら、昨日のイラストを修正、仕上げていった。
2日目(日曜日、8時間ほど作業)
Live2Dをインストール & 学びながら作業をし、「まばたき」「目線を動かす」「口の動き」「顔の動き」を実装。
この時点でだいぶVTuberっぽい。
3日目(月曜日、4時間ほど作業)
身体のX, Y, Z軸動きを作成 + Z軸に傾いたときに、髪もかたむくように設定。
さらに、髪を物理演算で動くようにして、最後に呼吸パラメータを追加(小さすぎたから、後で修正したい)。
ここでモデル自体は完成。
昨日の動画と比べると、「髪が揺れている」「上下左右を向いた時、身体も動いている」ことがわかるはず。わかって。
4日目(火曜日、1時間ほど作業)
Live2Dをトラッキングして動かすVTubeStudioについてお勉強し、モデルを実際に動かしてみた(→「完成したモデル」で示した状態に)。
作成手順と参考にしたサイト
0日目:イラスト原案作成
クリスタで作業。特に参考にしたサイトはなし。
【0日目の反省点】
最初にクリスタの3Dモデルを使って立ち絵のラフを描いたが、先述の通り、ちょっとプロポーションが可愛くなかった。足を長くして腰の位置をあげて、上半身を小さくしたらいい感じになった。(これはLive2Dの話ではなく、私のイラスト能力の問題)
1日目:イラスト作成
以下の2つのサイトを参考にして、パーツを分けながらイラストを描いた。
今回のイラストは左右対称なデザインなため、基本は対象定規を使って描き、後で細かい部分を修正した。
ちなみに分割したパーツを色分けするとこんな感じ。
パーカーの紐やパンツの紐を物理演算で揺らしたかったので、パーツ分けをしている。
今回のモデルでは、腕と腰より下を動かさなかったから、結果的にこのあたりのパーツ分けは不要だった。それ以外は特に反省点はなし。
顔のパーツ分けはこんな感じ。画像には表示してないけど、「い」の口を作るための下の歯もある。
先ほどの上で紹介した2つのリンクでは、虹彩と瞳孔を一つにまとめていたが、今回は分けて作った。後に追加実装したいと考えている「驚き」の表情で瞳孔を大きくしたかったので。
【1日目の反省点①】
右目に「目_左」というレイヤ名をつけていた。
Live2Dでは、キャラクターから見た方向で「右」「左」が定義されている。イラストで右側にある目(つまり左目)に「目_右」と名前をつけると、後々めちゃくちゃ混乱するので注意。
【1日目の反省点②】
この段階で、下の2つのラフイラストを作成しておいたら、後々の作業がスムーズだったな~と感じた。
目を瞑ったときの形
口を変形させた際の形
というのも、Live2Dで目を瞑りたい場合、上まぶた(下画像の緑●がいくつもつながっているライン)をメッシュ変形して、目を瞑った形に整形する必要がある。
先に目を瞑った形の下絵(下図の青色の部分)があれば、それと同じ形になるように整形すればいいので、作業をしやすい。
口も同様で、あいうえおの口だったり、口を閉じて笑う形などを先に描いておくと楽。では、どんな形の口を描いておけばよいか?
結果的に自分は下のツイートを参考に、11個(グレーじゃない部分)の口形状のイラストを描くことになった。Live2Dでの作業に移る前に、この画像を参考に、口パターンを作っておけばよかった。
2日目:顔の動き実装
ここからは作業ごとに参考にしたサイトを載せていきます。長いので、興味ない人は読み飛ばしてください。
① 目の動き作る
まずは、まばたきを作成した。というのもLive2D公式が「まばたきが一番Live2Dで楽しい瞬間!」とおすすめしていたから。
結果的に、ここを最初の一歩目にして大正解でした。動かし方の基礎がわかる。
ちなみに、③になるまで、左目だけ作っていった。というのは、③で反転コピーして右目にしたかったからだ。
② 目線の動きを作る
いわゆるキョロキョロする表現。
ここでは、↓のサイト③を参考に作成した。というか、これからの作業はだいたいここを参考にしている。広大ゲーム制作同好会さん、ありがとうございます。
でも、Live2D初心者すぎて、↑のサイトではちょっと分からない点があったので、↓のサイトも参考にした。
ここで、目の動きがだいたい完成したが、一つ気になることが。「笑顔」っていつ作ればいいんだろう?
ということで、次の動画を見てチェック。どうやら、完成した後にでも追加できるみたいなので、自分は後回しにした。
③ 目を反転コピー
左目の動きが完成したので、反転コピーして右目を作る。
ということで、色々調べてたんだけど、結構なサイトが「反転デフォーマーを作成して~」と、「反転デフォーマー」を準備出来る前提で話を勧めてくる。こっちは反転どころか、普通のデフォーマーもわからないのに。
下のサイトは、そんな初心者にもわかりやすかったのでおすすめ。
(ちなみに、デフォーマーをなんとなく理解したのは、身体のX・Y軸動きを設定したあたり。つまり相当後です。)
④ 口の動きを作る
口の動きを作っていく。
いつもの通り、広大さんのサイト⑤を参考に作成…
しようとしたが、初心者すぎてメッシュの切り方とかよくわからなかった。ので、下のサイトの「オーソドックスな作り方」を見た後で、広大さんのサイトを参考に作成した。
で、ここからは当時は参考にしていなかったが、後から見ればよかったと公開した動画を紹介。下のLive2Dの公式動画の6:30~で口の作り方を説明している。ここを見ておけば、もっとスムーズに進められたかなと。特に口内(口の背景のピンク色の部分)の扱いがわからなかったので…。
【2日目の反省点】
「四隅のフォームを自動生成」を安易に使うべきではなかった!
こっちの反省点は結構ちゃんとした反省点。目線をつくるとき、X軸・Y軸の四隅を自動生成していい感じになった…けど、とりあえず使うべきではなかった。
目の場合は四隅にあたるパラメータを作ってなかったから自動生成してもらえると嬉しいけど、口の場合は四隅にあたるパラメータをちゃんと作ってたから、自動生成すると勝手に上書きされて困る!具体的には、せっかく作った口変形1・口開閉1のパラメータとかが消えちゃた。
上の説明が伝わらなくても、「四隅を自動生成を安易に使わない」ということだけ伝えたい。
⑤ 顔の動きを作る
これをやれば、上下左右が向けるようになる。一瞬で終わるから感動した。
もちろん、参考にしたのは広大さんのサイトの⑥。
ちなみに、ここで顔の動きを設定する際に各パーツに「移動レベル」というものがあるが、顔パーツはほとんど0に設定した。
これであってたのかな…?
3日目:身体と髪の動き実装
① Z軸の動きを作る
いつもの広大様のサイトの⑨を参考にZ軸の動きを作る。
サイトの順番通りにやらなかった理由…は特にないけど、⑦髪とか⑧XY軸の動きとかはなんか大変そうで後回しにした。
ちなみに、デフォルトだと-30~30までパラメータがあるが、自分は顔の最大傾き角を20°に設定した。
「20°あれば十分でしょ」&「傾ける角度が小さいほうが楽そう」が理由。
② 髪の動きを作る+物理演算を作る
いまのままだと下のように頭と髪が一緒に動いてしまう。ということで、髪をメッシュ変形して、「傾いたときの髪」をつくる。
ということで、いつもの広大サークル様のサイト⑦を参考に、髪が傾くようにする。
髪が傾いたら揺らしたくなるもの。自分はこのタイミングで、髪とパーカーの紐の物理演算設定をした。
物理演算は公式リファレンスと動画を参考にした。
③ X、Y軸の動きを作る
面倒くさがっていたX、Y軸の動きを作成。いつもの広大さんのサイト⑧を参考にしました。
さっきも言ったけど、このあたりでデフォーマーがなんとなく分かってきた。
④ 呼吸パラメータを作る
最後に呼吸パラメータを作成した。呼吸パラメータってのは、息を吸うのに合わせて、肩をゆっくり上下させるパラメータ。
参考にしたのは以下のサイト。
ちなみに、自分が設定したら「ぜーはーぜーはー」してるように見えたので弱めにしたが、多分弱くしすぎた…いつか修正するかも。
ここで、モデルがひとまず完成!
4日目:VTubeStudio設定
最後に、VTubeStudioというトラッキングソフト(顔に合わせてVTuberモデルを作成するソフト)の設定をして終了。
この設定方法についても、広大のゲーム制作同好会様のサイトを参考にして作りました。本当に良いサイト。
まとめと宣伝
まとめ
という感じで、土日+αを使えば、VTuberモデルが作成できました。
感想や振り返り↓
初心者でもなんとなくで使えるLive2Dは偉大!
VTuberモデルの作り方を紹介してくれるサイトはいろいろあっても、初心者も理解できるように優しく一から十まで説明してくれるサイトはなかなか見つからない…そういった中で、広島大学ゲーム制作同好会さんのサイトはめちゃくちゃわかりやすかったです。本当に助かりました。
Youtubeの作成動画を参考にするときは、動画投稿日を見ましょう。現行バージョンとは違う手順・方法で実装しているときがあって、混乱した。
参考書を買わなくても & 無料の試用期間でもモデルは作れる。けど、長い事使っていこうと思う人は、最初から本買ったほうが良いかも。デフォーマーの階層構造とかグチャグチャで、あとで拡張しようとすると苦労しそう…。
楽しかったけど、作業は大変。Live2D搭載の同人ゲーム作ってくれる人たちへの感謝の気持ちが増しました。
大変ではあったけど、達成感あって楽しいので、興味がある人はVTuberモデルを作ってみよう!
宣伝
① 実際にモデルを使ってくれた配信の宣伝
こんな感じで使ってもらえました。VTubeStudioの設定は配信者本人にやってもらったので、自分が設定したときよりもきれいに動いてる。
見てみて!
② VTuberモデルを自作した声優さんの宣伝
自分がLive2DのVTuberモデルを作りたい、と思ったきっかけである武田羅梨沙多胡さんの宣伝を。
ハイパークリエイティブでお絵かきが上手くて動画編集もできる声優さんなのですが、気がついたらVTuberモデルを自作してヴァーチャルになってた。
配信のたびに新規の待機画面や衣装差分が追加されてたり、モデルの動きがアップデートされてたり、とどまるところをしらない。
あと、かわいくて話も面白い。絵もうまい。
もうすぐ1周年を迎えるので、古参面するためにフォローしとこう!
オススメの配信回。このサムネイラストもこの配信のための描き下ろし!
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