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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。

目が王の観劇おぼえがき『FORMOSA!!』2024年12月

【概要】

2024/12/2~11梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、2025/1/8 ~13KAAT神奈川芸術劇場にて公演された、『西洋奇譚FORMOSA!!(フォルモサ)―空想世界の歩き方―』(宝塚歌劇団雪組)について、2024/12/6に梅田芸術劇場で観劇した記憶をもとに書いたものです。

【はじめに】

2024年の雪組ベルばら公演をきっかけに、宝塚を観るようになりました。そして今回が、2回目の生観劇でした。アンドレ役で好きになった縣千(あがた せん)さんが主演されるから、どうしてもどうしても観たくて、フォロワーさんにチケットを譲っていただきました。心から感謝しています。その節は本当にありがとうございました。

LIVE配信があるということは、いずれどこかで、再びお目にかかれるかもしれないけれど、この、好きな俳優さんの主演舞台を観ることができたこの気持ちを、どこかに書き残しておきたく、いちヲタクはキーボードをたたきました。(その結果が8千字。クソ長い。どうしてこうなった)

【注意】

 以下、本編についてネタバレを多く含みます。
 また、筆者はヲタクです。アニヲタ経由ドルヲタ、なかでも重めの“ベルサイユのばら”ヲタクです。感想の一部で急にヲタ語りが始まります。ベルばらのネタバレも含みます。


【表記について】

 “1-1”表記は、第1幕・第1場を意図したもの。ただし筆者は1度しか観劇していない記憶を頼りに記載しているため、内容は誤っている可能性がある。信用しないでいただきたい。
 なるべくおぼえがき部分と感想とで、分けて書いた(つもり)。
 誤字脱字、内容に関する著しい誤りがあった場合、ご指摘いただける助かります。

【追記情報】

 *BDなど視聴し、記載内容に改変を加えて場合はその旨ここに記載(するかもしれない)

【本編おぼえがき】

≪第一幕≫


1-1 シェリルの語り/少年時代
 初っ端から音彩ちゃんの語り。ジャン少年が、宝塚式成長シーン(役者2人が回転したら大きく成長してるってやつ)で、ジャン少年→ジャン青年→縣ジャンに(2段階だったよね?)。
 ジャンの(たぶん本当の?)生い立ちがわかる流れ。
 両親がいなくなったのはきっと本当で、修道院に引き取られて、そこには本がたくさんあって、つらい現実を生き抜く術として空想が好きになった、ジャン少年。

感想*ミュージカルって急に始まるんだな!?なんか歌いながら始まるもんかと思ったらいきなり本編の語り。出だしから音彩シェリルちゃんの声が聞けた〜!大好き〜!おとぎ話風に、楽しそうなところ、悲しそうなところと、わざと大げさに読んでくれてて、こっちもちゃんと物語に引き込まれました。

フォルモサの服を着た人々が後ろで踊っていたけど、台湾の民族衣装って中国系の旗袍(チーパオ)的な民族衣装と違うのね。なんか、アジア系と中華系と中東っぽさが混じっていて可愛い。

生い立ちの時点でこのヲタクが好きな要素てんこ盛りなの、たまりませんね。


1-2 プロローグ/メリヤンダノーの革命のこと
 と思ったら、いつの間にかヌルッと、フォルモサの歴史へと話が移行していた。

 メリヤンダノー(武官?の謀反人。もふもふ衣装)が后妃(まばゆいキラキラ衣装)をたぶらかしたうえで、皇帝を謀り、お后もろとも皇帝を殺害。

感想*空想の話がテーマの舞台だし、死人は出んだろと思ってたら、開始からものの数分であっという間に2人死んだんだが!?しかもガッツリ喉をかっ切られてなかったか!?最後に頭を銃で撃ち抜いて誰か(たぶんメリヤンダノー?)が死んだけど、びっくりしちゃって誰だったか聞き逃しちゃった。

1-2B 1706年・ロンドン
 憲兵にボコボコに殴られ蹴られ、ぼろぼろの身なりの縣ジャン。華世イネスがジャンにフォルモサについて問う。ジャンは、イネスにフォルモサのことを話すうち、だんだんと顔が生き生きとしてくる。

ジャン「フォルモサ語は20文字のアルファベットで表記される。すべての名詞には男性名詞と女性名詞があり、無生物はすべて中性名詞だ。云々」

イネス「では、これを王妃様に献上するから、同じ文章をフォルモサ語で翻訳してみろ。簡単にやっていたんだ。できるだろ?1枚目を見ずにだ」
 イネスにうまくやり込められて、嘘を見破られたジャン。そこから、イネスの策略に乗る形で、2人は手を組むことに。

感想*ぼろぼろになった縣ジャン、本当にぼろぼろ衣装すぎてさっきのキービジュ衣装との落差がやばい。というか殴られ縣ジャン、演技上手くてハラハラした。痛そうに見える…。語りのエンジンがかかってからのジャンは、セリフ聞いてると本当に面白いし、目がきらっきらしてるとこ、ホント良い。スラスラ~と嘘ばっかり!笑 ジャン、セリフの端々から語学に対する知識量が半端じゃないの、図書館で本を読みこんだあともずっと勉強を続けてきたんでしょうね。
 華世イネス、こんな悪い演技もできちゃうんですか!?2024年ベルばらでベルナール、新公ではアンドレやってた方でしょ?やさおとは違う魅力があるって素敵。


1-3 イネスの部屋
 希翠ラウダーと華世イネスが密談。ジャンをうまいこと使って、イギリス国教会から寄付金を巻き上げる算段らしい。
1-4 審問室
1-5 宮殿・議会
 議会で2派閥が対立中。アン王女は車椅子での登場。歩くと足が痛む演技。17世紀末、英仏の争いが続くなか、講和の道もあるのでは…?という議会の意見を真っ向無視して、戦争は続く。

感想*アン王女はかなり史実通り。太りすぎて歩けない輿で移動してたらしいね。意外と気が弱くて(声が大きめの)世論に押し切られたいう演出?(足の痛みは酒の飲みすぎで痛風だったとか。酒におぼれたのにも悲しい理由があるんだけどね。十何人子供を産んで、皆、大きくなる前に亡くなったとか。しんどいよ、そりゃあ酒に逃げたくもなるよ)
 舞台は1700年代頭、本当にイギリスとバチバチにやり合ってて草

1-6 ロンドンのアジト
1-7 公開討論
 縣サルマナザールが、アジアの国『フォルモサ』について堂々と説明していく。サルマナザールの目がキラッキラしててまぶしい。
1-8 シェリルの家
 天文学者・蒼波ハレー、久城オリバー、音彩シェリル、星沢メイベルで、話題の人、サルマナザールとフォルモサの話してる。
シェリル「会ってみたい!(パパと会わせてみたい?)」
からの、バーメイドに化けて潜入作戦を企てる。


1-9 ペンブローク・コーヒーハウス
 シンセサイザー?バキバキにポップな楽曲に合わせて歌い踊るバーメイド(ミニスカ、袖フリル、ハイヒール)と客の学者たち。そこで紹介される縣サルマナザール。ここでもフォルモサの知識を披露。
 サルマナザール「睡眠時間は3時間でいい」
とか言ってて、資料を読み込んで勉強してることがちゃんとわかるようになっている。

1-10 コーヒーハウス・裏
シェリルとメイベルもバーメイドの恰好(本物のメイドさんたちと違い、膝と靴にリボンを結んでいる)をして、潜入
シェリ・メイ「遅番なの!」「一緒に来て!(来てと言いつつ引っ張て行く)」
サルマナザール「君たち遅番はいいの!?」

感想*ハレー氏、まさか、後でまた出てくるキーキャラとはね。
 コーヒーハウスのシーンで上手側端のテーブルにいたメガネ男子がとっても顔小さくて、シュッとしててかっこよかった。誰かな?上手側席だったもんだから、舞台中央の縣サルマナザールたちを見つつ、チラチラ視界の端で追ってしまった。ガッツリガニ股で貧乏ゆすりしてたり、メイドに絡んだり、男の子にしか見えなかった。
 で、衣装と音楽よ。
 衣装:バーメイドがミニスカ。がっつり(?)歴史モノじゃない舞台だし、ここはフィクション全開で話が進むとこだし、そういう演出もあるんだと思うと面白かった。しかも、このメイド衣装さ、スカート前が長いこの感じ、たぶん雪組公演の『CITY HUNTER』のときの猫耳メイドさんの衣装をアレンジしたやつだと思う。すごく可愛いね。肘の返しフリルがダンスで回転するたびにひらんってしてすごくいい。ダンスに合う。

あと、音楽もなんか現代チックでホラ吹き放題で、そもそもペテン師が主役のストーリーだし、こうやって合わせるのもアリなんだ!面白いな〜!と。

1-11 シェリルの家
 地理学者、久城オリバーに呼び出され、論説の綻び(日本から200海里じゃなくてせいぜい130-140海里だろ)からフォルモサに関する嘘が暴かれた。しかし、オリバーはそれを指摘する気はない、ただ話してみたかったんだと放免。

感想*素人は騙せても専門家は騙せないってこと〜!これはもう他の専門家たちにバレるのも時間の問題かな。

1-12 ロンドンのアジト
 もう嘘はやめたい、でも戻れない、雑草でも花を咲かせたい、綺麗でなくていいから特別な花を 的な歌を歌ってた。
 盛り上がった瞬間に幕

感想* 妄想ワールド再び全開。フォルモサの精達も出てきて、縣を囲み踊ってた。オリバーとの会話を経て、心持ち変わるところがあったか?と思ったけど、やっぱフォルモサの嘘は続けるってことのよう。とまどいを経て、目が真っ黒になり(アニメの見過ぎ)、次の瞬間には縣サルマナザールの目が怖いほどらんらんとした輝きを宿していて。
 ねえサルマナザール、さっきまでの迷いはなんだったの?開き直ってったってこと!?

≪第二幕≫

2-1フォルモサの妖精達
 フォルモサの話をするところから始まり。

感想**一幕終わりで一瞬、いつまで嘘を?もうやめたほうがいい?ってなっていたが、開き直ってからは、トントン拍子で話が進む上、空想上の革命家が、ちょいちょい現実世界に漏れてきてるんだよね。いい演出。
2-2 ロンドン教会
2-3 ロンドンのアジト
2-4 シェリルの家
 メリヤンダノーからダンスをしながらさりげなく受け取ったナイフを持って、オリバーを殺害しにシェリルの家に忍び込むサルマナザール。
 すんでのところで、シェリルに見つかりサルマナザール殺意喪失。オリバーはサルマナザールに許しを与えたうえで、オリバーに「本当の君は?」「君の生きてきた道は?」と問われ、他の誰でもない、ただのジャンであることを初めてイネス以外の人間に受け入れてもらえたサルマナザール。

感想**サルマナザールが、嘘(空想)をこね回しながら、そんな孤独感を感じてた描写あったか?ノリノリだったが?とも思ったけど、生い立ちを考慮すれば、充分推察しうる状況ではあるから理解。
 説得に応じてナイフを捨てて、こんなことがしたかったんじゃない…!みたいなシーンで、原作ベルばらのAドレによる件の殺害未遂シーンの幻覚が重なって見えて、動悸息切れ止まらなかった。いよいよ自分の脳のオシマイ具合を実感。今は別の舞台なんだってば!!
 狂気と衝動につき動かされていた縣サルマナザール。長身の男が横たわっている人間に向かってナイフを振り下ろさんとする瞬間の、あのエゴに濡れた美しさも、縣演で観られて本当によかった。
 その後の、オリバーと話すうちに泣きながら後悔の気持ちと後に引けないんだよおってなっている縣千が最高。この短時間でこんな感情の振り幅あります?あるよね、だって主役だもん。サルマナザールのときは、サルマナザールを演じてるから一人称が私なのに、ジャンの時は自信なさげに「僕は……」になるのがたまらなくいい。日本語バンザイ。
 いろいろあったうえで、オリバーはサルマナザールを抱きしめ、
 久城オリバー「また訪ねておいで」
 嘘だろ?どんだけ優しいんだよパパ。自分を殺そうとしたやつだよ!?すげえなパパ。

2-5 コーヒーハウス
 コーヒーハウス悪巧み。イネスもイネスで、あとに引けないってか、引く気がない?ペンブローク卿の方がまだ引き際わかっていそうな様子。

感想**イネスもサルマナザールと同様に、空想に飲み込まれているように受け取った。熱に浮かされているというか、面白がっているような、狂わされているような。華世京さんの演技の癖で、そう見えたのかもしれないけれど。ペンブローク卿が、ねっちりとした演技だから、キャラがかぶらないようにもしないといけないし、イネスも難しい役だな。

2-6 アジト・サルマナザールの部屋(フォルモサ誌執筆中)
 シェリル「父さんを殺しかけたこと許してないんだからね」
 サルマナザール「本当にすまなかった(申し訳ないことをした)」
 と言いつつ、しっかりオリバーパパから地理関連の資料を借りて執筆中。
 そして、現実派のシェリルにサルマナザールが空想の面白さを語っていく。
 シェリル「父と同じ地理学者(になってみたいかも)」
 からの階段でデュエット。
 サルマナザール「何を研究するの?」
 シェリル「そこまで考えてなかった!」
 という掛け合いから始まり、島や遠い国の研究、船に乗って本物のフォルモサに行くのもいいかも!とか階段のセットのところで歌い踊る。

感想**そう、元の資料はあるのよ。あった上で空想混ぜて出してんのよこの男は!!
 空想の正しい用法!人に夢を見させて、世界を広げるっていうね。ヒロインとデュエットするけど、イチャラブじゃなくて友人っぽい距離感がよかった。

2-7 フォルモサ誌の出版
 結局、フォルモサ誌は出版されて大ヒット。本を片手に爆踊りの市民。
 フォンタネー神父「その男は日本人だと言っていたが、今はフォルモサ人を名乗っている!おかしい!」
 サルマナザール「フォルモサは日本の属国だったのです!」
 少し悩む表情から、あ!とひらめき、即興の大嘘をかまして、なんとやり過ごすサルマナザール。

感想**メリヤンダノーがフォルモサを落とした方法、トロイの木馬攻撃じゃねえんだからって手法で笑った。本を持ってダンスする曲は、1幕のコーヒーハウスの時の曲をアレンジしたやつ?

2-8 宮殿・謁見の間
 とうとう来るところまで来てしまったサルマナザール。フォルモサ誌の出版を機に、ロンドンから出ようとしていたけど、イネスに先手を打たれる。
 女王「なにが欲しい?」
 イネス「では彼に市民権と称号の授与を!」
 (なんやかんやあって)
 女王「なぜ逃げるのです?あなたには責任があります!私には女王としての。あなたにはあなたの」※かなり意訳
 女王「また1週間後に」

感想**イネスに外堀を埋められちゃってんジャーン!あがれないよ、どうするのサルマナザール。女王も女王でな、世継ぎ生むために色々やったけど、どうにもならず、先の王が始めた戦争のケツを持たないといけず、しんどい立場だったていうのが分かるからなぁ。逃げるな!というセリフの重みよね。

2-9 葛藤
 もう逃げられない!このまま、ずっとフォルモサの夢をみよう?(※意訳)とイネスが宣言すると同時に、ヌルッとフォルモサの幻覚が登場。心の葛藤をサルマナザールが、フォルモサの幻覚にとらわれ、振り回されるダンスと音楽で表現される。
 幻覚の中に、シェリル(ジャンの本心の象徴?)がいて、救いを求めるようにサルマナザールが幻のシェリルに語り掛けようとした瞬間に現実に戻ってくる。
 シェリル「パパが死んだの」
 シェリルが下手にはけ、一人になったサルマナザールのところへ、ハレーがくる。
 ハレー「あなたに詐称の疑いがかかっています」
 (暗転)

感想**怒涛の展開。天文学者のハレーに嘘がバレた時点で詰みでは?

2-10 宮殿
 いよいよ「ナイト」の称号授与が…!ってところで天文学者のハレーが、待ったをかける。始まる取り調べ。

感想**あれ?さっき嘘バレたんじゃなかった?と思ったけど、ちゃっかり宮殿にいるサルマナザール。どういうこと?

2-11 ハレーの取り調べ
 ハレー「フォルモサに暖炉はあるか?」
 サルマナザール「ある」
 ハレー「では、煙突はあるか?」
 サルマナザール「もちろん、ある。石造りのね」←まっすぐに建つ煙突の身振りつき
 ハレー「それでは暖炉の中に陽が差し込むのは何時間だ?」
 サルマナザール「さあ、何年も前に祖国を出たから分からない」
 ハレー「19歳のころとフォルモサ誌にあった。十分に分別がつく年だろう?」
 書籍にしちゃったものだから、矛盾が出るわ出るわ。
 サルマナザール「……煙突は斜めについてたんだぁ!」
と明らかに今、閃いた!って顔で言うサルマナザール、本当に往生際が悪い。 
 ハレー「問の答えはひとつしかない。太陽とフォルモサの位置は変わらないからなァ!」
 全てが丸きり嘘じゃない。事実に空想を混ぜて、このフォルモサを作り上げていたんだと、ハレーがサルマナザールのこれまでに述べたフォルモサ像が空想であったことを皆の前で暴いていく。
 観念したかに見えたサルマナザール。しかし、高笑いをした後、狂気をはらんだ笑みを浮かべて周囲の人物へ語り掛ける。
 サルマナザール「フォルモサの何が聞きたい?生活のこと?衣服のこと?革命のこと?あれは何度話したっていい!」
 周りの人物からすれば、すでにサルマナザールは痛々しいようにしか見えない。誰もサルマナザールには応えない。
 ハレー「お前はフォルモサ人ではない!」
 サルマナザール「いいえ、私はフォルモサ人です」
 ハレー「お前は何者か?」
 サルマナザール「私はジョルジュ・サルマナザールです」
 最後の最後まで嘘を貫き続けるかに見えたが、数度目の問いにようやく観念して
 サルマナザール「私はフォルモサ人ではありません」
 と言いゆっくりと目を閉じる。スポットが絞られて足元→体→さいごに顔と順番に見えなくなっていく。

感想**最初のほうで言われてた、オリバー「天文学者として話をすればいいんだよ」が、まさかの最後で回収されようとは。ハレー氏が最後にこんな活躍するなんてね。
 サルマナザールの狂気具合が最高に良い。しかもサルマナザールはさいごまで本当に往生際が悪くて、そこがまたいい。

2-11 1706年・ハレーの取り調べ
 ハレーによる、イネス(と観客)に対するネタばらし。サルマナザール“は”死んだ。そして、ジャンはジャンとして生きていることが伝えられる。

2-12 数年後・ジャンの小さな家
 ぼろを着て、また何かを書いてる縣ジャン。そこにシェリルがやってくる。
 ジャン「こんななりだけど、心はすっきりしてる」
 ジャン「今はゴーストライターをやっているんだ。そいつは文才がなくてね…」
 ジャン「旅をして行った先は小人の国で…」「馬の国も…」

感想**ガリヴァー旅行記やんけ!!笑 確かに、同じ時代のイギリスの物語だよ!!嘘がバレそうになったり、殺人未遂をしたりしていたところから、この物語でハッピーエンドはないだろコレはと思っていた。まさかの、生存エンドでやった~~~!!死んでなかった~~~!!

【総括】

・縣サルマナザール 
 フォルモサの話をしてる時、本当に生き生きと話す姿が好き。徐々に自分の空想に飲み込まれる演技、上手だった。役として、空想に囚われ唆されたからとはいえ、オリバーを刺し殺し(未遂)に行ってしまったのは驚きだし、ナイフを落としてからのジャンとサルマナザールがダブってみえる演技、最高によかった。
 空想の内容と自分の本当の夢(花を咲かせたい、の的なナンバーのやつ)を語るシーンが何度かあったけど、その時どきで、目の輝かせ具合(表情)の違いが良い。それぞれの時の感情が出ていて、最後のほうになるにつれ狂気をはらんでいく感じ、よかった。
 ダンスは相変わらずキレッキレだし、縣千のところだけ重力1/6くらいになってないか?ってほどの軽やかさ。かっこいい。
 雑誌コメントにて『歌が苦手』とおっしゃっていたが、どこが??普通にうまいが??ソロで歌ってるところ、ベルばら/アンドレ役での3シーン(うち1シーンは死にぎわで歌う)しか知らないから、なんとも比較はできないけど。しっかり夢を見させていただきました。ありがとうございました。

・音彩シェリル
 今回もお声が美しい。がっつり恋愛ヒロインじゃなく、友人ヒロイン的な距離感で一緒にダンスするところ、とってもキュートで見ていて楽しかった。もっともっと出番がみたかった。

・華世イネス
 ヒロインより出番が多かった印象のあるサルマナザールの相棒。フォルモサの空想に一緒に飲まれていくさまを上手に演じられていてよかった。

【舞台装置や衣装】

 背景:月と太陽(←太陽のほうは顔がなんか、しょもくれててかわいい)のイラスト、星空、上から吊り下げるタイプの十字架、教会の柱の下のほう、柱の上のほう的なイラスト
 回転装置:階段。土壁っぽいほうと、パースが変なイラストっぽいほうとの、2面。
 いかにも手書きイラストっぽい柱や階段があったのは、空想世界ってことだからかな?作り物ですよっていう表現のひとつかなって思って見ていた。

【おわりに】

 好きな俳優さんが主役になるという破壊力にやられました。そもそもストーリー自体が、自分好みのやつだったのでね、Wパンチのどストライクってやつです。どうもありがとうございました。
 どうやらブルーレイディスクが出る?らしい?ので?買うしかねえな。(ねえ、ほんとに出る信じるよ?公式でアナウンスないけど、LIVE配信で言われてたってことは、信じるよ!?)
 次の雪組、全員集合での『ROBIN THE HERO』も楽しみにしています。


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