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推しのクラブが勝てないときに考えること②
今回の記事では推しのクラブが勝てないときに「支えるということ」について綴っていきます。この記事は「推しのクラブが勝てないときに考えることの」後半となります。前半として「勝てないときのサポーターに起きること」に触れ、サポーターの悔しい心情に起因する行動を記事にしていますのであわせて拝読いただければ幸いです。
記事を開いていただきありがとうございます。私はヴァンフォーレ甲府のサポーターをホームタウンから遠く離れた地を拠点として、主にアウェイサポーターとして10年以上応援活動をしています。サポーターをやっている中で思っていること、気になったことを記してこれからサポーターになろうとされている方やJリーグのどこかのクラブサポーター向けに1サポーターとしての考えなどが伝わればと思い記事を記していきます。拙い文章であったり、個人の考えで読んでいて共感できないことなどもあると思いますがご容赦ください。
リーグ戦で連勝街道に乗るや首位を走るなど良い時は選手やサポーターと大いに喜びを分かち合うなど素晴らしい時間を過ごすことができます。ただし、Jリーグのサポーターをしているとどのクラブを見ていても、クラブが勝てない不調のときはどうしても訪れます。たとえどんなに戦力が整っていても、監督が優秀でも常に絶好調とはいかないものです。
推しのクラブが不調に陥ると、サポーターは大きなストレスを抱えることになります。ストレスを抱えたサポーターは人を気付つけたり不快にさせる言葉を吐くようになります。(ストレスを抱えたサポーターがどのような行動をとるかについては前編に纏めています。)
推しのクラブの敗戦は試合後の1週間の仕事や生活のモチベーションの低下につながり、連敗などのクラブの不調はサポーターの心の不調となることもあります。そんな時はただただ苦しみを受け入れるのではなく、違った視点で現状をとらえることもサポーターライフを充実させるための大切な行動だと私は思います。
敗戦や連敗は結果としては悔しく受け入れがたいものですが、そんな連敗の中にも褒めるべきポイントなどもあることでしょう。クラブが勝てないこともつらい現実の1つですが、その中に光となるプラスの要素があるというのも多くの場合は現実の1つです。好調、不調の波がある中で長く、気持ちの良いサポーター生活を続けていくには他人を傷つけずに、自分に都合の良い目線を持つことは賢いスキルだといえます。
プラスの要素を振り返る
試合の中で見つけたプラスの要素を振り返ることもつらい気持ちを切り替えるのによい方法です。その場でぱっと思いつかなかったとしても試合をあえて掘り返してみて、良い点を探してみるというのも悔しいだけで終わらないためには案外悪くありません。
例えば、「選手の良かったプレーを探してみる」「新人選手の得意なプレーを探してみる・活躍を振り返る」などがその中の一つだといえます。
選手の良かったプレーを褒める
敗戦という最も悔しい結果の中でも、試合を通して振り返ってみれば何一つ楽しめないということはなく、わずかだったとしても見せ場はあったはずです。
例えば、選手個人に着目するとこのプレーが良かった、あそこで頑張っていたなといったような光る部分が見えてくるはずです。ゴールキーパーであれば、相手の決定機をファインプレーで防いだ、よい判断で相手のチャンスの芽を摘み取ったなどがあり、ディフェンダーであれば、いざという時は体を張って相手選手を封じていた、隙を見てサイドを駆け上がって攻撃参加からチャンスを何度も作っていたというようなプレーもあげられるでしょう。
ミッドフィールダーやフォワードであれば、前線からプレッシャーをかけることで相手の攻撃を遅らせたり、セカンドボールを多く拾ってポゼッションを高めたといったプレーも褒めるべき点かと思います。
敗戦には課題も多いですが、そんな中で褒められるプレーを見つけることで、言うほど悪くないということや、勝ち目はあったということに気付かされることがあります。また、よいプレーからこのプレーを生かす戦い方ができれば勝てるというようなまだ日の目を見ていない武器を発見することもあるでしょう。
選手の良いプレーを探し、それを褒めることから次節の勝利を妄想したり、歓喜に沸くスタジアムを想像することがサポーターとして闘志を燃やすことにつながることも多々あります。
新人選手の成長の機会を喜ぶ
シーズンを通していつも同じスタメン、同じ控えということがないのはどのクラブでも共通しています。シーズン中選手は怪我をすることもあり、また不調に陥ることもあります。また、連戦による疲れなどから休養を必要とすることもあります。各クラブには全試合出場やフルスタメンなど大きなけがもなく、特段の疲れも見せず、鉄人のように常にピッチに立ち続ける選手もいますがそれは別の話。
普段スタメンの選手に怪我や不調が起こると、控えにいることの多い選手がスタメンとしてピッチに立つことで、代わりに控えの枠が一枠空いたりします。また、連戦によるターンオーバーで前節でスタメンをしていた選手に代わり、控えの選手やベンチ外の選手がピッチに立つ機会を得ることがあります。
このようなときに、高卒や大卒の新人選手がピッチに立つチャンスを得ることがあります。ターンオーバーが行われても、スタメン選手の代わりでも求められるものが「勝利」であることには変わりありません。ただ、そんな勝利を手にすることができなくても、体を張って相手を止める、全力で前へ走る、チャンスクリエイトする、得点を奪うなど普段ピッチで見ることができない選手の全力プレーや限られた出場機会でアピールしてチャンスをつかもうと躍動する姿にサポーターは心躍らされます。
悔しさをバネにする
言うは易しですが、敗戦の悔しさをバネにして次節の士気を高めることができれば言うことなしです。
試合で見つかった課題を次節は解消してくれることに期待する、選手の好プレーが実を結ぶこと、そして勝利を想像するなど悔しさを晴らす未来を創造することで悪い気運を良い気運で上書きしてしまうことも、モチベーションにつながる要素になるでしょう。
ストレスをリセットする
プラスの要素を見つけて気持ちを前向きにできるのであればよいですが、長いシーズンの中では屈辱的な敗戦や前向きになれない、ただただ悔しさを引きずってしまうこともあるでしょう。
そんなときは、「気持ちを切り替える」「状況を整理する」「目的を切り替える」など、なるべくストレスから距離を取ることをお勧めします。具体的な説明をしていきたいと思います。
気持ちを切り替える
今の順位、敗戦はいくら悔やんでも変わることはありません。強く悔しいと思う気持ちはストレスになり、日常生活においても些細なことでも怒りっぽくなり、自身にとってはストレスを増幅させる、他人の心を傷つけるなど望んでいないはずの精神状態の悪化の深みにはまっていきます。このような状態が続くといずれ取り返しのつかないことをしてしまい、健全なサポーターには戻れなくなる可能性があります。
そうならないためには気持ちを切り替える必要があります。例えば、いったん冷静になって「状況を整理する」ことや、「目的を切り替える」ことが気持ちを切り替える方法だといえます。この2点については個別に項目を設けて後述していきます。
本当にどうしようもなくなる場合は、「いったんサッカーから距離を置く」というのも選択肢の一つでしょう。いったん離れることは、気持ちを切り替えるうえでは効果的な方法だといえます。
サポーターとして応援することは、日常生活の活力になったり、サポーター同士のコミュニケーションを楽しんだりメリットも多くあります。一方で、推しのクラブの不調が日常生活に過度に悪影響を与えてしまうようなことになればそれが要因となる言動や行動はとても共感を得たり、自身を前向きにさせるようなものにはならないでしょう。
そうなってしまってはサポーターとしては元も子もありません。今の状態が嫌であればいったんサッカーから離れましょう。現状から逃げていいんです。逃げることは悪いことではありません。何れクラブが調子を取り戻してきたり、健全な精神状態に戻ってまた率直にクラブを応援したくなったりしたときにまたサポーターとして戻ってきたっていいんです。いったん離れたとしても、健全にクラブを応援するサポーターをサポーター仲間は温かく迎えてくれるはずですよ。
状況を整理する
悪い意味で思い通りに行っていないとき、悔しいという気持ちが先行しがちです。こんな時悔しい気持ちが先行するのは誰しも起こり得ますし、ましてや防ぎようがありません。そうなってしまったときはいったん冷静になることをお勧めします。ここでいう冷静になるということは、悔しいことを何かにぶつけたり、飲み込んで気持ちを押さえつけたりするのではなくいったん落ち着かせるということです。
気持ちを落ち着かせることができたら、次に状況を整理してみることです。まずは、クラブがリーグ戦で勝てていないというのが置かれている状況です。ここがスタート地点で、その他の状況を整理してみます。
良い状況としては、ケガで離脱していた選手が戻ってくる、夏の補強で期待の新戦力が加入している、若手の成長が今後の勝利につながることが期待できる、カップ戦で勝ち進んでいる、敗戦はしているが上位クラブから勝ち点を奪っており潜在的な力は持っているなど、現実や期待なども少なからずあると思います。
悪い状況としては、ハイプレスの相手をかわせずボールを奪われる・ロングボール一辺倒になっている、セカンドボールが拾えない、お決まりの失点パターンがある、ケガなどで選手の離脱が目立つ、決定機を決めきれないなどが一例です。
悪い状況は気持ちを落ち着かせなくても次から次へと思い浮かぶものです。ここであえて良い状況を整理してみるとそれなりに要素は出てくるというのも事実でしょう(そうでないこともありますが・・・それでも0ということはほとんどないと思います)。良い状況と悪い状況の双方を整理してみると悪いことばかりではないことと、悲観しすぎる状況ではないことも見えてきます。状況を整理してみると少しでも気持ちを楽にすることができると思いますので、悪い要素ばかり頭に浮かぶようになった際は特におすすめの方法です。
目的を切り替える
シーズン当初はリーグ優勝する、ACLEへの出場権を獲得する、上位カテゴリへ昇格するなど高い目標と期待を持って始まる事が多いと思います。チームが不調になるとその目標の達成が難しくなったり、場合によってはシーズン最終盤を待たずして可能性が消滅してしまうということも起こりえます。
思い通りにいかない、そんな不甲斐ないとも言えるような現状を認めたくないのは分かります。私も何度もありますし、むしろ思い通りにいかないシーズンのほうが圧倒的に多いです。ただやはり、それがいまのクラブの状態であることは認めなければいけませんし時間を戻したり都合よく変わることはありません。
まだまだ当初目標の達成の可能性があるなら信じて応援して戦い続けるのがサポーターだと思いますし、応援しがいのあるシーンの一つだと思います。悔しいですが可能性が限りなく低い、もしくは消滅してしまった場合は見込みのないことにこだわってもストレスにしかならなくなります。そうなってしまうと、ずっと欲しかったはずの目の前の一勝を手にできたとしても素直に喜べなくなります。要はどう転んでもストレスにしかならなくなります。
当初目標の達成が見込めないなら目標を修正しましょう。クラブは基本的には可能性が全く潰えない限り当初目標を変えることは最後までないため、この場合変えるのは個人として、1サポーターとしての目標のことです。つまり自身の応援スタンスを修正することです。
せっかくクラブを応援するなら楽しく応援したいものです。無理な目標から、現実的な目標に修正することで、再び目の前の1勝に喜び、選手の好プレーを素直に喜び、試合を健全に楽しむことを取り戻すことができるようになるでしょう。
現実的な目標は基本的には当初目標からの下方修正したものになります。例えば優勝が無理であればシーズン6位以内、自動昇格圏が無理であればシーズン1桁順位、シーズン上位が無理であれば残留への変更などが挙げられます。
下方修正は悪いことだと聞こえる人もいるかも知れませんが、私は必ずしもそうだとは思いません。受け入れ難い目標の下方修正。目標を変えることは勇気のあるチャレンジ、そして現実を受け入れる事が出来ているということだと思います。なんの為にサポーターをやっているかと言ったら、やはり楽しみ、熱くなり、最後に歓喜するためですからね。シーズンを通して応援するなら全力で楽しめるためのスタンス作りはしっかりしておきたいものです。