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父の日

◆概要

端的に言えば「お父さんに感謝しよう」の日。アメリカのとある夫人が母の日にならって、父への感謝のために白いバラを送ったのが始まりとされている。

母の日と同様、国によって日付が異なる。

以上、インターネットより。

◆駄文

「母の日」から派生して生まれたという流れからして、「父」と「母」で扱いの差異があるというのは、顕著である。
別にそこら辺をしっかりと学んでいる訳では無いから、概ね偏見やイチャモンに近い何かではあるという前提という予防線をしっかりと張りながら、その話をしようと思う。
と、言っても。去年別の形で似たような話をしているので、その焼き増しになってしまうのは、少々目を瞑って頂きたい。向こうはそれっぽく、いい感じの「お話」になっているので、そこで差別化を図っていく所存だ。

まずは昔話から。
といっても、こちらも別に調べたわけじゃないし、見てたわけじゃないし、イメージという名の偏見で語らうのだけれども。
「昔の父」と言われて想像するのはいわゆるところの「頑固親父」で、「大黒柱」で、「尊厳の塊」であると思う。そしてその妻、つまり「昔の母」と言うのは、それから3歩後ろを歩く、付き従う、とそんなイメージ。
つまりは、「父」が「仕事」で、「母」が「家庭」という役割分担が綺麗になされていた。
そして、その中で育つ子供たちは、「男」と「女」で、それぞれがその先に必要な素養を家庭で身につけて行くことになる。場合によっては、男が台所に立つことを許さないなんてこともあるくらいには、厳格に棲み分けをしていた。
まぁ、全ての家庭がそうだとは限らないだろうが、大方のイメージとしてそういう家庭がベーシックなものだろう。
それが大きく転換し始めたのは、つい数十年前頃からだったはずた。

近年になり、自動車会社からだったか定かでは無いが、「イクメン」なんて言葉が流行した。
「育児に参加してくれるメンズ(父親)」そんな概念が出現したのだ。
その背景には女性の社会進出が絡んでいると見ている。男性ほどでないにしても、女性が社会に出て働くということが増えてきた。さらにその背景には「少子化」もとい「労働者不足」という社会的にも働き手を増やす必要があったことと、グローバルスタンダードということもあっただろう。
要は、元々あった棲み分けが綻び始めたのだ。
綻び始めてからはあっという間だ、ドミノ倒しのように次々に「当たり前」が変革していく。

「イクメン」という概念は、長持ちしなかった。
それが流行って間もなく、女性の社会進出がほぼ必須になったからだ。
つまり共働きでないと子育てと生活するのに十分な資金が得られなくなってきたということだ。
高学歴社会による教育費の高騰、不景気、非正規雇用の待遇の悪さ。様々要因が考えられる。
とにもかくにも、これにより棲み分けは完全に崩壊した。
そして、これまで棲み分けによって成立していた「分担」も共に崩壊。かくして、仕事というアイデンティティを失った世の中の「父親」は、仕事と家事育児をこなすようになった「母親」から、これまで目を瞑られていた「自分の子供の世話をしない父親」引いては「自分の世話すら出来ない父親」という存在の糾弾が社会的に行われるようになった。

そうして、家庭からも、社会からも、「父親」の居場所は無くなった。

まぁ、それは流石に誇張表現であるけれど。
変化した「父親」像は本来そうあるべき家庭の姿だろう。いわゆるグローバルスタンダードでもある。まぁ、何でもかんでもグローバルスタンダードにすりゃぁ良いって訳じゃないのだけれども。
むしろ、それが必要なかった昔の日本の家庭の姿が、とても異質だったのかもしれない。それが必要ないくらいに綺麗に役割分担がされていたのだ。そして、更に、両者が両者のことをきちんと「尊敬」していたのだと思う。
しかし、いつしか、それにあぐらをかいていた「父親」は世の中にひっくり返され、尊敬もされず、端っこに追いやられたという訳だ。

その先に待ち受けていた、共働きでも子供を育てられない環境、つまり現状に関しては、本題から逸れそうなので、今回は論じない。
あくまで「父親」についての話だ。
いや「子供」に対する価値観とか、「結婚」に対する価値観とか、「幸せ」とかいう概念とかの変容も、個人的に語らいたい気持ちがない訳では無いのだけれど。まぁ、そのうち機会があるだろう。

とにもかくにも、日本の「父親」という概念はこう変化してきたと思っている。
そして、その波に置いていかれた「父親」が今も尚糾弾され続けている。
世論の流れは早くても、価値観の変容には時間がかかろう。
そうして、ちょうど転換期に生きる世代が、「父親」に、ひいては「親」なった時には、どのように世界が変わっているのか、そしてその時、この「父親」像は、「正解」とされているのか。
その答え合わせは、果たして、何年先になるのだろうか。

P.S.

そもそも「父親」になれるのかという話もある。

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