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一級建築士 製図試験 製図道具の選び方、使い方 ~最強の武器「1時間45分作図」を手に入れるために~

1時間45分作図の作図手順に関しては以下の記事で解説しています。まずは以下の記事をご覧になってから、この記事を読んでいただくことを推奨致します。

『弘法筆を選ばず?』いえ、製図試験は筆を選びます!!

 『弘法筆を選ばず。』ということわざがあります。これは弘法大師のように書に優れている達人なら筆の善し悪しは関係ないというお話からきていて、「技量が優れているならば道具に左右されない」という意味です。
 
 しかし、一級建築士製図試験にこれはあてはまりません。
「製図試験は筆を選びます!」どの道具を使用するのか、どんな使い方をするのかによって、作図時間全体が数分、いえ、数十分短縮できる場合もあります。
道具の使い方によって時間を短縮できるだけではなく、作図ミスを減らすことにつながる場合もあります。

 製図道具は人によって合う合わないの差が大きいものだと思います。人によって握力も筆圧も違いますし、手の大きさも違います。作図方法によっても適した道具とそうでない道具があると思います。私も様々な製図道具を試して、今の自分にぴったり合った道具にいきつきました。

 この記事では私が実際に試した道具の中で、それぞれの特徴をできるだけ細かく書いていますので、ぜひ製図道具を選ぶ際の参考になさってください。気になったらすぐに購入できるように販売ページがわかるものは販売ページのURLも載せるようにしています。

製図道具の選び方の基本。「いっぱい試して最後は減らす。」

 製図道具について紹介していく前に、私が大切にしている道具の選び方のポイントをお話ししたいと思います。それはとりあえず気になったものは全て試してみる。ということです。商品レビューで大絶賛されていても、実際自分で使ってみたら「なんか合わないな」と感じるものも割とあります。

 とはいえ、製図道具は新品で買うとマジで高いです。なんで一回しか使わない三角定規が3000円すんねん!とツッコミ入れたくなります。すべての道具を試していたらキリがないし、お金もなくなってしまうので、文具屋さんの店頭で試せるものは店頭で試したり、メルカリなどの中古品をうまく利用してコストカットするのもアリです。

 また、記事の後半では自分にあった三角定規の自作の仕方も詳しく載せています。私は色々三角定規を試しましたが結局自分好みの三角定規が見つからなかったので、メインで使う三角定規は自作しました。自作はハードル高いと思われがちですが意外と簡単に、しかも市販品の半額以下でできたりしますのでおススメです。あれかな、これかな?と買い足していくよりも実は自作したほうが早く自分に合う道具にいきつけるかもしれません。

 昨年から製図道具入れの使用が禁止になりました。一昨年までは道具入れをうまく活用してたくさんの種類の製図道具を使う方法も戦略としてありましたが、今はその戦略は悪手です。使用する必要がない道具は極力減らして、必要最小限の道具で戦うのが良いと思います。道具を減らすことで机を広く扱えますし、道具の持ち替えの時間を短縮することにも繋がります。

ですから、たくさんの種類の道具を試した後に、最終的に「これだ!」というものに絞って試験に使用するようにすると良いと思います。

製図道具の紹介

前置きが長くなってしまってすいません。それくらい製図道具は大切だということを伝えたかったんです。ここからは具体的な道具の紹介に入ります。

・手首、指サポーター 忘れがちだけどあるかないかで死活問題になるアイテム

 製図道具と言ったら真っ先に思い浮かぶのは三角定規だと思いますが、私的にはまずはこれを紹介したいと思い、紹介させていただきます。
手首、指のサポーターです。

[FREETOO] 指サポーター 関節固定 着圧手袋

 サポーターは忘れがちなアイテムですが、かなり重要アイテムです。特に初年度は製図に慣れていない状態ですので、1日に何時間も作図していると、すぐに手首や指を痛めて腱鞘炎になってしまいます。私も初年度速攻で痛めてしまい慌ててサポーターを買うことになりました。

 サポーターには手首だけのもの、指までカバーしているもの、厚手のもの、色々ありますが、この紹介しているサポーターは
 ・薄手なので汗をかきにくく、かつ、書く際に動きの邪魔になりづらい。
 ・指までサポートしているので安心 図面の汚れ防止にもなる。
 
以上の2点がおススメポイントです。薬局やスポーツ用品店などでもサポーターは売っているんですが、それらは大体厚手のものが多いんですよね。スポーツするならそれでも良いかもしれませんが、製図の際には厚手だと平行定規にぶつかってしまって邪魔です。
 また、指までサポートしてくれているものをおすすめするのは、意外と手首よりも指の関節を痛めやすいからです。シャーペンを持っている利き手の人差し指、親指の関節を痛めることが多いのでそこまでカバーしてくれていると安心。また、小指までカバーしていることで図面に手が擦れて汚れてしまうのも防ぐことができます。

 図面の汚れを防止するためにこういう2本指グローブを使用する方もいますが、こちらは手首サポーターの役目ははたしていませんし、薬指と小指の指先が出ていないから蒸れるので、私的には合いませんでした。痛めやすい親指と人差し指もむき出しなので、なんだかなあといった感じです。
ただ、「指までサポートがあると煩わしい、けど図面は汚したくない」という方にはこういう二本指グローブが良いと思います。

 余談ですが、サポーターをつけるのはもちろんですが、製図前に肩、手首、指のストレッチを必ず行うことも体を痛めないために大切ですので欠かさず行うようにしたほうが良いです。ストレッチをしたうえでサポーターもつければ鬼に金棒で安心ですね。

買って後悔 ドラフティングテープ

平行定規に製図用紙を固定するのに、よく見かけるのがこのドラフティングテープですが、はがしにくいし高いし、こちらはおすすめできません

マスキングテープならばはがしやすいですし、安価でホームセンターでも買えるのでおすすめです。ドラフティングテープは剥がすときにどうしても紙が剥がれてしまうんですよね。マスキングテープならそのようなことはありません。

三角定規 作図時間の命運を分けるのは結局コレ

 次に、三角定規の紹介をしたいと思います。三角定規はシャーペンに次いで試験中最も使用頻度が多い製図道具です。ですから、使いやすいものを選べるかどうかで作図時間に大きく関わってきます。先にお断りを入れておきますが、三角定規の解説はガチで長いです。すいません。それくらい語ることが多いのです。三角定規は1㎜の差で使いやすさが大きく変わります。私の選び方を参考に是非自分にぴったりの三角定規を見つけていただければと思います。

製図用三角定規のド定番 Vanco

 製図試験の三角定規としてド定番なのがこちらのバンコの三角定規です。円や四角、三角のテンプレートが入っていて、1/200縮尺のメモリもついていますので、これ一つでほとんどのことがこなせます。製図道具は極力減らしたいところですので、これは本当に便利です。つまみがついているのもポイントで、これがあるだけで取り回しが一気にラクになります。二級建築士の製図試験の時、私はこのバンコの存在を知らず、持っていた定規の中で唯一つまみがついていた勾配定規を利用していました。
初めてこのバンコの存在を知った時「マジか、こんな便利なものあるなら先に言ってくれよ。」と人知れずつぶやいたものです。(これに関しては調べなかった自分が全面的に悪いのですが、、、。)

タカラ 製図マルチ定規 私的にはバンコよりコレ!

三角定規のド定番のバンコ。出会った当初は「なんて便利だろう」と思いながら私も使っていましたが使用していると徐々に「ここがこうなったらもっと良いのに!!」と思う点がいくつかでてきました。そこで血眼になって探して見つけたのがこのタカラの製図マルチ定規です。

 このタカラの三角定規、バンコに比べてマニアックですが、バンコに感じていた不満点を見事に解消してくれています。

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