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はしか(麻疹)について

最近、国内で久々にはしかの方が3名診断されたようです。

CDCより
Measles(Rubeola)

臨床的特徴
麻疹は、急性ウイルス性呼吸器疾患です。発熱、倦怠感、咳(Cough)、鼻汁(Coryza)、結膜炎(Conjunctivitis)(3つの「C」)の前駆症状に始まり、コプリック斑(粘膜疹)に続く斑状丘疹が特徴です。
発疹は通常、暴露後約14日目に現れます。発疹は、頭部から体幹、下肢に広がります。発疹が現れる4日前から4日後までは感染力があると考えられています。なお、免疫不全の患者さんでは発疹が出ないこともあります。

感染約10日後(潜伏期間後)に発熱や咳、鼻水といっ た症状が現れ、
2~3日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出現します。

症状からは、(コロナ含めて)風邪と区別しにくいです。
特徴的な発疹から疑うのですが、
皮膚科や小児科でもあまり見ることはないのでは?


加えて、「修飾麻疹」と言われるものがあります。

幼少時に1回のみワクチンを接種しているなど、麻しんに対する免疫が不十分な人が麻しんウイルスに感染した場合、軽症で典型的ではない麻しんを発症することがあります。例えば、潜伏期間が長くなる、高熱が出ない、発熱期間が短い、発しんが手足だけで全身には出ないなどです。感染力は典型的な麻しんに比べて弱いといわれていますが、周囲の人への感染源になるので注意が必要です。

厚労省

周囲に麻疹の患者がいるなどの情報がなければ、
どうやって診断するのか・・・

ウイルスについて
麻疹は、一本鎖のエンベロープ型RNAウイルスによって引き起こされ、血清型は1種類です。パラミクソウイルス科モービリウイルス属に分類される。ヒトは麻疹ウイルスの唯一の自然宿主です。

新型コロナと同じ、1本鎖RNAウイルスです。
人間以外の動物には感染しないようです。


麻疹が多く発生しているのは、主にアジア及びアフリカ諸国です。
中でもウクライナ、インド、ブラジル、フィリピン、マダガスカルなどからの報告数が特に多いです。

厚労省

これらの国にいく人は、麻しんの予防接種歴を確認しましょう。


合併症

麻疹の合併症には、
中耳炎、気管支肺炎、喉頭気管支炎、下痢などがあります。
 
それまで健康だった子供でも、麻疹は入院を要する重篤な病気を引き起こすことがあります。
 
1,000人に1人の割合で急性脳炎を発症し、多くの場合、脳に後遺症を残すことになります。
麻疹に感染した小児の1,000人中1〜3人は、呼吸器や神経系の合併症で死亡します。
亜急性硬化性全脳炎(SSPE)は、まれではあるが、
行動や知能の低下、発作を特徴とする中枢神経系の致命的な変性疾患で、一般に麻疹感染から7〜10年後に発症する。


合併症の危険性が高い人
麻疹による重症化や合併症のリスクが高い人は以下の通りです:
 
5歳未満の乳幼児
20歳以上の成人
妊娠中の女性
白血病やHIV感染など、免疫力が低下している方

基本的にはワクチンで予防できるのですが、
重症化、合併症のリスクが高い人は気を付けましょう。
1000人に1人は、結構確立が高いですね。

伝播について

麻疹は、感染症の中でも最も感染力の強い病気の一つです。麻疹ウイルスは、感染性の飛沫に直接触れるか、感染者の呼吸、咳、くしゃみによる空気感染で伝播します。麻疹ウイルスは、感染者がその場を離れても、空気中に最大2時間まで感染力を維持することができます。

感染力が非常に強く、水痘、結核と同様に空気感染をします。
通常のマスクでは防げません。

診断と臨床検査
医療従事者は、発熱性発疹疾患と臨床的所見と合致する麻疹症状を呈する患者(特に最近海外に旅行した人や発熱性発疹疾患を有する人と接触した人)は、麻疹を考慮すべきです。医療従事者は、麻疹が疑われる患者を地元の保健所に報告することが義務付けられています。
 
血清中の麻疹特異的IgM抗体と呼吸器検体中のリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)による麻疹RNAの検出は、麻疹感染を確認するための最も一般的な方法です。

一般的にはIgM抗体測定です。
RT-PCRは保健所通して地方衛生研究所等で行うしかないです。

ワクチン接種

麻疹は、麻疹を含むワクチンで予防することができ、主に麻疹・おたふく・風疹混合(MMR)ワクチンとして接種されます。また、麻疹・おたふくかぜ・風疹・水痘混合ワクチン(MMRV)は、12ヶ月から12歳の小児を対象に、麻疹・おたふくかぜ・風疹・水痘の予防のために使用することができます。単一抗原の麻疹ワクチンはありません。
 
MMRワクチンの1回の接種で約93%の麻疹予防効果があり、2回の接種で約97%の効果があります。生後12ヶ月以上のMMRワクチンの1回目の接種で麻疹成分に反応しない人は、ほぼ全員2回目の接種で反応します。

ワクチンは予防効果が高いとされています。

平成12年4月2日以降に生まれた方は、定期接種として2回の麻しん含有ワクチンを受ける機会がありますが、それ以前に生まれた方は、定期接種として1回のワクチン接種の機会があった、もしくは定期接種の機会がなかった方となります。

MRワクチンは、生ワクチンという種類のワクチンですので、妊娠している女性は接種を受けることができません。また、妊娠されていない場合であっても、接種後2カ月程度の避妊が必要です。

厚労省

1972年9月30日以前生まれ      :接種していない可能性高い
1972年10月1日-1990年4月1日:1回接種
1990年4月2日-2000年4月1日  :1回接種の可能性高い
2000年4月2日以降生まれ        :定期接種で2回接種している
そうです。


隔離
感染者は発疹が出てから4日間隔離する必要があります。医療現場では空気感染予防策をとる必要があります。感染者に接する医療従事者は、MMRワクチンの予防効果が高いとはいえ、麻疹患者をケアする際には、全員が空気感染予防策を遵守する必要があります

発疹がでてから4日間は、隔離が必要となります。
ケアにはN95マスクが必須です。
ワクチン接種をしていても、
濃厚接触した医療従事者で発症した例もあり、注意が必要です。

治療について
麻疹に対する特異的な抗ウイルス療法はありません
医療は症状を和らげ、細菌感染などの合併症に対処するための支持的なものです。
 小児で重症の麻疹の場合、入院している場合などは、ビタミンAを投与する必要があります。

直接的な治療法はありません。
対症療法のみです。


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