高山病について。ぞの①。

私は今日も出勤しておりますが、
世の中は、お盆休みです。

日向灘で地震があって、「自粛」ムードに加え、
明日には台風7号接近の為、
東海道新幹線東京名古屋間で運休など、
帰省ラッシュに大きな影響が出そうですね。

騒いでいると、
大したことがないのが世の常ですが、
油断せずに気を付けましょう。

そういえば、
一時期スーパーから米が消えてましたが、
また並んでましたね。

私は長期旅行の計画もないので、
「都内は空いているはず!」と考え、
普段は行かない虎ノ門ヒルズに、車でいってみたり、
奥多摩の澤乃井ガーデンに行ってみたりしておりました。


今回は、
高山病のお話です。

Altitude Sickness.
Cleaveland Clinicより。

高山病とは?
高山病とは、急激に高度の高いところへ移動したときに起こる病気のことです。高度が上がれば上がるほど、大気は薄くなります。つまり、同じ量の空気を吸っても、低い高度にいるときよりも酸素の吸収量が少なくなります。高山病は、呼吸ごとに取り込む酸素量の違いに体が適応できないときに起こります。高山病は、次の 3 つの異なる状態を指します。

①急性高山病(Acute mountain sickness:AMS)
 高山病の中で最も軽度で最も一般的な形態です。
②高山性肺水腫(High altitude pulmonary edema:HAPE)
 高山病が肺に影響を及ぼし、肺に水がたまる病気です。これは緊急医療処置が必要な病気です。最も重篤な病気ではありませんが、他の高山病よりも早く死に至る可能性があります。
③高山性脳浮腫(High altitude cerebral edema:HACE)
 最も重篤な形態です。高山病によって脳が腫れることで起こります。非常に危険な状態であり、緊急治療が必要です。

高尾山(標高599メートル)くらいしか登ったことはないので、
私には縁遠い病気ですけど、
富士山登山でも8合目(3000m)を超えると、
3割くらいの方が高山病になるようです。
肺水腫や脳浮腫まで行くと重病となり、
速やかな下山が必要です。

高山病は、高所での呼吸に慣れていない人によく見られます。
AMS は海抜 8,000 フィート (2,438 メートル) 以下ではまれです。11,000 フィート (3,352 メートル) まで急速に登ると、ほぼすべての人が AMS を発症します。

高山病はさまざまな症状を引き起こしますが、症状の重症度によって異なります。急性高山病の症状は通常、高地に到達してから 1 日ほどで現れます。HAPE や HACE などのより重篤な症状は、通常 2 日から 5 日ほどで現れます。AMS の症状は次のとおりです。
頭痛(これが最も一般的な症状です)。
吐き気と嘔吐。食欲不振。
・休んでいるときでも疲労感がある。
・倦怠感。
・眠れない。
・めまいまたはふらつき。
・視力の変化(まれではありますが、通常、これはより重度の高山病を示しており、網膜の血管破裂が原因です)。

富士山が3776mなので、頂上まで行くと
急性高山病になる可能性があるようです。

高地での呼吸に慣れている人って、
日本には存在しなそうですけど。

原因
時間が経てば、呼吸ごとに取り込む酸素の量に影響する高度関連の変化に、体は通常適応できます。適応する時間が十分にないと、高山病になってしまいます。

危険因子
①標高: 標高が高くなるほど、高山病になるリスクが高まります。
②上昇速度: 高度が急に高くなると、高山病を発症するリスクが高まります。高所に徒歩、ハイキング、または車で行くよりも飛行機で行く方が、高山病を発症する可能性がはるかに高くなります。標高 8,000 フィートを超える場合は、1 日あたり 1,640 フィート (500 メートル) 以上は上昇しないでください。
③アルコールおよび薬物の使用:アルコールを飲んだり、特定の薬物、特に鎮静剤を使用したりすると、高山病を発症する可能性が大幅に高まります。高山病の既往歴。
④高山病の既往:特に HAPE や HACE のようなより重篤な形態を患ったことがあると、将来的に高山病を発症するリスクが高まります。

急に高いところに移動するのがよくないとのこと。

「飛行機高山病」という概念もあるようです。
気圧を高くすると飛行機の燃料効率が悪化するため、
飛行中の機内は0.7〜0.8気圧に減圧
されているようです。
標高2000〜2500mに相当する気圧なので、
高山病になってもおかしくない環境となっています。
短時間なら問題ないでしょうけど、
特に高齢者では、
長期間のフライトであれば何らかの症状がでることも。

合併症
AMS が HAPE または HACE に増悪すると、高山病は致命的になる可能性があります。HAPE は 12 時間以内に致命的になる可能性があります。HACE は 24 時間以内に致命的になる可能性があります。そのため、あらゆる種類の高山病を認識することは、重篤な合併症を防ぐために非常に重要です。

HACEの症状としては、
頭痛、錯乱、歩行時にフラフラするなどの体の不調和(運動失調)
があります。

HAPEでは(死亡原因としてはこちらが多い)、
・軽症では、乾いたせきや軽い動作の後に息切れがみられます。
・中等度では、安静時での息切れ、皮膚・唇・爪が青くなる(チアノーゼ)などがあります。
・重度の症状には、呼吸苦、痰がピンク色になったり血が混じる、重度のチアノーゼ、呼吸時にゴボゴボという音が聞こえることがあります。


管理と治療
高山病を完全に「治す」方法はただ一つ、より低い高度に降りることです。
高山病がそれほどひどくない場合は、いくつかの治療法が役立ちます。これらの治療法の中には、すぐに下山できない場合にも役立つものがあります。①立ち止まって順応する。高山病の兆候が最初に現れたら、立ち止まって休むのがよいでしょう。
②下山する。症状がより重度の場合 (めまい、疲労、吐き気など)、または悪化する場合は、下山することが最優先です。ほとんどの専門家は、症状が改善するまで下山することを推奨しています。通常、これには少なくとも 984 フィート (300 メートル)、最大 3,281 フィート (1,000 メートル) の高度低下が含まれます。
③酸素補給。高濃度の酸素を吸入すると、高山病の症状の一部を緩和することができます。
④薬剤。特定の薬剤、特にアセタゾラミド、デキサメタゾン、ニフェジピンは高山病を治療し、より重篤な症状や合併症の発症を遅らせることができます。デキサメタゾンとニフェジピンは、一般的に中等度以上の高山病に使用されます。
⑤高圧療法。高高度では、携帯型高圧バッグ(発明者のイゴール・ガモフにちなんで「ガモフバッグ」と呼ばれることもあります)を使用して高圧療法を行うことができます。これにより、患者を低高度に避難させることができるまで、症状の悪化を遅らせることができます。

発症予防や悪化を遅らせる薬もありますが、
とりあえず、早く下山することが第一です。

Ultra-Lite Gamow Bag. Chinook Medical Gear, Inc.

Gamow bagは、上の写真に引用したように、
中に入って、フットポンプで加圧する道具です。
相当重いのかと思いましたが、
軽いタイプのものだと、
3.5kgとのことなので持ち運べないこともないようです。


治療後どれくらいで気分が良くなる?
どのくらい早く気分が良くなるかは、高山病の重症度と受けた治療に大きく左右されます。より低い高度に降りるのが気分が良くなる最も早い方法であり、ほとんどの人は下るにつれてだんだん気分が良くなります
立ち止まって順応することを選んだ人の場合、症状は数時間から 1 日ほど続くことがあります。軽い症状であれば、体が高度に慣れるにつれて、通常は 1 日か 2 日で治まります。

軽症であれば、
下山すれば、速やかに改善するそうです。

次回は予防薬などについて、
もう少し記載します。


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