乾癬について
朝は少し寒い気がしてましたが、
天気予報でも、本日はやや気温が下がるそうです。
明日以降~土曜までは天気が回復するとの予報です。
朝晩と日中との気温差が大きくなるので、
まだまだコート類は必要です。
今日は乾癬です。
実際の写真は、
見たくない方もいるかと思うので、
載せていません。
興味のある方はググってみてください。
Psoriasis.
Mayo clinicより
乾癬は、かゆみを伴う鱗状の斑点を伴う発疹を引き起こす皮膚疾患で、最も一般的には膝、肘、体幹、頭皮に現れます。
乾癬は、一般的な長期(慢性)疾患で、治療法はありません。痛みを伴い、睡眠を妨げ、集中力を低下させることがあります。この症状は、数週間または数か月間悪化し、その後しばらく治まるというサイクルを繰り返す傾向があります。乾癬の遺伝的素因を持つ人によく見られる誘因には、感染症、切り傷や火傷、特定の薬剤などがあります。
国内の乾癬患者さんは約43万人(おおよそ300人に1人)といわれています。
男女比は約2対1で男性に多く、
発症年齢は男性では30代と60代、
女性では20代と50代が多いそうです。
「乾癬.com maruho」より
角質がはがれて白いかさぶたができるので、
よく知らないと、
見た目から感染が心配されますが、
感染とは違うので、他人にはうつりません。
乾癬の一般的な症状は次のとおりです。
・斑状の発疹は、フケのような鱗屑の斑点から、体の大部分にわたる大きな発疹まで、人によって見た目が大きく異なります。
・発疹の色はさまざまで、茶色や黒色の皮膚では紫色で灰色の鱗が見られ、白い皮膚ではピンク色または赤色で銀色の鱗屑が見られる傾向があります。
・小さな鱗状の斑点(子供によく見られる)
・乾燥してひび割れた皮膚は出血する可能性がある
・かゆみ、灼熱感、痛み
・数週間から数か月間再発し、その後治まる周期的な発疹
「尋常”」とは「普通」という意味です。
(皮膚科ではよく使われますね)
乾癬患者さん全体の約70〜80%が尋常性乾癬です。
紅斑(こうはん):皮膚が赤くなる、
浸潤・肥厚(しんじゅん・ひこう):皮膚が盛り上がる
鱗屑(りんせつ):銀白色のフケのようなものが付着しはがれ落ちるなどの症状がみられます。
乾癬にはいくつかの種類があり、それぞれ兆候や症状が異なります。
①尋常性乾癬。最も一般的なタイプの乾癬である尋常性乾癬は、鱗屑で覆われた乾燥してかゆみのある隆起した皮膚斑(プラーク)を引き起こします。斑点の数は少ない場合もあれば、多い場合もあります。通常、肘、膝、腰、頭皮に現れます。
②爪乾癬。乾癬は手足の爪に影響を及ぼし、陥凹、爪の異常な成長、変色を引き起こします。乾癬の爪は緩んで爪床から離れることがあります (爪甲剥離症)。重度の病気では爪が崩れることがあります。
③滴状乾癬。滴状乾癬は主に若い成人や子供に発症します。通常は連鎖球菌性咽頭炎などの細菌感染によって引き起こされます。体幹、腕、脚に小さな滴状の鱗屑を伴う斑点が現れます。
④反対型尋常性乾癬。逆乾癬は主に股間、臀部、胸部の皮膚のひだに影響を及ぼします。炎症を起こした滑らかな皮膚の斑点を引き起こし、摩擦や発汗により悪化します。真菌感染がこのタイプの乾癬を引き起こす可能性があります。
⑤膿疱性乾癬。膿疱性乾癬はまれなタイプで、はっきりとした膿がたまった水疱が生じます。手のひらや足の裏の広範囲に広がる場合もあれば、小さな領域に発生する場合もあります。
⑥乾癬性紅皮症。乾癬の中で最もまれなタイプの紅皮症性乾癬では、激しいかゆみや灼熱感を伴い、細かい鱗屑がはがれ落ちる状態が全身に広がります。短期間 (急性) の場合もあれば、長期間 (慢性) の場合もあります。
尋常性感染の方のうち15%ほどに、
関節炎を合併することもあります。(乾癬性関節炎)
感染性紅皮症の発症率は感染患者全体のうち1%ほどですが、
乾癬の治療が不十分だった場合や、
科学的根拠のない治療を行った場合、
もしくは治療を行わなかった場合などに発症することがあるとのことです。
原因
乾癬は、皮膚細胞が通常よりも速く増殖する原因となる免疫系の問題であると考えられています。最も一般的なタイプの乾癬は尋常性乾癬と呼ばれ、細胞の急速なターンオーバーにより、乾燥した鱗状の斑点が生じます。
乾癬の原因は完全には解明されていません。感染と闘う細胞が誤って健康な皮膚細胞を攻撃する免疫システムの問題だと考えられています。遺伝と環境要因の両方が関係していると考えられています。この病気は伝染しません。
皮疹を顕微鏡で観察すると、
・炎症を起こす細胞が集まって種々の炎症を起こす物質を出しているため、
毛細血管が拡張し、皮膚が赤みを帯びた状態になります。
・皮膚の細胞が、正常な皮膚と比べて10倍以上の速度で生まれ変わり、増殖が過剰な状態になっています。
乾癬の誘因
乾癬になりやすい体質の人の多くは、何らかの環境要因によって病気が引き起こされるまで、何年も症状が現れないことがあります。乾癬の一般的な引き金には、次のようなものがあります。
・連鎖球菌性咽頭炎や皮膚感染症などの感染症
・天候、特に寒く乾燥した気候
・切り傷や擦り傷、虫刺され、ひどい日焼けなどの皮膚の損傷
・喫煙と受動喫煙
・大量のアルコール摂取
・リチウム、高血圧薬、抗マラリア薬などの特定の薬剤
・経口または注射によるコルチコステロイドの急速な中止
乾癬になりやすい体質に加えて、
感染症や精神的ストレス、薬剤などのさまざまな要因が影響して
発症すると考えられています。
糖尿病や脂質異常症、肥満なども影響するといわれています。
食生活を見直す、体重を少し落としてみる、たばこをやめる、
などの生活習慣の改善でも治療の効果が現れやすくなったり、
乾癬の症状そのものが良くなったりするともいわれています。
リスク因子
乾癬は誰でも発症する可能性があります。症例の約 3 分の 1 は小児期に発症します。以下の要因により、乾癬を発症するリスクが高まります。
・家族歴:この病気は家族内で発生します。片方の親が乾癬を患っている場合、この病気にかかるリスクが高くなります。また、両親が乾癬を患っている場合、リスクはさらに高くなります。
・喫煙:タバコを吸うと乾癬のリスクが高まるだけでなく、病気の重症度も高まる可能性があります。
合併症
・乾癬性関節炎:関節とその周囲に痛みや腫れを引き起こします。
・一時的な皮膚の色の変化(炎症後色素減少または色素過剰)
・結膜炎、眼瞼炎、ぶどう膜炎などの眼疾患
・肥満、2型糖尿病、高血圧
・心血管疾患
・セリアック病、硬化症、クローン病と呼ばれる炎症性腸疾患などの他の自己免疫疾患
・自尊心の低さやうつ病などの精神疾患
乾癬の家族内発症頻度
(親や兄弟、祖父母に乾癬患者さんがいた場合の発症率)
は5%程度といわれており、
過度に心配する必要はないようです。
長くなったので、
治療法は次回に。