C型肝炎について。その①

5月21日沖縄が梅雨入りしたそうです。
例年より遅めらしいですけど。
南西諸島付近から本州の南にかけて、
梅雨前線が延びているようで、
関東でも一日曇りの予報です。

お天気の話題はほどほどにして、
前々回B型肝炎に触れたので、
C型肝炎にも触れておきます。

Mayo Clinicより
Hepatitis C.


C型肝炎は、肝臓に炎症を引き起こし、時には深刻な肝障害を引き起こすウイルス感染症です。C型肝炎ウイルス(HCV)は、汚染された血液を介して広がります。
最近まで、C型肝炎の治療には週1回の注射と経口薬が必要でしたが、現在、慢性HCVは通常、2~6カ月間、毎日内服することで治癒が可能です。
HCV感染者の約半数は自分が感染していることに気づいていません。これは主に、症状が出ないためで、症状が出るまでに数十年かかることもあります。そのため、米国予防医療作業部会(U.S. Preventive Services Task Force :USPSTF)は、症状や既知の肝臓疾患がない人も含め、18歳から79歳のすべての成人にC型肝炎の検診を受けることを推奨しています。最もリスクが高いのは、1945年から1965年の間に生まれた人たちで、他の年に生まれた人に比べて5倍も感染しやすいと言われています。


HCVに感染すると約70%の人が持続感染者となり、
慢性肝炎、肝硬変、肝がんと進行する場合があります。
現在日本では約100万人程度のHCV感染者がいると、
考えられているそうです。
60歳をこえると肝がんになる確率が高くなるとのことです。


症状
C型肝炎ウイルスの長期感染は、C型慢性肝炎として知られています。C型慢性肝炎は通常、ウイルスが肝臓を十分に損傷し、肝臓疾患の徴候や症状を引き起こすまで、何年も「沈黙の」感染となります。徴候や症状には以下のようなものがあります。
出血しやすい
あざができやすい
・疲労感
・食欲不振
・皮膚や眼が黄色く変色する(黄疸)
・尿の色が濃くなる
・皮膚のかゆみ
・お腹の中に水がたまる(腹水)
・足のむくみ
・体重減少
・混乱、眠気、ろれつが回らない(肝性脳症)
・皮膚にクモのような血管ができる(クモ状血管腫)

C型慢性肝炎の感染は、すべて急性期から始まります。C型急性肝炎は、ほとんど症状が現れないため、通常は診断されません。兆候や症状がある場合は、黄疸に加え、疲労、吐き気、発熱、筋肉痛などがあります。急性症状は、ウイルスに感染してから1~3ヵ月後に現れ、2週間から3ヵ月間続きます。
C型急性肝炎の感染が必ず慢性化するわけではありません。一部の人は、急性期の後にHCVを体外に排出します。この結果は、自然ウイルスクリアランスとして知られています。急性HCVと診断された人々の研究では、自然ウイルスクリアランスの割合は15%~25%と幅があります。C型急性肝炎は、抗ウイルス療法もよく効きます。


・肝臓では凝固因子を作っているので、
機能が落ちると出血がしやすく、内出血が目立ちます。

・赤血球が古くなって壊れるときに出てくるビリルビン(黄色い色素)を、間接ビリルビンといいます。間接ビリルビンが肝臓で処理され、胆汁中に入ると直接ビリルビンとなります。
肝臓の機能が障害されると間接ビリルビンを処理できなくなるため、血液中に間接ビリルビンが大量に残り、これに伴って皮膚が黄色くなる“黄疸”が発現します。かゆみの原因ともなります。

・総たんぱくのうち最も多い成分はアルブミンで、総たんぱくの70%を占めます。アルブミンは、血液中の水分を一定に保つ働きをもち、そのほとんどが肝臓で産生されます。低くなると、むくみの原因となります。

・体内のアンモニアは、たんぱく質の代謝の過程で作られ、肝臓で尿素に合成され排泄されます。数値が上がると意識障害などおこります。

原因
C型肝炎は、C型肝炎ウイルス(HCV)によって引き起こされる感染症です。ウイルスに汚染された血液が、感染していない人の血流に入ることで感染が広がります。
HCVは、世界的に見ると、遺伝子型と呼ばれるいくつかの異なる形態で存在しています。HCVには7つの遺伝子型と67以上の亜型が確認されています。米国で最も一般的なHCVの遺伝子型は1型です。
C型慢性肝炎は、感染したウイルスの遺伝子型に関係なく同様の経過をたどりますが、推奨される治療法はウイルスの遺伝子型によって異なります。
 


・1a、1b、2a、2b、3a、3b、4a、5a、6aの9つの遺伝子型に分類され、
日本人では感染者全体の約70%が1b型です。
・1b型ウイルスは血液中のウイルス量が他の型に比べて多くなりやすく、
インターフェロンの有効性も低いことがこれまでの治療戦略上の大きな問題でした。

リスク要因
以下のような場合、C型肝炎に感染するリスクが高まります。
・感染した血液に触れたことのある医療従事者(感染した注射針が皮膚に刺さった場合に起こる可能性があります)。
違法薬物の注射や吸引をしたことがある人
HIVに感染している
・不衛生な環境で、滅菌されていない器具を使用してピアスやタトゥーをしたことがある。
・1992年以前に輸血や臓器移植を受けたことがある。
・1987年以前に凝固因子製剤を投与されたことがある
・長期間の血液透析を受けている方
・C型肝炎に感染している女性から生まれた人
・刑務所にいたことがある
・C型肝炎の感染率が最も高い1945年から1965年の間に生まれた人
 

他人の血液に直接触れることが無ければ、
家庭や集団生活での感染のおそれはほとんどありませんし、
握手や抱擁、食器の共用や入浴での感染はないそうです。
母子感染も可能性は低いそうです。

現在使われている輸血用の血液や血液製剤は、
高い精度の検査がおこなわれているため、まず感染はおこりませんが、
1992年以前の輸血、
1994年以前のフィブリノゲン製剤、
1988年以前の血液凝固因子製剤
には、
ウイルスのチェックが不十分だった可能性があるそうです。

合併症
C型肝炎の感染が長年続くと、以下のような重大な合併症を引き起こす可能性があります。
・肝臓の瘢痕化(肝硬変)。C型肝炎の感染が数十年続くと、肝硬変が起こることがあります。肝臓に傷がつくと、肝臓が機能しにくくなります。
肝臓がん。C型肝炎に感染している人のうち、少数の人が肝臓がんを発症することがあります。
肝不全。肝硬変が進行すると、肝臓の機能が停止することがあります。
 


60~80%の人ではウイルスが自然に排除されることなく、
慢性化し、「慢性肝炎」になると言われています。
・慢性肝炎の患者さんのうち、
30~40%の方が約20年の経過で「肝硬変」に進行します。
・さらに肝硬変の患者さんでは、
年率約7%の頻度で肝がんが合併すると言われています。
・また、肝硬変は食道静脈瘤を合併することも多く、
破裂すると命にかかわることもあります

予防
以下の予防策をとることで、C型肝炎の感染から身を守ることができます。
違法薬物の使用、特に注射をすることをやめる。違法薬物を使用している場合は、助けを求める。
ボディピアスやタトゥーに注意する。ピアスやタトゥーの施術を受ける場合は、信頼できるお店を探しましょう。器具がどのように洗浄されているか、事前に質問してください。従業員が滅菌された針を使用していることを確認する。従業員が質問に答えない場合は、別の店を探しましょう。
より安全なセックスを実践する。複数のパートナーや健康状態が不明なパートナーとは、無防備な性行為をしないこと。一夫一婦制のカップルの間では、性行為による感染が起こる可能性がありますが、そのリスクは低いです
 

医原性の感染を除けば、
違法薬物とか入れ墨とかetc・・をしなければ、
通常は特に感染のリスクは問題なさそうです。



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