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WHY合コン 

なぜ合コンなのか。

「合コンってタイパ悪くない?」
「合コンってタイプの人となかなか出会えなくない?」
「合コンって効率悪くない?」

正解です。その通りです。
合コンはタイパ悪いし、タイプの人となかなか出会えません。効率が悪いんです。

でも、だからこそいいんです。
タイパも効率も悪い合コン、その合コンをなぜ今やるのか?
その意味について書いてみます。


まず結論からです。
なぜ合コンなのか。
それは、
❶世界が広がる。
❷相手を加点方式で捉えることと、チームプレーが身につく。
❸視点が増える。
からです。詳しく説明させてください。

❶世界が広がる。

2019年に最も売れたビジネス書である前田祐二さんの『メモの魔力』(幻冬舎 )。その中で紹介されている「タコわさ理論」というものがあります。

簡単に説明すると、まず小学生に地球最後の日に食べたいモノを聞きます。すると、焼肉、寿司、ラーメン… という答えが出てきます。しかし、この時タコわさと答える小学生はいません。

なぜか。
ほとんどの小学生がタコわさを食べたこともなければ、そもそも知らないからです。

つまり、自分が本当に好きなモノというのは、そもそも経験していないとわからないということです。知らないとわからないし、出会っていなければわかりません。これが前田祐二さんの「タコわさ理論」です。

恋愛や結婚も同じです。
例えば、合コンに参加してくれる方に理想のタイプをお聞きすると、「イケメン」「美人」「高収入」「カワイイ」…という答えが多く返ってきます。

「タコわさ理論」で考えると「イケメン」や「美人」が焼肉や寿司になります。みんな大好きです。けれど、もしかしたら自分が本当に好きなのはタコわさなのかもしれないんです。この場合のタコわさとは人それぞれです。一緒にいて気楽な人かもしれないし、話しやすい人かもしれません。

だからこそ、今の自分の価値観やタイプに囚われ過ぎずに色々な職業、タイプ、性格の人と出会い、話をし、経験値を高めることに意味があるんです。その結果として世界が広がっていきます。

そのために合コンがあります。
なぜなら、合コンではタイプでない人、価値観の異なる人と出会うことができるからです。

皆さま一人一人の「タコわさ」を見つけることができる可能性も持っているのが合コンの魅力です。是非、思ってもいなかった偶然の出会いを楽しんでください。きっと、少しずつ世界が広がっていくはずです。

さあ、合コンしましょう!


❷相手を加点方式で捉えることと、チームプレーが身につく。

2023年に明治安田生命が行った「いい夫婦の日」に関するアンケートによれば、結婚のきっかけの1位はマッチングアプリで合コンは5位です。

マッチングアプリはとてもよくできています。顔や年齢、職業に年収…タイプでない人と会う必要はありません。価値観までマッチングしてくれるアプリまであります。

恋人や結婚相手を探している時、どこかで減点方式になる時があります。それは、ある人には年齢であり、ある人には年収や容姿、相性になります。この点、恋活や婚活とマッチングアプリはとても相性が良いんです。

まず、顔がタイプでない人や希望の年収に届かない相手と会う必要はありません。一定の条件を満たした相手とだけ会うことができます。実際に会ってみてフィーリングが合わなければ、直ぐ次に向かうだけです。

では合コンはどうでしょうか。顔がタイプでない人と出会うこと?…沢山あります。相手の職業?…バラバラです。年齢?…ストライクゾーンから外れてしまうこともあります。価値観が合うか?…うーむ。タイプでない人と会うことの方が多いのかもしれません。

結婚のきっかけの1位がマッチングアプリになる訳です。減点方式での恋活や婚活は効率が良い。とにかく無駄がないんです。

でも、一つだけ気をつけないといけないことがあります。それは、結婚後にも相手を減点方式で捉えてしまうことです。

結婚というゴールまでは減点方式でもうまくいきます。むしろその方が早い。しかし、結婚というゴールはスタートにつながっています。そこからは日常生活が始まります。キレイなトコロだけを見せてはいられません。お互い譲れない、許せないところもあるでしょう。小さなことで揉めることも多々あります。

そんな時、相手を減点方式で捉えているとあっという間に辛くなります。ここがよくない、あれが足りない… 。

そうなんです。結婚後に必要なのは相手を加点方式で捉えることなんです。

ここで合コンの経験が役に立ちます。なぜなら、小島(2023)が述べているように合コンの本質とは、
•相手を加点方式で捉える
•チームプレー
だからです。

相手を加点方式で捉えているから相手に関心を持つことができます。関心があるから話を聞きたくなります。逆から見ると、自分に興味を持ってもらって悪い気のする人はいません。話を聞いてくれたら楽しくなります。そこにチームプレーが加われば…。結果として合コンは盛り上がります。

恋活や婚活にまったく役に立たないと思っていた合コンは、実は「その後」にとても役に立つ訳です。

「合コンを楽しむ力は、結婚生活を楽しむ力(小島,2023)」であり、
「合コンで培われる力は、結婚後に必要な力(小島,2023)」なのです。

想像してみてください。
数々の合コンを経験し、その結果として、
・チームプレー
・相手を加点方式で捉えること
この2つのスキルを身につけたあなたとそのパートナーを。

どんなことでも二人で乗り越えていける気がしないでしょうか。

合コンはタイパが悪くて効率が悪い。これはある一面から見ると正解です。短期的な視点です。しかし、長期的な視点で見るとどうでしょうか。「沢山合コンした方がいいよね!」といえるのではないでしょうか。

さあ、合コンしましょう!


❸視点が増える。

あるアメリカ企業の話です。その企業は接着剤を開発していました。多額の開発費をかけ努力をして試作品が完成しました。出来上がった試作品は「簡単にはがれてしまうもの」でした。

この企業は接着剤の開発に失敗したんです。しかし、その結果ポストイットという大ヒット商品が生まれます。

この企業が成功できた理由。それは多角的な視点です。「簡単にはがれてしまうもの」という視点から「簡単にはがせるもの」という視点に置き換えることができたからです。

これは早稲田大学名誉教授である加藤諦三さんの「絶望から抜け出す心理学」(PHP新書)の中で紹介されている失敗と成功についてのエピソードです。

合コンも同じです。
「この人は○だな〜」
「今日は△だ〜」
私たちは合コン相手のことを「一つの視点」だけからジャッジしてしまっていないでしょうか。他の視点はないのでしょうか。

また、
「自分のここは○だから!」
「自分って△なんだよな〜」
というように自分自身のことを「一つの視点」だけから決めつけてしまってはいないでしょうか。他の角度から自分を見ることはできないでしょうか。

一つ質問させてください。
図Aを見てください。何に見えるでしょうか?




では、図Bは何に見えるでしょうか?



答えが図Cです。



正解は円錐です。図Aは円錐を下から見ている時で、図Bは真横から見ている時です。下から見れば○で横から見れば△、それが円錐です。

合コン相手に対して自分が△だと感じた時、その感覚は正解だし大切です。しかし大事なことは、他の視点からも相手を見る努力をすることです。具体的に言えば、相手の良いところを一つ探してみることです。その結果、視点が増えていきます。

ハーバード大学心理学エレン・ランガー教授によれば視点を増やすことは幸運の扉を開きます。

さあ、合コンしましょう!

結論

さて、合コンをなぜやるのか?
その意味について書いてみました。

世界が広がり…。
相手を加点方式で捉えることとチームプレーが身について…。
視点も増える…。

これは合コンやるしかないでしょ!っと思ってくれてもくれなくても、ここまで読んでくださりありがとうございます。

SNSの最大の長所は「好きなコトに出会える」ことです。しかし、最近よく言われるようにインターネットの弱点は「好きなコトにしか出会えない」ということです。「好きなコトに出会える」という長所は「好きなコトにしか出会えない」という短所でもあるわけです。

合コンやマッチングアプリも同じです。長所は短所であり、短所は長所なんです。どちらが良いか悪いかではなく、どの視点から見るのかということです。


ある視点から見るとこうなるし。

別の視点から見るとこうなるわけです。

一年中、朝も昼も夜も合コンのことを考えているワタシにしてみると合コンの弱点をマッチングアプリは補ってくれます。しかし、マッチングアプリの弱点を補ってくれるのも合コンなんです。それをこの記事に書いてみました。

合コンとは人生を豊かにする飲み会です。
思ってもいなかった人との、
思ってもいなかった出会いを通して、
皆さまの人生が思ってもいなかったほど楽しく豊かになることを願っています。



【引用・参考文献】
加藤諦三(2022)『絶望から抜け出す心理学 心をひらくマインドフルネスな生き方』PHP研究所 

小島雄一郎(2023)『婚活に合コンはもういらないけど、結婚後に合コン経験は役に立つと思う。』日経COMEMO,2023.11/26,https://comemo.nikkei.com/n/n5df76bb80a26,(参照2024/02/23)

前田祐二(2018)『メモの魔力:The Magic of Memos』幻冬社

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