美術展が好き。 |『small MUJI』展 -日用品のたのしみ方-
慌ただしく過ぎていく毎日。同じような日々の繰り返しから抜け出したくて、仕事を早めに切り上げ、銀座に向かった。
そこには、私たちが暮らす世界と非常に密接な、それでいて全くの別世界があった。身近な日用品が織り成す、小さいけれど、どこまでも広がる世界。
今回は、無印良品銀座店の「ATELIER MUJI GINZA Gallery」で4/23まで開催されていた、「『small MUJI』展 -日用品のたのしみ方-」の感想レポを書く。
『small MUJI』展 -日用品のたのしみ方-
ミニチュア写真家の田中達也さんのインスタが好きで、投稿を毎日チェックしている。
田中さんは、身の回りにある日用品を有効に使ってミニチュアを創作するアーティストである。インスタを覗いてもらえばお分かりかと思うが、田中さんの作品はアイデアの宝庫である。
見慣れた日用品が、アイデアひとつでその表情を変え、壮大なミニチュア世界を構成する主役となる。このモチーフの面白さ、発想の飛躍が好きで、私は田中さんをずっと追いかけている。
そんな田中さんのミニチュア作品が、私が大学時代にバイトしていた無印良品と、夢のコラボ。そんな展示、観に行くしかないではないか。
無印良品銀座店の入り口に、展示会のポスターが。既にテンションは最高潮。
展示のある6階にたどり着く前に、そもそも無印良品銀座店が素敵な空間すぎて、びっくりした。
店舗内を見て回るだけで、ひとつの美術展を訪れたかのような満足感が得られるのではないか……? ちなみに銀座店には、無印良品のホテル「MUJI HOTEL GINZA」も併設されている。
いよいよ6階に到着。インスタや作品集で鑑賞していたミニチュア作品が、遂に目の前に……!
当たり前だがどれも小さい。ガラスケースに張り付くようにして鑑賞する。
展示の仕方に無駄がなくて好き。この辺りのシンプルなデザインは、無印良品らしさが感じられて良い。
身も蓋もない言い方をすれば、無印良品の商品が小さな人形と一緒に置かれているだけなのだが、なぜこんなにも「完成された世界観」を表現できるのだろう。
どのガラスケースの中にも、日常の風景が、時間の流れが、確固とした世界が存在していた。人々の会話や環境音が、実際に聞こえてくるようだった。
それでいてほんの少し頭を切り替えると、やはりそこにあるのは、無印良品の食品であり、文房具であり、収納用品なのだ。この可笑しみが田中さんのミニチュアの醍醐味である。
君たちなんでカレーの中で泳いでるんだよ、などと小さな世界の住人たちにツッコミを入れながら、時間を忘れて作品に没頭した。愛くるしいミニチュアの世界に、どっぷりと浸る木曜日だった。
4階には、銀座の街並みをイメージした、巨大なジオラマも展示されていた。これもものすごい力作だった。
ミニチュアを見ながら、思考が拡張されていく。そんな感覚が、とても良かった。仕事をほっぽり出して、平日に美術展に行くのも、また一興。
田中さんのミニチュア作品が気になった方は、『at HOME』がおすすめ。温かい気持ちになる作品集だ。
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