にゃおの事件簿❶ー4〜すべての始まり〜
[解決編]第四章
「私、動機わかった。」にゃんにいうと、空路寺刑事が驚いた顔でこっちを見た。
にゃんも「えっ、では動機はなんですか?」と聞いてきた。
得意になったわたしは、
「あのね、松乃さんはメッセージを探してたんだよ」
しかし、周りは、まだわかっていなかったみたいだから、
「あの人が遺書にわたしを見つけてって書かれてたっていったじゃん。」わたしは、空路寺刑事を指差しながら言った。周りは頷く。
「それは、絵の題名にもなってたけど、そのままの意味だったんだよ」
わたしがせっかくわかりやすく説明したのにまだわかってないみたいだから、説明を追加してあげた。
「つまり、荘助さんの絵にはいくつか同じ人間ー「自分」がいたんだよ。後で探してみれば?多分いくつかだけど、絵にでてる人物がいるから。で、いた絵の題名の文字のどこかでもくっつければ、でてくるんじゃん?メッセージがね。でも、多分松乃さんは、ここまでわかってなかったと思う。せいぜい、絵にヒントがある、くらいしか。」
話終わって周りを見ると、みんな、ポカーンとしていた。説明を追加したわたしの努力は?
まあそれはともかく、わたしはとりあえず、美術館へ向かって歩きだすと慌てて全員ついてきた。
許可をもらい、荘助さんの絵を写真で撮ると、いくつかに共通する絵の人物を探してもらった。そしたら、やっぱり五つぐらい見つかった。
「ほら、やっぱり。」わたしが勝ち誇ると、にゃんが
「すごいですねっ。」と目を輝かしてほめてくれた。嬉しい。すると、空路寺刑事が、
「妻なら、盗む必要がないんじゃないか」と聞いてきた。優しいわたしは答えてあげた。
「絵の権利は、美術館の方にあるって言ってたでしょ。なんか、借金で。」空路寺刑事は、ハッとしたような顔をした。そのとき、わたしは極上のドヤ顔を披露していたらしい。あとでにゃこに聞いた。
それからあとは、色々あって、解決は警察がしたことになった。
嫌だったけど、にゃこが没収したお菓子を食べていいと言ってくれたので、どうでも良くなった。
松乃さんは荘助さんが浮気していた、と誤解していたらしい。
だからメッセージを読んだとき泣いていたみたい。
一件落着だねっ。
数日後、にゃんが思い出したように、
「そういえば、メッセージにはなんと書かれていたのですか。」と聞くから教えてあげた。
「愛してるって書かれててたんだよ」と。