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眼鏡絵本のレビュー(その5)その他もろもろ『ローズ姫と黄金のめがね』『めがねをかけるとどうなるの?』
こんにちは。近藤ろいです。
今4歳の上の娘は弱視治療をしています。
「遠視性不同視弱視」といいます。左目が強い遠視であまり見えておらず、治療をしなければ将来眼鏡をかけても視力が出ないかもしれない状態です。
普通の3歳児健診で発見されました。
ここから数回は、「当事者母が語る! 日本一詳しい子どもの眼鏡治療・アイパッチ治療関係の絵本レビュー」と題して、
発覚当時、娘のために借りた絵本と娘本人の反応を綴ります。
娘が3歳10ヶ月~4歳2ヶ月くらいの間に読んだものなので、4歳前後の子どもの反応ということになります。
全部で13冊あるので、目次ページを設置しました。
こちらです。
他の本も読んだらまた加えていく予定です。
![](https://assets.st-note.com/img/1701532185031-agZUmFSrMc.png?width=1200)
ではレビューです。今回は分類ができない色々な本です。
小さな声で…
あんまりウケなかった本
『ローズ姫と黄金のめがね』
![](https://assets.st-note.com/img/1703171629736-aZSXsl5xkc.png)
文:ロウリー・ムーア/絵:ナタリー・オーウェン/訳:中井はるの
ハヤカワ・ジュニア・ブックス
「眼鏡がコンプレックスのお姫さまが、旅を通して本当の美しさに気づく話」です。
長いので4歳児には少々きつかったようです。
それでも最後まで根性で聞いた4歳児の反応は「?? 眼鏡があろうとなかろうと、わたしは当然既にプリンセスですけど?」という圧倒的王女目線でした。
幼いが故にね。
11歳の子どもさんが描かれたストーリーとのことですが、コンプレックスの概念化がまだない4歳児のナチュラルボーン姫気質には響かないようでございました。
『メガネをかけたらどうなるの?』
![](https://assets.st-note.com/img/1703171825524-z5jdMBMym2.png)
ハリエット・ブランドル 作 ぽるぷ出版
子ども向けの補装具説明絵本。同シリーズにエピペン注射や車いす、義肢などの説明があります。
今回は眼鏡の原理を。
記事に起こすために調べたら、対象年齢が小学校1、2年生でしたね。
わが娘はというと…「えっ、なんで目玉だけあるの?こわい…」
また出た「こわい」!
案内キャラクターの"ミルル"が受け付けず。2ページめくって終了でした。
内容は良かったですが、3歳児4歳児にはうーんまだ早かったか。
大人向けの書籍
『7.5グラムの奇跡』
![](https://assets.st-note.com/img/1703171898459-XocGjUz3Rx.png)
著:砥上 裕將 講談社
ちょっと不器用な視能訓練士さんが主人公の物語です。
これはさすがに娘ではなく親の私が読みたくて入手しました。
「娘がお世話になっているあの方々はどんなことを考えてお仕事されているんだろう?」と思って。
面白かったです。上手く書かれています。きれいにまとまっていて、読みやすいです。軽いミステリーの要素もあり、今の人は上手に書かれるんだなあという印象を受けました。
なお子どもの弱視の話は出てこないです。
「目の病気を持つ子どもの親」である私の反応 緑内障って怖い病気なのねえ。
など、視力と見えに関して、自分はわかっているつもりでわかっていないことが多々あるなあと感じた一冊でした。
夫は、「緑内障治療の、"これ以上悪くならないこと"のために日々治療を重ねるところが、娘のアイパッチや眼鏡の治療と似ている」と感じたようです。
私が印象的だったのは第三章の方かなあ。
病気と向き合うことができなかった方が、治療の先輩に出会うことで、病気の自分を織り込んだ人生を踏み出そうとされて。
普段、娘にとりあえず条件反射のように「アイパッチしなはれ」と口酸っぱく言い続けて嫌がられているのですが、
この小説が「見る」ことの奇跡について丁寧に書かれているので、もう少し娘本人の「アイパッチをしたらどう見えが変わるのかな」「眼鏡は?」と思いを馳せようと思った次第です。
そして視能訓練士さんという職業も初めて知りました。さすが受験者数ワースト2位の国家資格。臨床検査技師さんがされていると思っていましたが、これは臨床検査技師さんの専門性も誤解した認識でした。
主人公が「目」や自分の不器用さという人生の棘に引っかかってこの職業を選ばれたように。
うちの娘も、「目」や「人とは違う治療」という棘に引っかかって、仕事を選ぶのかもしれないな。
視能訓練士さん…いっそ眼科医?
人生の棘は、自分が苦しんだからこそ、その体験を、自分のコピーを作るためではなくうまく汎化することができれば、いい専門家になるれと思うので。
と、障害を持つ娘の将来について、障害があるからこそ拓けるこの先をイメージするきっかけとなった一冊でもありました。
2冊目を書いてくださるなら読みたいです。夫も同じ。そしてできれば、今度は小児の患者さんを登場させてほしいな(チラッチラッ)。
以下、宣伝です
「3歳児健診で眼科に行くことになり、眼鏡を掛けることになった」がテーマの本そのものは無かったので、描きました。
絵心は無いのに大冒険です。
120円で販売しています。紹介ページはこちら。
紹介ページの後半、絵本データをダウンロードする箇所だけが有料で、紹介リンクそのものは無料です。
よければサンプルだけでも覗いてみてください。
以上、眼鏡絵本のレビューでした!
5回にわたりレビューをしたシリーズも今回で最後です。
国内で一番幅広くカバーしていないかな?とひそかに自負しています。
あと読めていないのは「めがねこ」くらいですかねえ。
とにかく短期間の間に眼鏡に関するテーマ漬けになったので、娘としても、突然始まる眼鏡有り生活に向けて、心の支えになったような気がします。
絵本を描いてくださった方、サイトで紹介してくださった方、ありがとうございました。