4歳の片目弱視 2.本人の受け止めアイパッチについて
こんにちは。近藤ろいです。
今4歳の上の娘は弱視治療をしています。「遠視性不同視弱視」といいます。
左目が強い遠視であまり見えておらず、治療をしなければ将来眼鏡をかけても視力が出ないかもしれない状態です。
このシリーズは、発見→治療開始 の後の話。
娘本人の受け止めや周りの反応の話ができればと思います。
前回は目が悪いことの受け止めでした。
今回はアイパッチをしなくてはならない状況の受け止めについて。
アイパッチ治療が始まった直後、もう一度尋ねられる
眼鏡を掛けてアイパッチもするようになった4歳過ぎにもう一度、少し真剣な口調で「こっちの目はどうして見えないの?」と尋ねられる夜がありました。
「私はどうして眼鏡を掛けるの?」「お医者さんに行くの」といったぼやっとした捉え方ではなく、「こっちの目は見えない」という、今まで以上に具体的な捉え方です。
本人なりに、なぜ人とは違う不便を背負わなくてはいけないのか、と思ったのかもしれません。
特にアイパッチの遮蔽が、「見えない!」と嫌がっていましたので、このタイミングだったのでしょう。
これは腰を据えて答えなくてはいけない場面だな、と思いましたが、本質的な問いだけに答えはありません。
苦し紛れに「なんでかな。お母さんもわからないな。こっちの目は特別なのかな。周りはあまり見えない代わりに、神様が見える目なのかな」と答えました。
仏教で言う半眼の発想です。
めっちゃ苦しい説明でしたが、本人は気に入ったようで、ムフフと笑っていました。
…と思ったら
また尋ねられる「なぜ私はアイパッチをしなくてはならないの? なぜ私の片目は見えないの?」
短期間で同じ質問が繰り返されるときは、
1.前回の答えに満足しているから、不安を払拭するためにもう一度聞きたい
2.前回の答えに満足していないから、もっとわかる説明を求めている
のどちらかだと思います。
(3.知的障害や自閉スペクトラム症などがあり、本人の不安が非常に高く、不安の内容に関する受け答えを誰かとすることで安心する、という場合もありますが今回は除外)
この時は「2満足していない」だなと口調から察しました。
うーん。
自分の遠視性不同視弱視についてどう説明するか。
ごまかしきれません。
苦し紛れに、まともに理由を盛り込んでみました。
「あのね、娘ちゃんが悪いわけじゃないの。
みんな、赤ちゃんの時はお目目がぼんやりとしか見えなくて、だんだんはっきり見えるようになってくるのね。
でも娘ちゃんのこっちのお目目は、うっかり赤ちゃんのままだったの。
それに3歳お祭りで気づいたから、『おーい、こっちのお目目さーん。もう娘ちゃんは4歳なんだよー! 眼鏡を掛けた時みたいに見てよー』って修行をしているの。
アイパッチはね、『おーいおーい、(健眼で頼っていないで)自分で見てよー』って、見える方の目を隠しているの」
これは気に入ってもらえたようです。
「ハッハハハ!」と大笑いしていました。
エピソードが大好きな娘にとっては、自分の目を擬人化して扱ったのがよかったようです。
時々、ふとした時にこの話を聞きたがるようになりました。
これからも問いは続く
「どうして私は?」は、これからも不意打ちで母親の私に問うてくるだろうなと思います。
ただ答えが欲しいわけじゃなくて、その奥にある気持ちやコンディションを見つめなくてはならないなあ、と思います。
正解はないけれど、親としてはそのたびごとに苦しさと誠実さの合間でうーんと頭を回転させることになるでしょう。
もしもこの記事をご覧になった同じ立場の親御さんで、「うちはこう説明していますよ」というのがあればお聞きしてみたいです。
最後に…以下宣伝です
3歳児健診で見つかり、治療を受けることになった経過を描いた絵本を作ってみたり(有料販売しています)、
簡単にできる布アイパッチの型紙を提案したり、
習慣化アプリ 「みんチャレ」で励ましあうチームを作ったりしています。
てはまた〜!