英語の第二文型(SVC)
英文法では、英文の語句が:
[主語(S)] [自動詞(V.i)] [補語(C)]
の順に並んでいるものを、第二文型(SVC)と名付けています。(「V.i」は 「intransitive verb」の意)
語句の間に「助動詞」「修飾語(M)」が入ることももちろんあります。 因みに、第一文型(SV)については『英語の第一文型(SV)と用語の説明』で説明していますので、一読をお願いします。
さて、注意事項があります。当たり前のことですが、「第二文型(SVC)」だから「[主語(S)][自動詞(V.i)][補語(C)]」になっていると考えないようにお願い致します。
「[主語(S)][自動詞(V.i)][補語(C)]」という並びの英文を、英文法を学ぶために 「第二文型(SVC)」と名付けただけです。
ですから、『第二文型(SVC) は「[主語(S)][自動詞(V.i)][補語(C)]」である』と理 解するのではなく、『[主語(S)][自動詞(V.i)][補語(C)]」の並びは第二文型(SVC)に 分類される』と理解するようにしてください。
1. 文法用語の説明
文法用語を軽く説明しておきます。
詳しい説明は『英語の第一文型(SV)と用語の説明』にありますので、ぜひご一読 ください。
ここで再度、第二文型(SVC)を確認しておきます。
英文の語句が:
[主語(S)] [自動詞(V.i)] [補語(C)]
の順に並んでいるものを第二文型(SVC)に分類します。
「主語(S)」には「自動詞(V.i)」の「動作をする人/物/事柄」が来ます。
「自動詞(V.i)」は「目的語を取らない動詞」のことです。詳細は『必ずわかる!英語の「自動詞」と「他動詞」』をご覧下さい。
第二文型(SVC)に分類される英文に現れる「自動詞(V.i)」には、以下のようなもの があります。
英訳は代表的な訳し方です。
▼ 状態を表す自動詞(V.i)
be動詞(日本語の「です」などに相当)
appear(~に見える)
keep(~のままである)
look(~に見える)
remain(~のままである)
seem (~に見える)
▼ 変化を表す自動詞(V.i)
become(~になる)
come(~になる)
get(~になる)
go(~になる)
make(~にする)
turn(~になる)
▼ 感覚を表す自動詞(V.i)
feel(~ように感じる)
smell(~の匂いがする)
sound(~ように聞こえる)
taste(~の味がする)
などです。なお上記の動詞のほとんどは「他動詞(V.t)」としても使われるので、 注意してください。(「V.t」は「transitive verb」の意)
「補語(C)」は:
「主語(V)」と「目的語(O)」に、「どんなモノであるか」「どんな状態である か」などの情報を与える語
と言えます。
「補語」の部分には:
「名詞(a friend、a catなど)」
「代名詞(me、youなど)」
「動名詞(drinking、eatingなど)」
「不定詞の名詞的用法(to eat、to drinkなど)」
「形容詞(cute、angryなど)」
「現在分詞(eating、drinkingなど)」
「過去分詞(eaten、drunkなど)」
「副詞(home、upなど)」←諸説あり
「前置詞句(on the table、in the classroomなど)」←諸説あり
「名詞節(that he went home、a boy who is playing baseball now、 whether she is coming here or notなど)」
を置くことができます。しかし、動詞によっては限られたモノしか置けないものもあるので、注意してください。
「動名詞」と「現在分詞」の形は同じです。文の中での働きが違うので、呼び方を変えています。なお現在進行形は「be動詞+現在分詞」のことです。
通常「主語(S)」と「補語(O)」の間には以下の関係が成り立ちます。
"「主語(S)」は「補語(C)(具体的なモノ/コト/状態」である。"
より簡単に言えば、
「主語(S) = 補語(C)」
の関係が成り立ちます。
また、通常「目的語(O)」と「補語(C)」の間にも以下の関係が成り立ちます。
"「目的語(O)」は「補語(C)(具体的なモノ/コト/状態」である。"
より簡単に言えば、
「目的語(O) = 補語(C)」
の関係が成り立ちます。
では実際の英語の第二文型(SVC)を見てみましょう。
2. 第二文型(SVC)に分類される英文
2-1.「状態」を表す自動詞(V.i)がある第二文型(SVC)
まず「状態を表す自動詞(V.i)」がある第二文型(SVC)を見てみましょう。
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I am a student.
(私は学生です。)
上の英文では:
「I(代名詞) 」は「主語(S)」、
「am (be動詞)」は「動詞(V)」、
「a student (名詞 / 冠詞aは修飾語(M))」は「補語(C)」、
そして、
I = a student
という関係が言えるので、第二文型(SVC)に分類されます。
もう一つ例文を見てみましょう。
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Steve seems really happy.
(スティーブは本当に幸せそうだ。)
「Steve(固有名詞)」は「主語(S) 」、
「seems(自動詞(V.i))」は「動詞(V) 」
「really happy (reallyは副詞(修飾語(M) / happyは形容詞) 」は「補語(C)」、
そして、
Steve ≈ very happy
という関係が言えるので、第二文型(SVC)に分類されます。(「≈」は「ほぼ等し
い」を意味する記号で世界標準の記号です。日本では「≒」が使われています。)
「seem」の「補語(C)」は主に「名詞」か「形容詞」です。
もっと例文を見てみましょう。
ここからは:
主語は [◯◯] 動詞は <◯◯> 補語は (◯◯) 修飾語 {◯◯}
と括弧でくくりますので、第二文型(SVC)を確認してください。
また、当然のことですが、否定文であっても、疑問文であっても、元の肯定文が 第二文型(SVC)であれば、第二文型(SVC)です。
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He appears very upset.
(彼はご立腹のようだ。)
[He] <appears> ({very} upset).
He ≈ very upset
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I need to keep silent.
(静かにする必要がある。)
[I] <need to keep> (silent).
I ≈ silent
「keep」の「補語(C)」は「形容詞」です。
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This comic book doesn't look interesting.
(この漫画は面白そうじゃない。)
[{This} {comic} book] <doesn't look> (interesting).
↓ 肯定文は
[{This} {comic} book] <looks> (interesting).
This comic book ≈ interesting
「look」の「補語(C)」は主に「名詞」か「形容詞」です。
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Do the curtains remain open?
(カーテンは開いたままなの?)
<Do> [{the} curtains] <remain> (open)?
↓ 肯定文は
[{The} curtains] <remain> (open).
The curtains ≈ open (このopenは形容詞)
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2-2.「変化」を表す自動詞(V.i)がある第二文型(SVC)
次に「変化を表す自動詞(V.i)」がある第二文型(SVC)を見てみましょう。
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I want to become a doctor.
(医者になりたい。)
[I] <want to become> ({a} doctor).
*「want」自体は「他動詞」です。
I≈adoctor
「become」の「補語(C)」は主に「名詞」か「形容詞」「過去分詞」です。
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My dream came true.
(夢が実現した。)
[{My} dream] <came> (true).
My dream ≈ true
「come」の「補語(C)」は主に「形容詞」か「過去分詞」です。
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He got married again.
(彼は再婚した。)
[He] <got> (married) {again}.
He ≈ married (「結婚している」状態を表す形容詞)
「get」の「補語(C)」は主に「形容詞」です。
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Tanaka had gone grazy with the heat.
(田中は暑さで頭が変になってしまった。)
[Tanaka] <had gone> (crazy) {with the heat}.
Tanaka ≈ crazy
「go」の「補語(C)」は主に「形容詞」です。
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I will made ready for the journey tomorrow.
(明日旅の準備をしよう。)
[I] <will made> (ready) {for the journey}{tomorrow}.
I ≈ ready
「make」の「補語(C)」は主に「名詞」か「形容詞」です。
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Did the traffic light turn green?
(信号は青になった?)
<Did> [{the} {traffic} light] <turn> (green)?
↓ 肯定文は
[{The} {traffic} light] <turn> (green).
The traffic light = green
「turn」の「補語(C)」は主に「名詞」か「形容詞」です。
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2-3.「感覚」を表す自動詞(V.i)がある第二文型(SVC)
最後に「感覚を表す自動詞(V.i)」がある第二文型(SVC)を見てみましょう。
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I feel really good.
(とても気分がいい。)
[I] <feel> ({really} good).
I ≈ really good
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The flowers smell sweet.
(その花は甘い香りがする。)
[{The} flowers] <smell> (sweet).
The flowers ≈ sweet
「smell」の「補語(C)」は「形容詞」です。
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That sounds really exciting.
(それはとてもおもしそうだ。)
[That] <sounds> ({really} exciting).
That ≈ really exciting
「sound」の「補語(C)」は主に「形容詞」です。
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This chocolate doesn't taste delicious at all.
(このチョコレートは全然美味しくない。)
[{This} chocolate] <doesn't taste> (delicious) {at all}.
↓ 肯定文は
[{This} chocolate] <tastes> (delicious).
This chocolate ≈ delicious
「taste」の「補語(C)」は「形容詞」です。
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上記の例文の自動詞の他にも、第二文型(SVC)に分類される英文の中に現れる自動詞はたくさんあります。
例えば:
fall(~の状態に陥る)
grow(~の状態になる)
lie(~の状態で横になっている)
run(~の状態になる)
stay(~のままでいる)
などです。辞書を見て、例文を確認されることをお勧め致します。私はスマートフォンのアプリの『ウィズダム 英和辞典 和英辞典』を愛用しています。
これで第二文型(SVC)の説明は終わりです。