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音楽に対する解像度をあげる 2020/04/03
昨日のスティーリー・ダンの流れから引き続き、冨田恵一『ナイトフライ』を読み始める。言わずと知れたドナルド・フェイゲンの超名盤「ナイトフライ」を語り倒すという1冊。録音技術として一体どんなことが行われているのか、何がどうすごいのかをアルバム全体の話+各曲解説という構成でできており、読みながら聴く、聴きながら読む、を繰り返していた。
1つの楽曲の中には、楽器の音がミルフィーユのように重ねられている訳なのだけど、その音の層の1枚1枚を味わいながら、重なり合った全体も味わう。それがもう1枚でも美味なのに重なっちゃってもう大変!美味の10乗みたいなのがドナルド・フェイゲンの「ナイトフライ」ということだ。
もちろんど素人の僕には全てを理解することは全然できないのだけど、プロが鑑賞する時の高い解像度の一端に触れられるというのが最高に楽しい。
どんな世界でも、玄人は解像度が違う。センサーが高感度で、高精細なので、認識できる情報量が桁違いなのだろう。大概の人が赤だと認識しているものからグラデーションを読み取る。でも実は普通の人も無意識のうちにグラデーションがあることはわかっていたりするのだけど、それを表現する言葉を持たないので知覚できない、ということが往々にして起こる。そういう人がグラデーションを言語化されることで「あ、それ、なんかわかる」とか「そこまではわからなかった、ていうか流石についていけない」とか感得する瞬間があると思っていて、まさにその瞬間がその人の知覚の解像度が上がる瞬間なんだと思う。
という訳で、同じ音楽を聴いてもこれだけの情報量を聴き取ることができる人がいるのね、ということがわかって面白かった。
在宅勤務だと曜日の感覚を失うが今日は金曜日だ。ということは週末がやってくる。
夜は子供たちと『のび太の魔界大冒険』を観る。
妹「ほうきで空が飛べるんだ!すごい!後でやってみよう。」
姉「家でやると天井にぶつかっちゃうかも。危ないよ。」
あれ?かなりマジで話しあっている⋯⋯。
タイムトラベルに加えパラレルワールドの概念も出てきて、改めてドラえもんの(藤子不二雄の)SF味の強さを感じた。魔法の世界を舞台にするけどファンタジーというよりはSFなんだよな。なんてことを書きながらも違う世界へ行き、戻ってくるというファンタジーの古典的な型にものっとっているので、ファンタジーであり、SFなのである、ということか。
次女はその後、部屋にあった小さな”はたき”に跨り、空を飛ぼうとしてみたがなかなかうまくいかず、幸いにも天井に頭をぶつける事態は避けられた。
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