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外出自粛要請の週末 2020/03/28
新型コロナ感染者が過去最高。
60名。オリンピックの延期が決定してから絵に描いたように危機感が煽られる展開になっている。元来家に一人でいても退屈しないタイプなので外出自粛要請が出たことをこれ幸いに家から出ないで本を読む。
W.G.ゼーバルト『アウステルリッツ』
近所の書店で『アウステルリッツ』を購入。
早速読み始める。
Twitterでも何かと評判だったアウステルリッツを見かけたので購入。
W・G・ゼーバルト『アウステルリッツ』(鈴木仁子訳、白水社)が入荷しています。2003年に初邦訳の本書が新装版として登場。すでにクラシックとなった同書、衝撃を受けたかたも多くいらっしゃることでしょう...。店主もそのひとり。忘れがたいですね。あらためて読み返したい一冊、ぜひ。 pic.twitter.com/Zf1TJwZsgM
— 忘日舎 the bookstore (@vojitsusha) March 19, 2020
カレー沢薫『クズより怖いものはない』
こちらもなんか面白いと妻に言われたのでちょっと読みはじめてみた。
クズのステレオタイプを類型化し紹介する本なのだが、クズを罵倒したいわけではなく、クズを知ることで自分の中のクズを知り、認めようという試み。そう、人は皆何かしら、クズの要素を持っている。私もクズだし、あなたもクズだ、というコンセプト。
様々な小ネタに彩られる文章はどうしてもディテールが気になってしまう。「残業玉」って表現が妙に気に入ったのは「みんな、オラに、仕事を分けてくれ!」と叫ぶ社畜の姿が思い浮かんだから。
それとプロシュート兄貴が唐突に登場してきたので俄然ジョジョの奇妙な冒険 第5部が見たくなる。コミックスは何度か読んでいるから録画したまま見ていないアニメを見るのが良いのかもしれない。
「ブッ殺す」と心の中で思ったならッ!
その時スデに行動は終わっているんだッ!
プロシュート兄貴は思った時には行動は終わっている人。不言実行の極地をいくお方で、〇〇したいんだよね〜とか〇〇行きたいな〜、とかボヤいて無駄に日常を過ごす凡俗とは一線を画すお方だ。人生は短い。
ドラえもん のび太の大魔境
二ノ国2のタスクを片付けながらドラえもんをアマプラで流すというマルチタスク。未来から自分たちが助けに来てピンチを切り抜け、であるからこそ、過去の自分を助けにも行く、というタイムマシン的な展開は藤子不二雄っぽいのだが娘はこの時間と世界の概念がいまいち理解できていないような気がする。
しかし書いていて初めて気がつくが、今日は何かと「時間」と縁がある日だった。ここ最近、劇場版を順番に見ているのだけど新旧作を見比べるというやり方もありだなということに気づく。
世界の中心は「ここね」
娘が見てるアイカツを横目に見てたら気になる展開。神戸のアイドル学校・エトワール学院から、スターライト学園に交換留学アイドルがやってきた! 彼女の名前は、栗栖ここね。という話なのだけど、その栗栖ここねのキャッチフレーズが「世界の中心はここね」っていうやつ。ちなみに周りの人はそれに合わせて「だよねー!」っていうのがルールらしい。
しかしローカルアイドルのここねの知名度は東京では皆無。誰も「だよねー!」とは言ってくれず「かわいー」とか言われて違和感全開のここねっていう展開はちょっとシュール。
しかし知っていること前提で話していたら全く知られていない、みたいなことはよくある話。いやいやあらかじめ言っといたじゃない?ってこととか、前話したじゃんみたいなことはよくある話だけれど、人はそこまで他人に興味がない生き物なので仕方がない。人の自意識は大体過剰なのかもしれない。
娘はどうぶつの森
実は自分もやったことなかったのだけど余りの話題に興味を持って娘にプロモーション動画とか見せたらやりたい!と食いついてきた。自分はあんまりやる時間ないのがネックだったのだけど、娘がやってるのたまに触れせてくれれば十分満足なので早速購入。楽しいけれどやり込み要素ありまくりの時間泥棒系ゲームね。
ゲーム内の時間は現実世界と同期している。この同じ時間というのは『アウステルリッツ』の序盤に出てきたセンテンスを思い出す。
鉄道の時刻表が共通の時間に載っとるようになるまでは、リールやリエージュの時計はヘントやアントワープの時計とは異なる時を刻んでいました。そして需給世紀の半ばには統一時間が導入されてからというもの、時間は疑いもなく世界を仕切っているのです。私たちは時間が定める進行表に従って初めて、人と人を隔てる広大な空間を移動できるようになった。事実、とアウステルリッツはしばし言葉を切ってから言った、旅をするとわかるように、空間と時間の関係には、今日にいたるまでどこか幻術めいたもの、幻覚めいたものがあります。外国から戻るたびに、自分が本当に遠くまで行ってきたのかどうか、覚束なさをぬぐい切れないのはそのためです。
P.12
どうぶつの森をやるの初めてなので、このゲーム世界と現実の時間が同期していて、その時間の流れに意味があることが新鮮だったし、現実の世界もまた同じ時間が流れるようになった(標準時という概念の発明)のは140年弱の歴史でしかない。生きてる途中で時間の流れが変わるってどんな感覚なのだろう。
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