みんなで遊ぼう! - オンラインNew Gamesセッション
以前、アメリカで約50年前に戦争反対の動きから発生して世界に広がった新しい遊びのカタチ「New Games」に関して書きました。
1975年から、ヨーロッパ諸国、イスラエル、南アフリカ、ニュージーランド、インド、そして日本などの30カ国以上でNew GamesワークショップをしてきたDale N. Le Fevreさんが、Zoomを使ったオンラインでのNew Gamesセッションをするとの情報をもらったので、その場で参加申し込みをして、この日を楽しみに待っていました。
オンラインNew Gamesセッション、始まり。
参加者は、アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリス、イタリア、オーストリア、ドイツから12人。自身もNew Gamesや遊びに関するワークショップやイベントをされている方たちや、野外教育に関わっている方、学校の先生、仕事関係なしでとにかくみんなと遊ぶのがだいすきな人など、年齢も背景も様々。
主催のデールさんも合わせて13人で1時間半遊びました。
みんな、「New Games」「デールさん」といった共通の関心があって、遊ぶのがだいすきな人たちで、好奇心がたっぷりで目がキラキラしていて。堅い話なんて全くなしで、早く遊びたい!という人ばかりで、初めからとってもわくわくしました。
まずは、それぞれ、名前、今自分が住んでいる場所、これまで住んできた場所、New Gamesや遊びに関する経験や考えについてさらっと話して自己紹介。
みんなデールさんのことを知っていて、デールさんとどこで知り合ったのか、というお話もされていました。
デールさんは、その間ずっと、本当に屈託のない笑顔で、にこにこにこにこ。ずっと嬉しそうにみんなの話を聞いていました。
ひとりひとりに、番号を付ける
自己紹介が終わると、デールさんの画面上で左上の人から順番に、1、2、3、、、、とみんなに番号を付け始めました。遊びで使うとのこと。
「あかね、3番になってくれるかな?」
といった風に、ひとりひとりに確認しながら。
ん?みんな名前があって、顔も名前も見えているのに?と思いながら承諾し、1番のデールさんから13番目の人まで番号が付いて、準備完了。
1. "Two Truths and a Lie"
今回は、「みんなで遊ぼう!」という時間。
デールさんが、オンラインでもできる遊びを用意してくれていて、参加者の遊びの提案も、大歓迎。New Gamesのワークショップでは、そういう形態が多いと思います。
ひとつめの遊びは、デールさんの提案から。
知っている人も多かった、"Two Truths and a Lie"という遊び。
3つの中からひとつの嘘を探す、というもの。自分のことを話すので、今回のように初めて会う人たちのグループでの遊びやチームビルディングにぴったりです。
例えば、
①「私は4人妹がいます。」
②「私はソマリアの難民キャンプで5年間働いていました。」
③「私は41歳です。」
これは参加者さんひとりの例ですが、彼女の嘘は、②。ソマリアで5年働いていたけれど、難民キャンプではなかった、と。
おもしろい嘘やびっくりするような事実に、盛り上がります。
1時間半と限られた時間の中でたくさん遊べるように、デールさんともうひとりの話が終わった後は、ふたつのブレイクアウトルームに分かれて続けました。
これは、こどもから大人まで、オンラインでも直接会ってでも、同じように遊べるゲームですね。
2. "Dancing Dale"
名前は忘れてしまいましたが、お互いの名前を楽しく覚えられる遊びなので、こちらも、初めて会う人たちのグループにぴったりです。
参加者それぞれ、自分の名前と頭文字が同じ形容詞を名前に付けて言います。
例えば、"Dancing Dale"。
もしくは、名前と響きが似ている言葉を見つけます。
例えば、"Dale - Whale"。
ぽんぽんとテンポよく進んでいくので、私が咄嗟に思いついたのは、
"Akane - Banane" と "American Akane" と "Amazing Akane"。。。
臨機応変さと英語の語彙力のなさに情けなくなりますが、気にせず楽しみます。
Bananeは私より順番が先だったAnneさんに言われてしまって、Amazingという勇気は出せず、"American Akane" でいくことにしました。
1番のDaleさんが "Dancing Dale" と言ったら、
2番のAnneさんが "Anne - Banane"、"Dancing Dale" と言って、
3番の私が "American Akane" 、"Anne - Banane"、"Dancing Dale" と言って、
と言ったように、新しいものから順に後ろに戻る順番でいっていく、と言ういたって簡単なルールです。
みんなおもしろい言葉や言いにくい単語を出してきたり、テンポよく続けたいけれどつまづいたり忘れてしまったり、単純だけどみんなで笑える遊びです。
日本語だと、「あわてんぼうのあかね」「あかねのメガネ」といった感じになりますね。
楽しみながら文字や言葉の響きを学べる遊びですね。ちょっとした記憶力のトレーニングにもなります。
ここで、初めに付けられた番号が役に立ちます。
「どういう順番でやろうか」といちいち考えたり話し合ったりする時間を取らずに、「1番から順番に行きましょう」でぱぱっと始められます。
こちらも、オンラインでも直接会ってでも、同じように遊べます。
3. "Online lessons"
次は、参加者さんのひとりからの提案です。
先生という立場でオンラインで授業をする機会が増えてきた中で思いついたというオンライン用の遊び。
参加者の1人が先生役、半分はオンライン授業を受けている生徒役で、ビデオ画面をオンにしておきます。もう半分はビデオ画面をオフにします。
先生役が「はい、授業を始めます。」と言ったら、生徒役はそれぞれ、画面の見えないところで本当の授業ではやらないであろうことをやるふりをします。
先生役が「みんな、授業に集中してくださいねー!」と言うと、生徒役のみんながしている行動を大げさにしてね、という合図。自分が何をしているのかのヒントになるように、でも、完全にはバレてしまわないように。
そして先生役が「授業はおしまいです。」と言うと、ゲーム終了。
観察していた参加者もビデオ画面をオンにして、それぞれ画面外で隠れて何をしていたのかを当てる、と言う遊び。
コンピューターゲームをしていたり、スマートフォンをいじっていたり、こっそり何かを食べていたり、編み物をしていたり、ネイルケアをしていたり、猫と遊んでいたり。
この遊びでも、奇数と偶数でグループ分けがさっとできたので、最初に番号をつけておくのはとても効果的だなぁと思いました。
オンライン授業のデメリット(生徒側にとってはメリット?)についてみんなで笑える、なかなかおもしろい遊びでした。
4. "This is my nose"
こちらも名前は忘れてしまいましたが、次にやったのは、「これは私の〇〇(体の部位)です」と言いながら、それをは違う体のどこかの部位を指し、次の人は、前の人が指した部位を言いながら、また別の部位を指す、といったように続けていく、という遊び。
たとえば、1番目の人が「これは私の鼻です」と言いながら右耳を指す。
次の人は「これは私の右耳です」と言いながら顎を指す。
次の人は「これは私の顎です」と言いながら左目を指す。
といった感じ。
ルールはとっても単純ですが、できるだけテンポよく続けていこうとすると、そして2周目や3周目になっていくと、だんだん訳が分からなくなってきて、みんなで大笑いしておしまいです。
この遊びでは、だんだんと自分の順番に慣れてきたので、今度は13番から1番と、後ろからの順番で遊びました。
これも、オンラインでもオフラインでも遊べますね。
みんなで楽しめるだけではなく、こどもが体の部位の名前を覚えるのにも、また外国語を学ぶ際にもぴったりの遊びだと思います。
5. "A is B, B is C, C is D,..."
次に参加者さんからの提案で遊んだのが、AさんはBさんになって、BさんはCさんになって、CさんはDさんになって、DさんはEさんになって、EさんはFさんになって、FさんはAさんになって、会話をする、というもの。
こちらも、みんなが楽しめるように、ふたつのブレイクアウトルームに分かれて、6人ずつで遊びました。
会話が途切れないように、誰かが別のだれかに質問をして、質問された人はまたまた別の誰かに質問をして、と続きます。
「Aさん、昨日の夜は何を食べたの?」
(FさんがAさんの昨日の夜ごはんを予想して)「スパゲッティを食べたよ。Cさんは?」
(BさんがCさんの昨日の夜ごはんを予想して)「私はステーキを食べたよ。Eさん、週末の予定は?」
(DさんがEさんの週末の予定を予想して)「Bさんと会おうと思ってるけど。ねぇ、Bさん?」
(AさんがBさんになりきって)「お、おぅ、そうだね。じゃあローマで会おうか。Aさんも一緒に来る?」
簡単のようで、頭の中がだんだんとこんがらかってきます。
1時間以上遊んで打ち解けてきていたので、わざとおもしろい答えを言ったり、意地悪な質問をしたり、大盛り上がり。
こちらも、オンラインでもオフラインでもできますね。
初めて会う人同士でも楽しめますが、少し距離が近づいてきた頃にやるとおもしろいかな、と思います。
あっという間の1時間半
他にもいくつかゲームを試して、1時間半はあっという間に終わってしまいました。誰かがなかなかルールを理解できないとみんなで説明したり、途中で間違えて遊びが終わってしまっても笑い合ったり、終始、フラットで明るい雰囲気、そしてとっても優しい空間でした。
はじめましてでも短時間でもオンラインでも、遊びたいという人が集まると、こんなに笑って一緒に楽しめる。最高の時間でした。
遊びの力は世界共通ですね。
「近々また集まって遊ぼう!また自由に移動できるようになったら、直接会ってもっといっぱい遊ぼう!」という約束をして、お別れしました。
世界中がひとつの同じ困難に直面し、家族や友達などの大切な人に直接会うのが難しくはなってしまいましたが、似たような課題や問題点に立ち向かう人が世界中にいるような状況になって、遠く離れていても励まし合えたりアイデアを分け合えたりして新たな繋がりが大幅に増えたのも事実ですよね。
オンラインの講演会やワークショップが一気に増えて、日本や他のいろいろな国から発信されるものにも参加できるようになったのは、個人的にはとても嬉しいことです。
ベルリンでは状況がよくなってきて、人と会ったり外食したりできるようになってきました。直接会えるのがやっぱり一番だなぁと思いますが、みなさんも、遠くにいて会えない家族や友達と、オンラインでも遊んでみてください。
一緒に笑えて、距離がぐっと近く感じられると思います。